第1話
俺には毎日の楽しみがある。
神坂 俺は鬼だ。
鬼として生まれて、山小屋で1人で過ごして来た。本来なら人間と関わるなんて絶対にない鬼族、里の鬼とも関わらなかった俺だ。
なのに、なぜ、滝修行している最中を登山者に見られているんだ。
俺は毎朝5時に起きる。
家の近くに川も湖もないから1日の水をこの滝から調達する。過ごして来た時間はほぼ、鬼たちとも過ごしたことがなかった。まして、人間と言う生き物を人生の中で知ることも調べることもなかった。
俺が暮らしているのはバカ高い山、野生動物も多くいる。
そんな過酷な山を登っている人間の登山者がいるなんて誰も予想できない。
朝、起きて、桶と大きな壺を背中に背負って家を出る。長い時間をかけて滝へ向かう。滝に着くと壺を水の中に入れて、重くなった壺を引き上げ、蓋をした。
そして、滝修行。
水が体に強く当たり集中力を鍛える。
「なんだ?人か」
森の中から大きなリュックと厚着な格好をした男が出て来た。俺は生きていて、初めて人間と会った。
「お兄ちゃん、そっちに何かあるの?」
小鳥のような声が人間の後ろから聞こえた。そして、目が合った人間が足を滑らせて崖から落ちた。
「危ない!」
俺は大きな波を立てながら走り、人間を受け止めようとしたがその時俺は思った。
「これ、どうやって受け止めればいいんだ?昔、猫にあった時猫は高いところから落ちても無事だった。
人間は猫と同じなのか?」
崖の方から声が聞こえた。
??「そこの人、お兄ちゃんを助けて」
「やっぱり、猫じゃない」
俺は人間を助けた。




