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神族えげつない

見事なまでの破壊っぷりだ。

巨大怪獣が口から光線を吐き出したんじゃないかと思うくらい。よく特撮であるでしょ?

そう表現してもいいくらいに、あるところはクレーター、あるところは壁が崩れ瓦礫の山になっている。


私たちは御者の近衛を安全な通路に残して、昨日の戦いの場に来ていた。

これはもうサリアの遺体は絶望的じゃない?アビトってやつがミンチって言ってたじゃん?なんかその魔物も半分黒焦げになってるし。生の部分がないから腐ってる臭いもしないし。そう言えば、黒マントの遺体ももうないわよね。冒険者のタグはアードルフさんに渡したけど、元から半分以上は原型留めてなかったしね。


アードルフさんとゼノさんと別れて私たちも探索に協力している。

それにしてもこの現場に来てからセレマがあからさまに落ち込んでいた。そりゃそうよね、セレマがこんな状態にしたんだもの。でも一緒に来るって言ったのはセレマだし、どうしようもなくない?

このしんみり感が何となく嫌なのよね。何か世間話でもしますか。


「ねぇ、セレマって神族なんでしょ?神族ってなんか種類あるの?ほら、リザードマンとか吸血鬼とかあるじゃん?」


俯いて歩いているセレマの前に立ち、顔を覗き込んだ。


「え?あ、ああ、神族は別にそんなのないよ。大神官になれるやつらは有翼種に進化するかな。」


ハッとした感じで顔を上げ、作り笑いで答えている。

やっぱり上の空だったんだ、このこと気にしてるんだな。って言うか、神族って進化するの?ボールで捕まえるモンスターか!


「ゆうよくしゅ?何それ。」

「羽がある種族。大神官になれたら肩甲骨が分離して羽が生えて飛べるようになるんだ。それに寿命の概念も変わってくる。」

「は?進化が肩甲骨の分離って怖いわ。そんなの服も着れないし、第一邪魔よね?バッサバッサ鬱陶しくないの?自分の身体の幅がわかんなくてつっかえたりぶつかったりしない?」

「仕舞えるみたいだな。だから見た目は普通なんだ。大神官に知り合いなんていないし、よくわかんねぇけど。」


仕舞えるってナニ?

肉体の中に仕舞うってこと?リアルに考えたら怖くない?そんなの出し入れする度に血まみれじゃない!想像しただけで自分の背中が痛くなっちゃう。もしかしてそこはファンタジー要素を入れてきてるのかしら。


「怖いとか鬱陶しいとか、初めての感想だな。みんな憧れてるってのに、あははっ。」


私があまりにもドン引きしたせいか、セレマはお腹を抱えて笑っている。

なんで笑うのよ!普通の感想ですけど。最初からグロさ全開で進んでいるゲームだからあり得るでしょ、背中パッカーンみたいな。


「セレマは大神官になれないの?」

「俺は無理かな、そういうの向いてないと思う。」

「え?向き不向きで決まるものなの?こう実力とか血筋とか、なんかあるでしょ?」


せっかく笑っていたセレマの顔に影が落ちた。

聞いちゃいけなかったことだったの?何が地雷かわかんないわよ。


「大神官は強くなきゃダメなんだ。俺は剣なんて振るったことないし、魔法もてんでダメだからな。」


なに、その抽象的な定義。

でも、ま、そっか、セレマは自分に自信がないんだ。何をもって強いというのかはわからないけど、心の強さとかもあるんじゃないの?それに剣の腕前は知らないけど、魔法はすごいじゃん。これだけの破壊力だったら相当な魔力が必要だろうし、それを有してるのなら最終的には精度の問題だと思うけどな。


「セレマってさ、ノーコンなの?それともあがり症なの?」

「な、何だよ、急に!」

「だってさ、すごい威力の魔法放てるんでしょ?なんでこんなに色んなところに飛び散ってるのかなって思ってさ。」

「それは、、、戦闘になると思うように身体が動かないんだよ。だから防御に徹してる。攻撃したって当たらないからな。」


セレマは人差し指同士をつんつんしながら気まずそうに視線を泳がせている。

話からすると緊張のせいかな。でも防御しながらでも攻撃は出来るってことよね。すごくない?魔法無双できるじゃん。それに防御魔法掛けてもらえるんなら超ラッキーじゃない?

私は興奮のあまりセレマに食い気味に尋ねた。


「セレマの魔法って何なの?どうやって使うの?ちょっと詳しく聞かせてよ。めちゃくちゃ興味あるわ。」

「え?一応神族だから光魔法系だけど。」


そう言ってセレマは少し照れたように頭を掻きながら話してくれた。

まず神族は誰でもが全ての属性の魔法をある程度の火力で使えるらしい。だから神族を敵に回したくないって感じなのね。

光魔法の生活魔法は《ライト》と《ケア》。いつでも手元に光源があって、誰でも簡単な怪我が治せるってすごくない?懐中電灯とか救急箱とか必要ないじゃん。

そして光属性固有の攻撃魔法や防御魔法が存在するらしい。セレマは神族では標準的なライト系の攻撃と防御魔法が得意みたいだ。標準的なライト系って何よって思ったけど、聞くと話がややこしくなりそうだったので頷いておいた。

大神官レベルになると浄化効果のあるセイント系が使えるみたい。欠損も治せて光も浄化も使えるなんてチートよね。吊るされたダミー人形にも神族っぽいのはなかったから、神族は完全にNPCの領域なのかな。


「それでセレマはここで何の魔法を打ったの?」

「ん?えーっと、オリジナル、、、かな。」

「え?なんかライト系とか言ってなかった?何よ、オリジナルって。」

「単体狙いのライトアローなんだけど、、、、必死だったからライトアロー連射みたいになっちゃって、はは。」


セレマは決まり悪そうに頬を掻きながら引き攣った笑いを浮かべた。

だから光の矢が雨あられと降ってきたわけ?単体じゃなくて全体攻撃したってこと?ガトリングか!

ライトアローの他に光槍とかシャインスパークとか閃光なんとかとか、とにかくたくさんの魔法名を言われた。何が一番びっくりしたかって言うと、持ってる魔法のレベルが全部カンストしてることだった。神族ってそんなもんなの?神族えげつないんですけど!



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