魔の手
(なずな視点)
「なんだか、それぞれのカルテットナイトを信仰している国があるらしいわよ?
カラーナイトはアズライト。チルテには劣るけど、芸術に優れている国だそうよ。
サウンドナイトはルベライト。
音楽にまつわるものがたくさんあるみたい。それと、慈善活動をしている道場があるらしいわ。
ウインドナイトはオーピメント。この世界で一番大きい王宮があるらしいわ。次期皇女がいるらしいのだけれど、現在行方不明………
早く見つかるといいわね。
最後、ラックナイトはマラカイト。
不思議と、あまり情報がないのよね…
ここは実際に行ってみて確かめるしかないわね!
どの国も、中央広場には真っ白なカルテットナイトと従者の像が建っているって!」
風璃は、歩きながらつらつらと国の情報を言い始めた。
ちなみにこの世界では、国といってもすごい面積があるわけじゃなくて、大きい街のような感じ。
ていうか意気揚々と国の情報教えてくれたけど、まさかそのすべての国に行くとでも!?
「最初はどこから行きましょうか!」
この人普通に行くつもりだ!!
でも制覇したがってたし…
「マジかよ」
「さすがに一気には難しいんちゃうか?
それに、僕たちを信仰してくれてる国に行ったとしても、まず信じてくれるかの話やし。
最初はカルテットナイトと関係ない国に行こうや。
そっからその国に行こう。
それでええか?」
涼空ナイス!
ありがとう助かった…!
「そうね、確かにお楽しみはあとに取っといた方が……」
早くも旅の目的が脱線しそう!
「てことで、レッツ…」
パヒュン!
風璃の声に被さるように、何かが飛んできた。
「………あっぶなぁ……姉様、みんな、大丈夫!?」
「シュージュ!?なんで…」
「説明は後!……さっさとでてきなよ!」
何!?気配は全く感じない。
でも、シュージュは魔力を感知する能力が高いから、何かいるのは間違いない!
各々戦闘体制を取る。
「ちょ、ちょっと、普通にバレちゃったよ!
変な方向から投げちゃったから腕痛むし……なんでライに投げさせたの!」
「いやいや、お前が投げたいって言ったんだろ。
しれっとなすりつけんな」
そんな話し声が聞こえた。
「立ち話はやめて、でてきなよ。
こっちに最強の悪魔がいるかぎり、あんた達に勝ち目はないよ」
私はそう呼びかける。
「仕方ない、でるかぁ」
トトッ。
「はじめまして、ライはライアン!
ライって呼んでね〜!」
元気で明るそうな女の子がそう言った。
「俺はラガイ。
適当に名前作っても、これで呼んでもどちらでも構わない」
低いトーンで話す男の子。
「……私はなずな。自由に呼んで」
「みつるだ。同じくご自由に」
「風璃よ」
「涼空」
一瞬でも気が抜けない。絶対、強い…!
「も〜、ピリピリしてるなぁ、なずな!
リラァックス、リラァックス!」
「アホか」
ライが私を宥めるように言ってから、ラガイからのツッコミが飛ぶ。
「言っとくけど、私たちこれから旅に出るから、あなたたちに付き合ってる暇はないよ。
知り合ったばっかだけど……」
そう言って私は後ろを振り向くとみんながうんうんと頷いていた。
「ライたちもついて行っちゃ、ダメかな?
ライ、色んなところ見たい!」
何言ってるのこの子!?
「ライの言い分も分かるしそっちの都合も分かるが、わがまま聞いてやってくれないか?」
ラガイまで………
「そうね……まぁいいでしょう。
でも、何か変なことしたらただじゃ済まない。
肝に命じておくことね」
風璃が鋭い眼差しで2人を見た。
「りょーかいっ!」
「あぁ」
風璃…
「最初はどこ行くのー?」
「最初は鏡の国、スペオに行くつもり」
「あそこかぁ!おっけー、ライに任せて!」
そう言ってライとラガイは歩き出した。
「追いかけなきゃな。あいつらはまだ信用できねーけど、スペオへの方向は間違っていない。
多分だが利用することもできるぞ」
「そうだね……とにかく、今はクシムたち倒さないとだし、使えるものは使って行こう」
今の言葉でライとラガイが少し立ち止まったことには全く気づかなかった。
「俺らが絶対使っちゃダメな言葉、あっさり使いやがったなお前…」
「え、そうなの?」
みつるに思いっきり呆れられる。
えぇ…
ふと後ろを振り向くと、風璃と涼空がついてきていないことに気づいた。
「風璃、涼空、置いてくよ〜?
どうしたの?大丈夫、2人とも?」
「………あ、ええ。大丈夫よ、なずな。
ごめんなさい、少し考え事してて」
「風璃、ホンマに大丈夫なんか?困った事あったらいつでも頼ってな!」
「ええ…ありがとう、涼空」
「ちょっとちょっと〜、遅いよ、みんな!
早く行かないと置いてくぞ〜?」
「ごめん!今行く〜!」
そうしてカルテットナイトは怪しい仲間を2人も増やし、改めて出発することとなりました。
「………順調、だな。ペティー、帆影、絶対に、確実に仕留めろ。
キミ達は飢えた虎なのだから」
クシムは解析に力をかけながらそう言った。




