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風の唄  作者: けんじ
14/28

彼女達の覚悟

メルクが倒れ、ソフィアが火の国へと連れ去られてから早くも三日の時が経とうとしていた。メルクは未だに目を覚ます気配すら見せない。エリーは悔しさに唇を噛み締める。思えば自分達はずっとメルクに頼りきりだった。フライハイトの時も、アクランタの時も、そして今も。メルクだけが傷つき、ボロボロになりながらも戦い続けていた。いや自分が戦わせてしまっていた。メルクの強さに依存してしまっていたのだ。『メルクならば何とかしてくれる』常にそんな思いが頭の片隅にあったのかもしれない。ならば、

「私は侍女失格だな」

そうため息と共に気持ちが声に表れてしまった。メルクが倒れた時も自分に何ができただろうか。

「そんなことないです」

メルクの替えの包帯を抱えてククが顔を出した。

「エリーさんは頑張ってます。アクランタでもメルクさんに特訓をお願いしたりしてたじゃないですか」

確かにそれはそうだ。だが結果がこれでは意味がない。いくら訓練を重ねても、努力してもいざという時に役に立たないのであれば自分は何のために侍女としてソフィアに仕えたのだ……ククの優しさは痛いほどありがたい。しかしそれは同時にエリーを痛いほど苦しめた。

「でも……私は勝てなかった。ククが一緒にいなければきっと一瞬で殺されていただろう」

エリーの脳裏にユイの冷たい瞳が浮んだ。一体どのくらいの人を殺せばあのような光のない瞳になるのだろうか、エリーは恐怖を隠しえなかった。

「あの人は……あの人は異常です」

そんなエリーの気持ちを察したのかククは近くの椅子に腰掛けて空を見上げた。

「あの人は心を堅い扉の奥にしまいこんでしまっているんです。でも……冷たい扉の奥で心は泣いている……ような気がします」

ククは最後の一言は笑って誤魔化した。しかしエリーにはそれが全くの想像であるとは考えられなかった。ククは時々鋭いことを言う時がある。それがククだからなのか、獣人族だからなのかはわからなかったが。

「でも私達には今できることを精一杯するしかありません」

そう言ってメルクの血の滲んだ包帯を取り替え始めた。あれほど深かった傷もシルのお陰かもう塞がりかけている。エリーはシルのその言葉で決心することができた。



真夜中、エリーはククがベッドに入ったのを確認すると部屋の扉を開けた。真っ暗な階段を音を立てないようにして降り、宿から出ようとしたその時、

「もうお散歩には遅いですよ」

後ろからククの声が聞こえた。

「そうだな、でも私は夜空を見上げるのが好きなんだ」

エリーは笑いながらそう答えた。ククには、いやククでなくともエリーが何をしようとしているのか、容易に想像することができただろう。

「死ぬ気ですか?」

エリーは何も答えない。しかしその瞳が僅かに左下へ動いたのをククは捉えた。

「エリーさんはバカです」

「そうかもしれないな」

エリーにも勝算などあるわけではない。ただ何もしていない、何もできない現状に納得がいかなくて足掻いているだけだ。

「じゃあ、私もバカです。だめだなんて言わせませんよ?悔しいのは私だって同じです」

最初エリーは来るな、そう言うつもりだった。ククはソフィアの侍女でも兵士でもなく、メルクとエリーに比べればソフィアと一緒にいる時間も一番短い。にもかかわらず自分の無謀な作戦に乗せるわけにはいかない、そう思っていた。しかし今のククの眼差しはどこまでも真剣で真っ直ぐで、エリーにだめだとは言わせない力を秘めていた。



火の国はリムルから歩いて半日程、子供の足でも一日で着くほど近い距離にある。しかしそこは活気に満ち溢れていたリムルとはかけ離れた印象を受けた。国の周囲は高い壁に囲まれており内と外の出入りを厳しく妨げている。昼間であるにもかかわらずそらはどんよりと暗く何処となく暗い、荒んだ雰囲気を感じた。

「これが火の国……ですか」

ククはもちろんエリーも火の国に訪れるのは初めてだ。もちろん正面口から入れてもらえるわけもないので壁をよじ登る他ない。しかし獣人であるククも三十メートルの壁はいささか高すぎだった。

「ここをどう登ろうか……」

と、早くも計画は頓挫しつつあった。



日が沈み、辺りが一気に闇に包まれる。そのタイミングを見計らってククは思い切り跳び、できるだけ壁の高い位置にエリーの短剣を突き刺す。そして今度はロープを担いでエリーを踏み台にしてさらに高く跳び、先程突き刺した短剣を足場にしてもう一段跳ぶ。するとククの手がギリギリ壁の縁にかかった。ククは辺りを見回し、見張りの兵士がいないのを確認すると持ってきたロープを下に垂らした。

「やったな」

壁の上でエリーとククは小さくハイタッチした。ここまでだけでもエリーだけでは到底辿り着けなかっただろう。エリーは心からククに感謝した。

夜の町は死んだように暗い。しかしその一番奥で巨大な王城だけが煌々と灯りが灯っていた。

「ソフィアさんは何処にいるんでしょうか」

「多分王城の地下牢だろう。急ごう」

二人は町の真ん中を突っ切って王城へ急いだ。こんなことができるほど火の国は静まり返っていたのだ。


「エリーさん、止まってください」

不意にククが足を止めた。もう王城は目の前だ。エリーが目で疑問を投げかけるとククは無言である一点を指した。その先には恐らくかなり高い身分であろう男が一人、門の前に立っていた。腰に武器を下げているところから軍部の者だろう。何をするわけでもなくぼんやりと空を眺めているところから門番というわけでもなさそうだ。

「クク、ここで待っていてくれ」

「何をする気ですか?」

ククは不安げな面持ちで問いかけた。

「あいつならソフィアの居場所を知っているかもしれない」

そう言うとエリーは店の影から飛び出し、音もなく男に近づくと後ろから組み伏せ、首筋に短剣を突き立てた。

「ソフィア ルナ レ テンペスタの居場所を言え」

エリーにできる限り低い、ドスの効いた声で脅す。

「そ、そ、それは……」

男は見るからに怯えていた。腰に下げている武器に触ろうともしない。

「早く言え」

エリーは短剣を少し強く首筋に押し付けた。男の首筋に赤い線ができる。

「はいっ、言います。言いますから命だけは……」

「ソフィアは何処にいる?」

「そ、その、ち、地下牢です。一番奥の牢に入れてあります……地下牢は入って左奥の鉄製の扉の先に……」

歯の根をガチガチ震わせながら男は答えた。エリーは目でククに合図すると男の心臓に短剣を突き立て、死体を脇に隠すと城の中へ忍び込んだ。



地下牢は入り口が開けっ放しだった。その上他の囚人が一人もいない。ククは何処か出来すぎていると感じながらも早足で歩くエリーに付いて行った。エリーはランタンを掲げ、地下牢を進んでいく。そしてついに一番奥の牢にたどり着いた。

「ソフィア!今助け……」

しかし牢は空。ソフィアどころかネズミ一匹いない。

「やあご苦労。お目当の人はいたかな?」

二人はが、振り返るとそこにはつい先程エリーが殺した筈の男が立っていた。

「貴様……なぜ生きて……」

「ハッ!あの程度で俺が死ぬとでも?俺を舐めてもらっては困るなぁ」

ハメられた、そこでやっとエリーは気づいた。地下牢は一本道。奥側にいるエリー達に逃げ場はない。ということはこの男を倒すしか道はない、ということだ。

「クク、あの男の背後に回れるか?」

ククは首を縦に振った。それを確認するとエリーは短剣を抜き、持っていたランタンを男に投げつけた。

「おぅっ?」

それと同時に姿勢を低くして男に突進する。男が武器を抜く前に決着をつけなければならない。エリーは男の足を狙って短剣を振る。しかし手応えがない。その間にククはエリーの背中を踏み台にしてジャンプ、男の背後に回りこむ。

「ほう?なかなかいい連携だな」

背後からククの全体重を乗せた拳が男を狙う。ところが男はそれも躱して見せた。

「ほらほら前も気を抜かない!」

ククの腕を脇で挟み、その状態でエリーの手首を膝打ちした。エリーの手が痺れ、短剣を取り落とす。そしてククの体をエリーと同じ方向へ蹴り飛ばした。ドミノ倒しのように二人は折り重なって倒れる。

「ほい、振り出しに戻る、だ」

エリーは気づいた。武器を抜く前に決着をつけなければならないのではない。この男は最初から武器を使う気などないのだ。完全に自分たちは舐められている。しかしそれでも勝てないのはもう火を見るよりも明らかだ。その上もう武器も無い。

「ほれほれどうする?それでもう終わりか?」

「くっ……」

エリーはククの手を取って起き上がる。

「クク……もう一度だ」

「……はい」

エリーは素手で構え、もう一度腰を低くして男に突進し、その背中をククが踏み台にする。しかし

「同じ手が……そう何度も通用するか!」

エリーは膝打ちを胸に食らい、ククは男に足を掴まれ床に叩きつけられる。

「あぐっ……がは……」

あまりの痛みに胸を押さえてうずくまる。と、その時手に硬いものが当たった。

「クク、一秒だけあいつの動きを止められないか?」

「え……?」

ククは一瞬の逡巡の後、

「わかりました。やってみます」

ククの動体視力でも男の動きを捉えるのは難しい。だが攻撃を受けるのを覚悟で突っ込めば一秒間動きを止めることは可能だった。

ふっと息を吐き、男に向かってダッシュ。中段蹴りをまともに受けるがそれでも足を止めず、逆に足を掴んで思い切り引いた。すると男のガラ空きの背中がエリーに剥き出しになる。

「そこだっ!」

エリーはその後頭部目掛けて最後の短剣、風の国から逃げるあの日、メルクに一本だけ許してもらった王宮侍女の短剣を振り下ろした。

「なるほどな、まだ一本残ってたのか」

鋭い金属音が狭い地下牢に響き、ククとエリーは跳ね飛ばされる。

「こりゃ俺の油断だった。よし、俺に刀を抜かせたご褒美に自己紹介をしてやろう。俺はミカド タケル。火の国の第一大隊長だ。……あれ?もう寝ちゃった?」

エリーが瞼の重みに耐えられたのはそこまでだった。



ソフィアはせめてもの恩返しをと思い、チサトが仕事から帰ってくるまでの間に夕食……いや時間としては夜食を準備していた。レンとリクは既に寝かしつけてある。二人の寝顔はとでも幸せそうであったが痩せた顔がそれに影を落としていた。しかしソフィアにはこの二人に、チサトに何をしてやることもできない。

「ちょっと薄いですかね……」

ソフィアが塩を足そうと瓶に手を伸ばした時、あの激しい頭痛が襲いかかった。

「……っつ!誰……ですか、私の中から……出て行ってください!」

今度は不思議な声は聞こえず、ソフィアが叫ぶと一層頭痛は酷くなった。

「ただいま……どうしたんだい?」

「い、いえ……何でも」

頭痛はチサトが帰ってきた途端今までの痛みが嘘だったかのようにぱたりと止んだ。

「それよりこれ、どうぞ」

ソフィアは作っておいたスープをチサトに渡した。

「あら、作ってくれたのかい?ありがとね」

そう言いながらチサトは何か紙のようなものを背中に隠した。それが何か気になったがわざわざ隠すということは何かソフィアには見せにくい物なのだろうし、居候をさせてもらっている身でおこがましいと思い、敢えて聞かないことにした。

「どうだい?レンとリクはいい子にしてたかい?」

「はい。とてもいい子達でしたよ」

するとチサトはスープを掬う手を止め、鍋の蓋を閉めた。ソフィアが疑問を込めた目を向けるとチサトは、

「二人もきっとあんたの料理、食べたいだろうから」

しかしチサトは大丈夫なのか、今朝はソフィアが起きるより早く仕事に出た。そして帰ってきたのは夜遅くだ。きっとかなり空腹だろう。少しでも口に入れたら、そうソフィアが投げかける前にチサトは横になり、次の瞬間には静かな寝息を立て始めた。結局何も聞けないままソフィアもつられるように瞼を閉じた。しかしソフィアに眠ることは許されなかった。

「ーーーっ!」

こめかみの辺りに激痛が走った。今度も何かを語りかけようとしているようにも感じられるが、例えるなら百人が一斉に頭の中に大音量で喚き散らしているような、つまり雑音が多いのだ。そんな中で一つ一つ情報を選り分けることなど到底できるはずもなく、ソフィアは激痛に耐えながら薄い毛布に包まった。


「ーーぇ」

「ーねえちゃん」

「ソフィアねえちゃん!もうおひるだよ?」

結局頭痛が治まったのは明け方になってから、それまでは一睡もすることができなかったソフィアは昼過ぎ、レンとリクに揺り起こされた。

「ごめんなさい二人とも!今すぐご飯の用意を……」

チサトは朝早く仕事に出る。だから昼食の準備はソフィアが買って出たのだ。しかしそんな矢先寝坊をしてしまった。きっと二人ともお腹を空かせているだろう、と思って暖炉を見やるとそこには既に中身の入った鍋が煮えていた。

「ごはんならおかあさんがつくってくれたよ、ソフィアねえちゃんはつかれてるからやすませてあげなって」

「そんな……」

ソフィアは自分の情けなさを心の中で嘆いた。自分などよりチサトの方がよっぽど疲労もたまっているはずだ。そんなチサトが少しでも楽になればいいと思って自分が食事作りを名乗り出たのにもかかわらずこの様だ。余計に気遣われてどうするんだ、そんな思いがソフィアの頭の中を埋め尽くした。その時目の端に暖炉の隅に燃え残った紙切れを捉えた。それをつまみ上げてみるとどうやら文字が書かれていたようなのだが大部分が燃えてしまっていて内容を読むことができない。 ソフィアが諦めて暖炉に紙切れを放り込もうとした瞬間、

「あ、それあさにおかあさんがいれてたやつだ」

リクが横から紙切れを覗き込んで言った。

「ほんとだ、だれかとだれかをころすってかいてあったかな?」

それを聞いたレンも続けた。

殺す、その単語に無意識にソフィアは反応してしまっていた。

「殺す?誰をですか?どこで?」

気づけばレンの肩を揺さぶって問い詰めていた。

「ち、ちょっとまってよソフィアおねえちゃん……」

「ご、ごめんなさい……」

慌ててレンから手を離す。レンもリクも頭を抱えて必死に思い出そうとしていた。

「うーんと、どうだったかな……じゅうじんとめいどを、だったかな……」

「そうだよそれ!あとはソフィア……なんとかがともかいてあったかな」

「ソフィアなんとか、ですか……」

何となくリクの言葉を反芻してみる。

「そういえばソフィアっておねえちゃんと同じだね!」

そのレンの言葉でソフィアの想像は一気に悪い方向に傾いた。ソフィアソフィア何とか、それはソフィア ルナ テンペスタ、つまり自分のことでは無いのか、じゅうじんとめいど……それが獣人と侍女のことであれば……全て自分の想像でしかない。しかし昨日の頭痛と言い偶然では済まされない要素が揃っているのだ。そして自分が出て行けば二人の命は助かるかもしれない。そうも思った。だがここでも自分が出て行けばどうなるか、敵の王女を匿ったのは賎民区の、チサトやリク、レンだと知られれば賎民、もっと言えばチサト達が更なる迫害の対象になってしまうのではないか、そんな恐れもソフィアの心の片隅にあった。何年も侍女として仕えてくれたエリー、共に旅をしてきたククとたかがに、二、三日一緒に暮らしただけのチサトやレン、リクや会ったこともない賎民区の人々。比べるべくもないのかもしれない。それでもソフィアにどちらかを切り捨てるという選択をすることはできない、いや、したくはなかった。こんな時メルク……ハーメルンならばどうするか、そうソフィアは考えた。どちらも救おうとするだろうか、それともどちらかを選ぶだろうか……それもソフィアにはわからない。ソフィアはメルクでも、ハーメルンでもないのだ。わかるはずがない。最後に選ぶのは自分。それを今までの旅で学んできたのではなかったか。

「……わかりました」




エリーとククが処刑台に上げられる。その横には兵士が四人、特にククの両手には頑丈な手錠がつけられている。この二人はミカドが捕らえたという。シュウは処刑台の横でため息を吐いてさくじつ町中、それこそ賎民に至るまでばらまいたチラシに目をやった。仲間を餌にソフィアをおびき出そうというのだ。来るはずがない、そうシュウは思っていた。ソフィアだってバカじゃない。もし来たとすれば自分がどんな目に遭うかなんてわかりきっているだろう。

『来るな』

ヘリオスが槍から現れた。いつものように空中で腕と脚を組んでいる。

「なぜそう言い切れる」

『精霊が騒がしい。こんな日は何か起こる。久々に面白いものが見れるかもしれないな』

そう言って口元を少し釣り上げた。ユイはシュウの斜め後ろにぴったりついて油断なく周囲を見回している。と、その視線がある一点で止まった。

「どうし……っ!」

その視線を辿るとその先に居たのはソフィア。堂々と大通りを直進して来る。

「まさか本当に来るとはな……」

ソフィアが処刑台の前で足を止めた。

「ソフィア!何故来たのですか!」

「ソフィアさん!今すぐ逃げてください!」

「ソフィア ルナ レ テンペスタはここです!そのふたりを離しなさい!」

周囲の兵士がソフィアを取り押さえようとするのを制してシュウは目の前まで歩いて行った。

「今までどこに隠れていた」

そう何日も兵士の目を避けて過ごせるとは思えない。と、なればどこかにソフィアを匿った人物がいるはずだ、そうシュウは考えた。

「脅しました。この国には魔法が使えない賎民どこかに呼ばれる人達がいますよね?」

ふん、とシュウは鼻で笑った。いくら賎民だろうとたかが小娘一人の脅迫に屈するとは思えない。それにここは火の国だ。風精霊は無いに等しい。そんな状況で魔法を使うことも不可能だ。

「精霊の概念を持たない彼らにはごく単純な魔法でも十分な恐怖になります」

シュウにはその部分をソフィアがわざと大きな声で言ったように感じた。そこでシュウはソフィアの意図に気づいた。

「……まさか賎民を庇うとはな」

しかしそれこそシュウには理解不能な行動だ。魔法も使えず、兵士としての価値も薄い賎民をわざわざ庇う理由がわからなかった。しかし今はそれを長々と考えている場合ではない。

「覚悟はできているのだろうな」

ソフィアは無言でシュウの瞳を見た。睨むでもなく、すがるでもなく、ただ純粋に、見た。

「殺せ」

シュウは処刑台にいる兵士に命じ、自分はソフィアの首筋に槍を構えた。シュウを見つめるソフィアの瞳に絶望が広がるのを感じた。

「言い残すことは?」

「二人は助けてくれるのではないのですか?」

シュウは何も答えず、刃を振り下ろした。

どうも!突然ですが最近『黒い砂漠』というゲームにはまっています。いやこれがまた面白い。新しいオンラインゲームなんですが戦闘はもちろん栽培や料理、錬金なんかの要素も豊富でなかなかやり込み要素も多いです。ただせっかくのオンラインなんで誰かと一緒にやりたいところですがまあそれはお察しってことで。


大分ゆっくりなペースで更新してきましたがそろそろ物語も終盤です。気長に付き合ってやってください!


そういえばミカド タケルの表記が『ミカド』になったり『タケル』になったりしていますが今後は『ミカド』に統一するつもりです。読みづらい点があったことをお詫びします。

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