生徒会室の包囲網
翌日の放課後、園芸部3人と翔太、そして大橋先生が生徒会室に集まっていた。
大橋先生に騒動の経緯を鈴子部長が代表して説明した。
「それでは2年生のサキさんが花壇を荒らしていた犯人だったのね!」
大橋先生が驚いたように言った。
「はい。でもサキさん本人はとても反省して、今朝の花壇の復旧作業も手伝ってくれました。だから私たち園芸部としてはこれ以上彼女を責めるつもりはありません。それで良いよね?」
詩織と三咲は頷く。
「それはよかったわ。これですべて解決ね!」
大橋先生はニコリとした。表情は相変わらず暗いのだが。
「でも気になる点があるんですよ……」と、翔太が言った。
「気になることって、なに?」
「サキ先輩は何者かに操られていたのです。正確には、悪霊にとりつかれるように誘導している人物がいるということです」
「そんな怖い人がこの学校の中にいるというの?」
「はい……」と、翔太は先生を真っ直ぐに見つめながら答えた。
「なぜそんなことが分かるの? そもそもそんなことができる人って存在するの?」
大橋先生はそわそわし始めた。
「ウチも、まさかとは思いましたが……」
サキがそう言いながら、生徒会室に入ってきた。
そしてドアにもたれかかり、腕を組む。
大橋先生に対する包囲網ができあがった。