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悪い予感
校長室でのお説教が終わり、母親からのお小言を一通り聞き終えた翔太は教室へ戻る。
するとそこに待っているはずの詩織の姿はなく、彼女の荷物が床に散乱していた。
「何が起きたんだ?」
翔太は状況判断を試みたが、悪い予感しかしなかった。
なぜなら――
僅かに悪霊の気配がしたから……
「詩織は何か事件に巻き込まれたのではないか?」
すぐさま彼は階段を駆け下り、昇降口の下駄箱を確認する。
(靴が残っている。詩織はまた校内のどこかにいる!)
彼は目を閉じ、詩織の気配を感じ取ろうとする……
無駄な努力だった。
そもそも悪霊の姿を見る力と人の気配を探る能力は別物なのだ。
今の彼にはそんな能力はない。
「くそっ! 俺の力は肝心なときに使えない!」
トイレにでも隠れているのかもしれない。そう考えて校舎内を探そうと走り出したその時、
――外だ!――
そんな声が聞こえたような気がした。
辺りを見回すが、誰の気配も感じられなかった。
迷っている時間はない!
彼は校庭に向かって走り出した。