目覚めた力と気づかぬ心
やよいは敵の攻撃をかわさなかった。
「はははははは!!馬鹿だねぇ!!化け鳩と一緒に死ぬってかい。あははははは!!」
しかし、煙がはれたそこにはやよいが光を纏って立っていた。
「な‥‥なんだと!?」
「えええ!?!?な‥‥なにこれ!?どうなってんの!?」
やよいも自分がどうなっているかわからなかった。
「くそ!!今度こそ‥‥‥死ねぇ!!」
「う‥‥うわぁぁ!!」
またやよいに向かって攻撃が飛んできた。今度は5,6発ぐらい。
やよいはとっさに手を前に出した。
すると‥‥‥
「ど‥‥どうなってるんだ!?」
今度はやよいの前に光の壁ができていた。
「これ‥‥どういう事‥‥‥!?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥お前‥‥‥‥」
「雉!!大丈夫!?」
雉の声を聞いて慌てて雉に駆け寄ろうとした。そのとき、
「貴様ぁぁぁぁ!!」
そう言って満里奈に取り憑いた悪霊はやよいに向かって殴りかかろうとした。
だが
「しつこいわよ!」
と言い、やよいは満里奈の体に触れた。
とたんに満里奈の体から黒い煙が上がり始めた。
「ぐ‥‥‥ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
そして苦しむ満里奈の顔が見えたと思うと、悪霊はすぐに満里奈の体の外へと飛び出した。
すると、満里奈からでていたオーラはすっと消えていった。
「うわ!!満里奈!!しっかり!!」
満里奈はぐったりとはしているがちゃんと息はあった。
「お‥‥のれ‥‥こうなったら‥‥あの女に‥‥‥」
「そうはいかせへんで‥‥‥。」
雉はそういって、悪霊に向かって振り上げた腕を思いっきり振り下ろした。
「ぎゃああああぁぁぁぁぁぁああぁぁ!!!」
そんな叫び声を残して、悪霊は消えていった‥‥‥。
それと同時に雉はその場に倒れた。
「雉!!」
満里奈を机に寝かし、やよいは急いで雉に駆け寄った。
雉の出血はひどく、人間ならまず間違いなく死んでいる。
「しっかりして!!雉!!」
そう言って雉の体を揺さぶった。
「‥‥‥い‥‥痛いねん‥‥けど‥‥‥」
雉からそんな弱々しい声が返ってきた。
「雉!!!ちょっと待って!!救急箱そこにあるから取って‥‥‥」
「もぉええ。」
そう言うと雉はすっと立ち上がった。
「だ‥‥大丈夫なの!?ひどい出血なのに!!」
「お前が俺に触れたとき、痛みが急に和らいでな‥‥‥。後は残っとる自分の力で回復したんや‥‥。」
「え‥‥‥!?わたしが‥‥‥!?って、わたしどうしちゃったの!?」
やよいは訳がわからずにそう雉に聞いた。だが、いきなり雉に引っぱられ、気がついたらやよいは雉の腕の中にすっぽりと収まっていた。
「ち‥‥ちょっと雉!!///何して‥‥‥」
「やっぱり‥‥翡翠を持っとったか‥‥‥。」
「‥‥‥!?ひすい!?」
雉はやよいを解放して、こう言った。
「宝玉や言うてな、ごっつい力を持った玉があるんや。そのうちの一つがお前の体内にあるっちゅうわけや。」
「えええええええええ!?!?な‥‥なんで!?」
「それはわからんが‥‥‥ごっついレアやからお前これからねらわれるで。」
「ちょっと待ってよ!!!!そんなこと言われたってわたし戦えないよ!!」
慌てるやよいを見て、雉は笑って
「ちゃんと守ったるから。」
そう言った。
(///////!!??今雉何て‥‥‥!?)
やよいはめっちゃ赤面して、慌てて雉から目をそらした。
(もう!!何で雉なんかに!!!///)
目覚めた力と気づかぬ心