開戦の合図
(なずな視点)
街のみんなが静かになった夜。
私たちはライたちの帰りを心配していた。
「遅いわね……大丈夫かしら?」
「さすがにこんな遅くまでは心配になるよね……」
「せやな………誰か見に行こって言っても、居場所が分からんからどうすればええかも分からんしなぁ」
「さすがにそろそろ戻ってくるとは思うがな……ん?」
みつるは窓越しに外を見て、不審そうな声を出した。
「どうしたの、みつる」
「やべぇ……おいお前ら、戦闘準備だ!」
「!?」
みつるの一声で、みんなが弾かれたように動く。
窓の外から聞こえてくるのは人々の悲鳴。
「何が起きてるの!?」
「魔物の群衆…!?
きっと、クシムたちはあたしたちがここにいるのを知ってるんだわ!」
それにしても数が多すぎる…!
「姉様!
ボクたちがあいつらを止めてる間に、姉様たちは避難誘導して!」
シュージュがそう言った瞬間、アモンたちも飛び出して行った。
「……一旦、僕らは誘導だけに集中しよう。
シュージュたちがおってくれるんや、こんなに心強いことはないで!」
「うん!」
(ペティー視点)
数分前……
ペティーたちはアズライト近くの、例の巣窟にいた。
「ねぇ、帆影。
よくよく考えたらこの時間、眠ってる魔物と起きてる魔物、ふたつのパターンがあるよね?
どうするの?」
「しまった…」
………おバカ。
「無理やりにでも起こす」
「かわいそ〜」
なんて言ってるけど、ペティーは最初っからその予定。
片っ端から魔物を叩き起こしていった。
「……数多すぎない?
回復優先で動いても、魔力と体力切れ待ったなしなんですけど〜っ!!
…待ったなしって、合ってる?」
「わかんねぇなら使うなよ」
「うぐ…
だ、だって、そういう言葉使うのってかっこいいじゃん!」
「知らね」
…ペティーが魔物起こすのどれだけ手伝ったと思ってるの!
「怒ってる場合じゃない。
さっさとするぞ」
「はーい!」
いつまでもうじうじしてらんないもんね!
一つ息を吐いた。
「"希望の悪魔!"」
「"絶望の天使"」
ペティーたちの声を聞いて、魔物たちは一気に洞窟を出ていった。
これはクシム様から教えてもらった、魔物たちを無理やり動かす魔法の言葉。
大昔に存在してたらしい悪魔と天使の二つ名なんだって。
今生きてるのか転生とかしてるのかは知らないけど、こんな言葉で動くなんて、案外ちょろいもんだね〜!
ペティーたちも洞窟から外に出て、アズライト近くの上空まで飛んだ。
「んじゃ、ちょっとここで様子見るか」
帆影はそう言って座った。空中で。
「落ちたらいいのに」
「なんか言ったか?」
「ごめんなさい」
(なずな視点)
「落ち着いて、こっちへ!」
「外に出て!
魔物たちはあたしたちがなんとかするから!」
私たちが誘導をしている間にも、瓦礫やら炎やら色々飛んでくる。
…炎は琳火なんだけど。
そこで、あるものが目に入る。
「っ、おばさん!
何してるんですか、早く逃げて!」
おばさんが地面を漁っている。
飛んでくるものを避けながらおばさんに近づくと、何かを握りしめていた。
「おばさん…?」
「お花様から預かった大切な物なのさ、これは」
そう言って、風璃たちの誘導で外に出ていった。
「………………い、おい、なずな!」
「わっ!?」
「何ぼけっとしてやがる!
誘導は終わった、風璃と涼空が残ってる人間がいないか探しにいった!
シュージュたちの加勢するぞ!」
みつるはそう言って走り出す。
慌ててその跡を追いかけた。
(ペティー視点)
「見てよ、帆影。
あいつら、すっごい上手に連携取ってるよ。
ペティーたちも負けてられないんじゃない?」
少しわくわくしながら帆影に問いかけてみると。
「……」
…………瞑想という名の睡眠を取っていた。
「こんのバカ帆影!!
起きろバカ!!」
「…バカバカ言うなよ……」
「うっさい!」
頭を掻きながらふあぁ、とあくび。
「…結構派手にやられてるのな」
「そろそろペティーたちの出番なんじゃないっ!?」
「………しゃーねぇ、行くか」
「やったあぁ!!」
近くの木の枝に立って、アズライトをなんとなぁく見回す。
「…あの契約魔者たち、邪魔だね」
「んじゃ、そいつらは自分が行く。
ペティーは…」
「カルテットナイトを止める」
「……分かってんなら話は早いな」
そう言って、帆影は姿を消した。
…いっつも行動が早いんだから。
「なずな、アンタの息の根は、ペティーが止めてあげる。
せいぜい感謝しなよっ?」
ペティーもアズライトに向けて走り出した。
お久しぶりです!
色々話考えてたらこんなに更新が遅くなりました…
これからもちょっとずつにはなりますが、読んでいただけると嬉しいです…!!




