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遭遇

ただでさえ短いのに、今日はもっと短いです

許して<(_ _)>





 現実から目を逸らし、ぼんやりと湖畔を眺めていた俺だったのだが。いつまでもそうしているわけにもいかず、権能を試して見る事にした。


「とりあえずは、《眼》を使ってみるか・・・・・・・・1番安全そうだし。


 《万物を見通す神の眼よ 今此処に顕現せよ》」



 そして、俺は権能を発動させた。


 特に詠唱は必要ないみたいだが、それっぽく詠唱する。

 まぁ、そこは気分である。だって男の子だもん。

 そういうのに憧れてもいいじゃん?


 すると、一気に情報が頭に流れ込んでくる。


「うおっ!?な、何だこれ・・・・」


 本来の人の脳では、処理しきれずに死んでしまうのでは無いかという程の情報の嵐。はっきりいって少し気持ち悪い。

 そして、少しすると落ち着き始めマップが頭の中に展開された。ちょっと酔いそうだがそのうち慣れてくるだろう。


 そしたら常に発動してても大丈夫そうだ。消費魔力も微々たるものの様で、全く気にする必要がない程だ。


「へぇー こんな感じになるんだな。」


 自分の頭の中には、自分を中心として半径2km程の円状のマップが出ている。


「これって、もっと広げたり縮めたり出来ないのか?・・・・・あ、出来た。」


 脳内で自分からどこまで離れるか、あるいは近づくかを思い浮かべる事で範囲の設定が出来るようだ。


「んー?でも、何か頭の中にあるって気持ち悪いな。それに、考え事してる時みたいにちょっと集中しなきゃだし・・・・視界の中に展開できないか?」


 イメージとしてはFPS視点のゲーム画面だ。

 それならマップを見ながら行動できるし、何か異変が遠くで起きてもすぐに気付くことが出来て、逃げられる。


 そんな俺の要望に応えるかのようにマップが、視界の中に移った。


「おお、これだ、これ。すげぇな権能って、こんな自由に出来るなら。色々といじれそうだな。」


 割と自由度が高そうで安心である。


 ただ、あくまで平面的なマップなのでどこに『何かが居る』という事くらいしかわからないようだ。他に何か機能があるかどうかは、使いながら確認していくとしよう。


「とりあえずは、この森がどれくらい広いのか見てみるか。」


 この森に住むことは決定事項なので何処か良い場所がないか調べる為に、マップの範囲をこの森に設定する。すると、マップは今よりもかなり大きくなりこの森全体を表示してくれる。


「わぁーお。この森かなり広いな。」


 今、俺がいる湖の北西に10km程の所にある木を中心として半径200kmの円状の森になっていた。

 正直、ここまで広いとは思ってなかった。


「ん?中心の木の周りは草原になってるのか?」


 そう、マップの表示ではその木を中心として半径1km程特に木が生えている表示が無かった。

 それに、木らしき表示も何かデカイ幹の太さが100mあるのでは、という程だった。


 疑問に、思ったのでふとその方角を見ると・・・


「は?え・・デカっ!?あれか!?あの木か!?」


 それを見た俺は思わず声をあげてしまった。

 そりゃそうだろう、何せとにかくデカイ木がそびえ立っているのだ。



 蒼穹を貫く大木


 それの幹は真っ直ぐに天に向かって伸びており、途中からは雲に遮られ見ることは出来ない。


 そして、枝葉はその幹に比例し大きく広がっている。


 ただ立っているだけなのに、その木は圧倒的な存在感を示している。



「すげぇ・・・・・・・・・」


 遠目に見ただけでも、わかる圧倒的な質量に俺は


「行ってみよう。」


 元々、中心に開ているであろう場所が確認出来ていた為に行く予定ではあったが、その木を見た瞬間に『今すぐ行こう』と決意した。



 その時だった。



 ソイツは背後から現れた。


 ガサガサと草を揺らす音

 明らかに何かがいる音

 そして、こちらに近づいてくる。


 あの木に気を取られていた俺はマップの確認を怠っていた。『しまった!』そう思い振り返った時には遅かった。



 ソレは、まるで、鮮血の様な紅の体毛に包まれた5mを越えるであろう『虎』だった。


 その虎の前脚には、ブレードの様なものが脚の下部から上部に向かって脚に沿う様に生えている。


 鋭い眼光で辺りを見渡し、威風堂々と歩くその虎は明らかに余裕を持った強者(つわもの)風格(それ)だった。



 まずい!どうしようか・・・ていうか、マップを視界に移した意味ねぇ!!



 そう思っている内に、虎と目が合ってしまった。


「あ、どうも。本日はお日柄も良く、良きお散歩日和ですね?」


 テンパった俺は、虎に向かって何故か挨拶してしまった。


 なに、やってんだよ!俺は!馬鹿か!


 しかし、そんな俺とは正反対に虎はゆっくりとこちらに近づいてくる。その鋭い眼光でこちらを見ている。



 ああ!怒ってらっしゃる!怒ってらっしゃるよ!無言だよ!一番怖い怒り方する虎だ!!


 そんな感じで俺は動けずにいたのだが、その紅の虎は



「クゥ・・・・」



 (こうべ)を垂れ、地面に伏せた。


 まるで、降伏するかの様に。



「え・・・・・・?」



 予想を裏切る展開に俺は戸惑いを隠せなかった。





隊長「だが、断る!」


作者「テメェは、お呼びでねぇんだよ!!」

(っ・д・)≡⊃)3゜)∵



コメントにて御指摘頂きました読点に関する修正を行いました。(2017/12/9 8:00)


一部修正を行いました。

(2017/12/28 10:20)

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― 新着の感想 ―
[一言] 武器も魔法も無しに戦おうとするって馬鹿(笑)
2019/11/27 17:10 退会済み
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