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【鑑定】スキルが開花

またこの悪趣味な応接に通されるとは思わなかった。

クラウンの帰りが遅れているのでモーガンだけでも先に報酬を受け取らせてあげようと一緒にギルド一階の受付に顔を出したのだが、モーガンのランクを上げる手続きが終わるとすぐさま三階の応接室へと連れて行かれたのだ。途中で上役らしき男性に呼び止められたが、案内している職員が対応してくれた。副ギルドマスターと呼ばれた男性は訝しげに私たちを見ていたがそれ以上は何も言わずにその場を立ち去った。報酬を受け取るのにいちいち別室に連れて行かれる?小説などでは受付でちゃちゃっと済ませているのでは?本当に面倒臭い。モーガンにも聞いたのだが、普通は窓口で完結するはずだと言っていた。


かれこれ三十分は待たされている。

あの失礼極まりないエロオヤジはまだ来ない。そもそもギルドマスターなんてそんなに忙しいものなのだろうか?もしや書類全てに目を通さないと気が済まない性質たちだとか、あるいはああ見えて細かい所までチェックするタイプだとか。いずれにせよ、自分が指定したのならちゃんと予定を開けておくべきだ。それかきちんとした時間を伝えろ。なかなかに来なさそうなので目を瞑り、採取依頼の事を思い返して時間を潰すことにした。


初日はモーガンにサスカックという葉っぱの選び方を教わった。

その時になんと【鑑定】スキルが開花したのだ。モーガンの説明は“こうこうで、こういう感じ“とざっくりだったので、実際に良い物と悪い物を摘んでもらうことにした。見たところどちらも同じで全く違いが分からない。葉の幅だとか色味だとか色々と説明されたのだが、モーガンとは熟練度が違うのか私にはどちらも同じに見えた。モーガンが摘んでいる間、葉っぱを両手に持って間違い探しのように見比べること数分。なんとミミズの這ったような文字と数字が浮かび上がってきたのだ。もしやこれは【鑑定】スキルなのではと思い、周りのサスカックを片っ端からガン見した。

どれを見ても同じ文字、そして数字だけが違う。その中から数値の高い物を抜き取りモーガンに見せた。これにはさすがのモーガンも驚いていた。どれも極上っぽいという。でも確かに黒モフの言う通り、字が読めなければ無用の長物だ。実物と見比べながらでないと同じ葉っぱかどうかわからない。微妙に名前らしき文字が違う、似たような葉っぱも混在して生えていたからだ。


昨日はグーミという木の実を探しに行った。

初日と同じ門から出た、クラン地区との境の低木や茂みの多い地帯に生えているという。茂みと聞いて汚物は無いのかとモーガンに聞いたところ街道沿いでない限り滅多にないという。滅多にないという事はあることもあるという事だ。微妙は顔をしていたらモーガンに思い切り笑われ、そんな事よりも魔物に気を付けた方がいいと忠告を受けた。ローブッシュに近いとまた冒険者たちによる争奪戦になるというので、私たちはなるべくクラン地区側にある低木地帯を目的地にした。

途中で子熊のような魔物と人間と同じくらいの大きさのダンゴムシのような魔物に出くわしたが見た目ほど強い魔物ではないようで私を庇うようにモーガンが一人で片づけてくれた。さすがBランク予定の冒険者なだけあって動きに無駄が無く洗練された感じを受けた。

しばらくして目的地周辺に着いたのだが、かなりローブッシュから離れているにもかかわらず、グーミの木がある辺りには数人の冒険者たちが採取を始めていた。クラン地区にある街で依頼を受けた冒険者も混じっているのかもしれない。

このグーミもモーガンにお手本になる実を取ってもらい、にらめっこしながら革袋に詰めた。私のウエストポーチの幅に合わせた革袋にしたので何袋でも収納できる。

サスカックは口にしようとは思わなかったが、グーミの実はブルーベリーのようでとても美味しそうに見えたのでそのまま食べてもいいか確認したところ酸っぱすぎてとてもじゃないけど無理だぞと言われた。どうせ私は味覚が鈍っているので口に放り込んだのだが、歯に着色しないか気になっただけで意外といけたのだ。結構むしゃむしゃ食べていたのでモーガンの顔まで酸っぱくさせてしまったのだが。


とにかく【鑑定】スキルを獲得したのもだから、ちょっと意識するだけでこの悪趣味な部屋に置かれている物の値段がわかる。

レジスターでチンと鳴るかの如く、ポップアップした文字と数字が浮かび上がってくる。数字の桁が半端ない。きっとこの値段したのだろうなとは思うが、この値段で売ったり買ったりは出来ないだろう。誰が好んで買うものか。二束三文で叩かれるに違いない。



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