覚醒
少しグロい表現がでていますので苦手な方は気をつけて。
「ふははは。さあ、どう料理してやろうかぃ?」
「‥‥ちょっと!!満里奈!!」
やよいは満里奈に向かって怒鳴りつけた。だが‥‥‥
「無駄無駄。今はもうわたしが乗っ取ったからねぇ。」
「‥‥‥そいつの言うとおりや‥‥。」
「雉‥‥?」
なんだか雉の様子が変だ。
さっきからしゃきっとしていない。
「そんなことより、はよせな‥‥。」
「ど‥‥どうすればいいの!?」
「んなこと俺がわかるわけないやん!!」
「な‥‥!!なによそれ!!じゃあどうしたらいいかわかんないじゃん!!」
思い違いだったのだろうか‥‥‥?
やよいがそう思ったとき、黒くてまがまがしいオーラを纏ったものがこちらに飛んできた。
「ははははは。死ねぇ!!」
「うわああ!!」
「くそっ‥‥!!」
雉はやよいをかばって、なんとか紙一重で相手の攻撃をよけた。
「‥‥‥っ‥‥‥」
「雉!!」
雉はすでに息が切れていた。やはり何かおかしいとやよいは思った。
「は。どうやらそこの化け鳩は本調子じゃないみたいねぇ。そんなもんかい。」
「そうなの!?」
やよいは慌てて雉の方を見た。だが雉は
「‥‥‥妖魔なめんなや‥‥‥。」
そう言って口元に少しだけ笑みを浮かべた。
しかし、雉の顔はかなり青ざめている。
そうしているうちに、どんどん攻撃が飛んできた。
「ほらほら。もっといくよ!!」
無差別に攻撃が飛んでくる。
雉はやよいを抱えながらなんとかかわしていた。
「っち。ちょこまかちょこまか‥‥‥」
そう満里奈に取り憑いた悪霊が言った瞬間、
「おい!何があったんだ!!」
という声とともに、生徒会の担当の先生が入ろうとした。
「‥‥せ‥‥先生!?」
「前原!!それに林も!!お前らいったいここで何しているんだ!!‥‥‥!!は!!そこの男!!何者だ!!さてはお前が‥‥」
「ち‥‥違うんです!!雉は‥‥‥‥」
「ふん。ゴミどもが‥‥。」
やよいが言おうとした瞬間、悪霊はその先生に向かって攻撃を放った。
「う‥‥うわあああああああ!!」
「だめ〜!!」
やよいがそう言った瞬間、大きな爆発が起こった。
だが、煙がはれたとき、先生はほとんど無傷だった。
だが‥‥‥‥‥‥その代わりに‥‥‥‥‥
「‥‥‥‥く‥‥‥そ‥‥‥‥‥」
血まみれの雉の姿があった。
「うそ!!雉!!!!」
やよいは目に涙をためて雉の元へ走った。
「馬鹿!!人助けて自分がこんな事になるなんて!!」
倒れた雉をやよいは慌てて体を起こそうとした。
「‥‥‥‥‥う‥‥るさい‥‥わ‥‥‥‥‥平気や‥‥‥この‥‥‥ぐら‥‥い‥‥‥‥」
やよいの手には雉の血がべったりとついた。
「あっはっはっはっはっはっはっはっは!!!ほんとに馬鹿だねぇ!!そんな奴ほっといたら、もう少し長生きできたのにねぇ!!」
そう大声で笑い、もう一度攻撃しようとした。
「楽にしてあげるよぉ!!」
「‥‥‥許さない‥‥‥。」
「‥‥や‥‥よい‥‥‥?」
雉は細々とそう言った。だが、やよいには聞こえてなかったらしい。
「わたしは‥‥お前を絶対に許さない!!!」
「へぇ〜そうかい。じゃあ死になよ。」
悪霊はやよいに向かって大きな砲撃を撃った。
「やよい!!‥‥逃げ‥‥‥」
「雉を‥‥こんな目に遭わせて‥‥許さないんだからぁぁぁぁぁ!!!」
そのとき、やよいの中で何かがはじけた。