表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/629

【007 様々な噂】


【007 様々な噂】



〔本編〕

 さて、龍王暦一〇五〇年三月下旬頃からコムクリ村にも聖王国惨敗の報が届く。

 まとまった情報ではなく、戦場から逃げてきた聖王国の兵士によってもたらされたものである。

 曰く「ソルトルムンク聖王国側は三十万の兵が死に、ジュルリフォン聖王子及び最高幹部の三将軍も全て戦死した」とか、

 「バルナート帝國は、勝利の勢いに乗じて、我が聖王国の民を皆殺しにし、その上我が領土を焦土と化そうとしている」とか、

 「バルナート帝國は、白色、黒色、くれない色の三色に兵士が分かれており、皆鬼神のような強さである」とか、

 「我がソルトルムンク聖王国の王子はまだ生きており、密かにどこかで反撃の時をまっている」、

 或いは「バルナート帝國の二本角の兜をかぶり全身を真紅の鎧をまとった騎兵は、一人で千人近くの我が聖王国の兵士をほふった」など……。

 いずれも噂なので、信憑しんぴょう性の程は分からないが、ソルトルムンク聖王国の敗戦だけは事実であるようだった。

 コムクリ村の村長も村民を束ね、情報収集に努めたが、聖王国内全土が混迷の極みにあり、なかなか真実は見えてこなかった。

 村のはずれでは夜盗、山賊のたぐいも横行し、村は村長の指導で、村民が交代で夜の警備にあたる始末であった。

 マーク、レナの兄妹も両親の安否の報を待ちつつ、いざという時のために武器の鍛錬に勤しんだ。

 マークはボウポーン(第一段階の弓兵)なので弓が得物であるが、もともと昔から剣兵にあこがれていた。

 そして、前々から父親に隠れて木刀などを振って練習していた。そのためこれを期に弓だけでなく同時に剣の鍛錬も本格的にはじめだした。

 そして同歴五月。ハクビ、マーク、レナの三人の運命を大きく変える出来事が起こった。




〔参考一 用語集〕

(神名・人名等)

 ジュルリフォン聖王子(ソルトルムンク聖王国の王子)

 ハクビ(眉と髪が真っ白な記憶喪失の青年)

 マーク、レナ(コムクリ村の住人。マークが兄、レナが妹)


(国名)

 ソルトルムンク聖王国(大陸中央部から南西に広がる超大国。第八龍王優鉢羅ウバツラの建国した國)

 バルナート帝國(北の強国 第七龍王摩那斯マナシの建国した國。金の産地)


(地名)

 コムクリ村(ソルトルムンク聖王国の南西部にある小さな村)


(兵種名)

 ボウポーン(第一段階の弓兵)


(その他)

 三将軍(ソルトルムンク聖王国の軍事部門の最高幹部。天時将軍、地利将軍、人和将軍の三人)



〔参考二 大陸全図〕

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ