閑話 【創造神ローナ】1
書きたかったんです
思い付いたら即書き始めるのが信条
はい、すみません
調子乗りました
本当に書きたかっただけです
私はあの人を見送ってから、少しの間ここに佇んでいた。
魔法陣の中に消えたあの人の事を想いながら。
おそらく、最後の言葉は聞こえていないだろう。
でも、それでいい。また会えるのだから。
今、思い出しても胸がじんわりと温かくなる。
初めて私を対等に扱ってくれた人。
私の知らない『本当の』感情をくれた人。
嬉しい・楽しい・面白い
そして、安らぎと『–––––––』。
私に自分の知らなかった『心』をくれた人。
創造神に私をくれた人。
私はその大切な思い出を胸に
目を閉じて静かに想いを馳せていた。
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もう数える事さえ億劫になる程の昔の事。
神はこの白い空間で生まれた。
この場所には何も無く
この神以外には誰も居なかった。
ただ、その神は漠然と自分に力が備わっている事はわかった。
独りで長い時間を過ごした神はある感情に囚われる。
その神はただ、『寂しかった』。
それを紛らわそうと別の誰かを創る事にした。
確かに他の神達は出来た。
だが、それらは跪き頭を垂れ
畏り指示を仰いだ。
話をしようとしても、畏れ多いと辞退され
お茶会を開こうとも側にただ立っているのみだった。
そこで、その神は部下達と世界を創る事にした。
果てし無く続く宇宙
そこに、どんなモノをつくろうか?
考えるだけで少しワクワクしていた。
だが、その神に満足に値するものなど1つも出来無かった。
果てしない時の中で過ごした神は
『自分を滅ぼせる様な存在ならば。』と悪魔を創った。
しかし、その悪魔達でさえ自分に刃向かう事はついぞなかった。
そしてある時、自分が心から望むものに現実に突き付けられる事となる。
神は部下達に友人の様に接した。
しかし、部下達はそれに規律然とした受け答えしか出来なかった。
余りにも格の差があり過ぎたのと時間が経ち過ぎたのだ。
そこで、神は問うた。
『何故、私に応えないのか。』と。
しかしその問いに部下達は
『畏れ多くも我等が主よ。どうか、御理解下さいます様お願い致します。我等と主では余りにも、差が歴然としておりまする故、幾ら貴女様が願いましょうとも我等にはどうする事も出来ないので御座います。』
神は絶望した。
自分の創った者達に否定され、その者達でさえ匙を投げたのだ。
これから、悠久の時をたった独り孤独に晒されていくと言うのだろうか。
神はただ、哀しかった
悲しくて
哀しくて哀しくて
悲しくて悲しくて悲しくて
哀しくて哀しくて哀しくて哀しくて
悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悔しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悔しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて悔しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悔しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悔しくて哀しくて悲しくて哀しくて悲しくて哀しくて悔しくて哀しくて悲しくて悔しくて悲しくて哀しくて
遂に神は悲しみと悔しさの余りに怒りに任せ力を振るい始めた。
部下達はその圧倒的で理不尽な暴力装置と化した主の為に必死で応戦した。
普段折り合いの悪い、悪魔と神が手を組む程に。
その余波で幾つもの宇宙が壊れ
法則が乱れ
神々や悪魔達に大混乱を招いた。
しかし、必死の応戦と説得の甲斐もあり神はその暴走を止めた。
自らの心と共に。
それからは、ひたすらにただ呆然と自らが生まれ出でた空間にてジッと世界を眺めていた。
そして、何千何万何億年という月日が流れた頃
彼女は少し
本当に少しの暇潰しのつもりで人の魂を呼び寄せる事にした。
魂に力の配分を間違えて弾けさせた時は余りの美しさに言葉を失った。
それでも何とか人を呼び寄せる事に成功し
幾度となく行った。
神は『これならば。』と希望を抱いた。
否、抱いてしまった。
その行動に、神々や悪魔達は戦慄した。
あの時の大戦の二の舞になってしまうのではないか、と。
しかし、それは大きく予想を裏切る事になる。
たった一人。
たった一人だけ。
神の感情を表に出させる事に成功したのだ。
それは神々達でさえ初めて見る
神の心からの笑顔。
神々達でさえ思った『この者ならば・・・』と。
そして、神が、その人間に自分の正体を明かした時
彼は激怒した。
『当然だ!!今更、何を言いやがる!!
お前が何者だろうと関係あるか!!
お前はもう既に俺の中では【友達】なんだよ!
俺は、友達少なかったから新しく可愛い友達が出来たのはすげぇ嬉しかったんだよ!!
恥ずかしい事言わせんな!!ボケ!!』
見ていた神々達でさえ驚きを隠せない。
あの圧倒的な存在を前にしてそこまで言えるのか。
あの圧倒的な存在を知ってなお、それでも対等に扱えるのか。
神々は彼に魅入られた。
そして、彼は神々の期待に応えるかの様にそれだけでは止まらなかった。
『それになぁ!名前が無いなら無いってサッサと言えよ!
俺が今!!ここで付けてやる!!
いいか!お前は今日から【ローナ】だ!!
覚えとけ!!』
これには、神々も絶句する。
固唾を飲んで神々がそれを見ているとも知らずに彼は叫ぶ。
『それでも、まだ寂しいなら俺を転生させろ!!
どっかの世界の山なり森なりにでも連れて行け!!
お前ならそれ位は出来るだろ!!
そして、一緒に来い!!
誰かと一緒に居られる喜びを!!楽しさを!!
お前に教えてやる!!!』
神々は歓喜し涙した。
今まで自分達が出来なかった事をこの人間は余りにもあっさりと成し遂げてしまったのだ。
口々に彼を賞賛する神々。
そして、その対象となった彼はこう呼ばれる事となった。
【救世主】と。
神は待ちに待った存在を前にして泣き始めてしまった。
情けなくも彼に抱き着きすすり泣く。
しかし、彼は拒絶する事なく神を撫で始めた。
この瞬間、神は創造神【ローナ】となった。
だが、これが仮初めの喜びである事は誰一人として知るよしもなかった。
そして、これが新たな惨劇の引き金となる事になど誰一人として予想することなど出来なかった、そう誰一人として・・・
続く
コメントにて御指摘頂きました読点に関する修正を行いました。(2017/12/8 8:36)
一部加筆と修正を行いました。
(2017/12/28 10:52)