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閑話 【創造神ローナ】2

続きです

あれ、これまでの中で一番長くね?

いや、気の所為か・・・


いやね、糖分が足りないの

甘い話が書きたいの!!

シリアス?シリアルの間違いでしょ?

 



 私は冷静になって恥ずかしくなった。


 初めて出来た友人に泣きついてしまったのだ。


 それに彼に頭を撫でられている時はとても落ち着き、心地良かった。


 私が泣き止むと彼はゆっくりと手を離し、『大丈夫ですか?』と私を心配してくれた。


 本当はもっと撫でて欲しかったが、恥ずかしくなってしまったので名残惜しく思いながら渋々、彼から離れる事にした。


 彼と目が合う。

 恥ずかしくて俯いてしまった。


 気不味い沈黙が流れる。

 彼もそう思っていたのだろうか。

 声を掛けてくれたが、それが名前呼びではなかったので、私は咄嗟に


『ロ、ローナです。呼び捨てにしてくれなきゃ()です。・・・・・折角、貴方が付けてくれたのに』


 そう言ってしまった。

 言いながら恥ずかしくなり最後は尻すぼみになる。

 彼は敬語になってしまい、やってしまった・・・と後悔する。


 両手にカップを持ち、余りしたくはなかったが彼の心を読む。

 やはり、戸惑っている様だった。


 そこで、私は勇気を振り絞ってつけてくれた名前の由来に関して質問する。

 返ってきた答えは私を喜ばせるモノだった。

『嫌だった?』という彼の問いに、私は必死で否定する。



 嫌な筈がない。



 私の事を考えて付けてくれたのだ、そして由来も私が前を向ける様に、と。


 そして、彼は私に決定的な一言を放った。


『ローナ?あのさ・・さっきの一緒に何処かの世界で2人で暮らそうっていうの結構本気だからさ、良かったら考えといてくれ』


 私は信じられずに『本当に?』と聞き返してしまったが、それに彼は『本当だ。』と答えてくれた。


 嬉しさの余り舞い上がった私は、つい気合いを入れて世界を創ろうと彼に提案した。

 しかし、流石に彼もそこまでしなくて良いと焦った様に断ってきた。

 私は提案が否定されて不満だったので、彼を困らせようと拗ねてみた。


 しかし、それに彼は『可愛い』と声に出してきて、どんどんと私を褒め始めた。心を読んでみたけど本心からの言葉のようで、私は恥ずかしさの余りに机に伏してしまった。


 それでも、止まらない彼の猛攻に、私は彼の側に移動してやめるように懇願する。

 何とか止める事が出来たが、それでもまだ少し言ってくるので、言葉で返す事が出来ずに行動で抗議する。


 その甲斐あってか

 彼は思い出した様にどんな世界が理想的かを語ってくれた。

 それには心当たりがあったし丁度良かった。



『力はどうするのか。』と聞かれたので、どれ位力を与えられるのか彼の魂を見た時だった。



 私の時が止まった。


 彼の魂の見て。


 ソレはもう既に人間の魂をなどという生易しいものではなく、最上位神でさえ持ち得ない程の容量と強度を備えた化け物だった。


 完全に私の所為だった。


 私は彼にどう弁解するかを考えながら土下座した。


『どういう事だ。』と聞いてくる彼に


 あぁ、もう嫌われるのは確定しただろうと諦めた私は、正直に


『貴方を神様にしちゃったんですよ!しかも、私と同じくらいの力を持った!!』


 そう答えた。

『終わった・・・』心からそう思った。


 この気持ちも、感情も、やはり私には相応しくなかったのだろう。

 永遠に孤独に過ごすのお似合いだ。


 彼になら何と()じられてもいい、蔑まれても受け入れよう。

 何より折角見つけた友人を化け物にした罪悪感と自分への怒りでいっぱいだった。


 彼を化け物にした理由も正直に話した。

 これが、恐らく最後の会話になるだろうと。


 望みは恥ずかしくて言えなかったが、理由に関する事は殆ど話した。そして、『お別れかな・・・・』、と悲しい気持ちを必死に押し殺して彼に話し掛けようとすると


『なら、別に良いか。俺が望んだ事だみたいだしな。』


 予想外の返事に私は


『え?怒らないの?』


 そう、聞き返してしまった。


 しかし、彼は呆れた様に


『は?なんで、怒る必要があるんだ?』


 心を読んでもそれは本心の様だった。



 どうして?


 どうして怒らないの?どうして蔑まないの?


 どうしてそんなに冷静なの?


 私の所為で化け物になったのに!


 私が悪いのに!


 どうして・・・私が悪くないって、『俺が望んだんだ』なんて言えるの?


 どうして、私を嫌いにならないの!?


 どうしてそんなに優しくするの!?




 訳がわからず座り込んでいる私に彼は跪き私の目を見る。

 やっぱり、怒ってるんじゃ・・・そう思った私は目をギュッと閉じて覚悟を決めた。


 しかし、彼は私を()つどころか頭をゆっくりと撫で始めた。まるで、安心させる様に。


 ゆっくりと目を開けた私に、彼は微笑みながら優しい口調で


『大丈夫だ。嫌いになんかならねぇよ。むしろお前と同じ存在になれて嬉しいくらいだ。それならずっと一緒に居られるだろ?』


 余りにも優しい言葉を私にくれた。



 ずるい・・・ずるすぎるよ・・・・・・・・



 私が勝手に呼び出して、化け物にして、その存在を吹き飛ばしかけたのに、彼は私に怒ったり蔑んだりするどころかそれを許容し、あまつさえ『ずっと一緒に居られるから嬉しい。』と言ってくれたのだ。


 その優しさが胸に染み渡り、感情が再び爆発する。

 私は遠慮する事なく彼の胸に顔をうずめて泣いたのだった。


 次に泣き止んだ時、私の心は彼の事でいっぱいだった。

 これからは、ずっと一緒に居られる。

 そう思っただけで嬉しさで胸がいっぱいになる。

 私は彼の横に席を移してぴったりとくっ付いて居た。


 彼が紅茶を飲みづらいと言ってきたので、遠回しに離れてくれと言われた様な気がして、『こうされるのは嫌?』と聞いてしまった。


 だけど、純粋に飲みづらいだけだった様なので一安心。


 彼がこちらを見ている事に気付き、自然と笑みが零れる。私を見てくれている、その事実が途方もなく嬉しかった。その瞬間、彼が吹き出したのにはびっくりしたけど・・・


 その時に、心の中で私を美女と褒めてくれたのだけど、嬉しくてうっかり声に出してしまった。


 彼が異世界にはいつ行けばいいのかと聞いてきたので正直に答える。『もう行っちゃうのかな・・・』と不安に思ったが、そうじゃないようでとても安心した。


 彼はもう少しここに居てくれるようだ。


 そこからは、話が弾んだ。


 彼の居た世界での出来事や面白かった事。


 彼の友人の突拍子もない行動や一緒にやった馬鹿な事。


 彼と言葉を交わしているだけで


 彼と一緒に居るだけで


 私はとても居心地が良かった。



 でも、そんな時間はあっという間に過ぎ


 彼が異世界に行くことに決めた。


 凄く寂しかったけど彼は


『そんな顔すんなって、別に二度と会えない訳じゃないんだから。な?』


 そう言ってくれた。


 うん、そうだよね。また、すぐに会えるよね。


 私は笑顔で


『いってらっしゃい!』


 それに彼は


『行ってきます。』


 そう答えてくれた。


 私は気持ちを切り替えて転生魔法を発動させ、彼を祝福する準備をする。



 彼の為の祝福


 彼の為だけの特別な祝詞


 私は祈りを込めて紡ぐ


 ただ、1つ気になる事があった。


 私の魔力以外にも沢山の魔力が渦巻いていたのだ。



 多分、最上位神達(あのこたち)だ。


 あの子達も彼を祝福してくれるみたい。


 彼を、気に入ってくれた様で何よりだ。


 私は自分の事の様に嬉しく思った。



 そして、紡ぎ終えた私は彼にちょっとしたサプライズをする為に駆け寄り。



 彼の右頰にキスをした。

 顔から火が出そうなほど恥ずかしかったけど彼が驚いてくれたから良しとしよう。


 そして、もう1つ


「行ってらっしゃい。私の––––––」


 彼がもう一度だけ『行ってきます。』


 そう言ってくれた気がした。





 –––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––




 先程までの出来事を思い出し、胸に仕舞い込んだ彼女は


 緩む頬を引き締め


「最上位神各位に通達。緊急招集です。」


 創造神たる威厳を纏い準備を始める。


「待っていて下さい。すぐに参ります。私の愛しい人・・・」


 愛する彼の所へ行く為に。




作者「創造神が準備運動を始めた様です。内面は子どもっぽい神様いいよね!」


隊長「なんだ。生きてるじゃないか。」


作者「うるせぇよ・・・テメェの所為でエライ目にあったわ。」


隊長「で?メインストーリーぶった切って閑話投稿したことに関しては?」


作者「マジですみませんでした。」



コメントにて御指摘頂きました読点に関する修正を行いました。(2017/12/9 8:48)



一部修正を行いました。

(2017/12/28 11:03)



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