〜無頓着な罪〜
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「ごめんなさい。雄斗…あなたはいつか‥いつか…【ナイリア】を‥‥‥」
‥‥
「母さん!!はぁ~はぁ~。………うぅ……ここは…」
目を覚ますと俺はベットの上にいた。重たい体を上げ周りを見回すと、一面白い部屋だった。
右の方に目を向けると、俺と同じくベットに寝込んでいる人が6人いた。部屋には窓がなく、ただ外で吹いている風の音が響くほど静かだった。
「はぁ~、何だここ。ゔぅ、痛てて……。……なんだ?なんでここに‥?何も……思い出せない‥」
なんだか頭が重い。だんだんと闇の中に吸い込まれていく。まるで頭の中でどこか彷徨っているような感じがするんだ。
……
……
何分‥いや何時間経っただろうか。
突然前方のドアがゆっくりと空いたのだ。
「はぁ~、相変わらずハイテンションだな‥。と、お?おー1人目を覚ましたか。んー、大丈夫か?」
それは青髪のイケメン男だった。
「あなた、誰ですか?俺はなぜここにいるんですか?」
そう質問すると青髪の男は困ったような顔をした。
「はぁ~。何も覚えてないんだな?それはそうか。お前達はかれこれ3週間は寝てたからな」
「3週‥間」
俺はそんなに寝ていたのか。
その時俺は気づいた。頭、いや身体の殆んどに包帯が巻いてあること。
青髪の男が続ける。
「大丈夫だ。俺はお前達に敵意はねーから。逆に拾って保護してやってるんだから感謝しろ。まぁ~いい。教えてやる。なぜお前がここにいるのか」
青髪の男は横にある椅子に背丈を下ろし、話し始めた。
「まずお前、いやお前達は、『カラリア』という小規模の集落で、政府が手配した『ロスト』という奴らと戦っていたんだ」
「からりあ‥?ろすと‥?ですか?」
俺は疑問をぶつけた。
「そうだな~。まぁー簡単に言えば家来。政府の配下についている奴らだな。まぁなぜお前らが戦っていたかは知らんが、見た感じお前の仲間は50くらいか。それに対してロストは100付近」
俺は全く話を呑み込めなかった。
「ちょ、ちょっと待ってください。戦ってたって、どういうことですか?」
「お前らは、集落を守るためだか知らんが、ロストと交えてたんだよ。その横にいる奴らとな」
俺は横に寝そべる人らに視線を向けた。
「だが1つ疑問があるな。お前の仲間達?は皆集落内でやられていた。でもなぜかお前1人だけは少し離れた場所で倒れていた‥」
「ちょ、ちょ待ってください‥イテテ。全然話が入ってこないんですが‥‥」
「だから‥」
と、その時。突然ドアが勢いよく開いた。
「目を覚ました人いるー?いるなら紹介してー!!」
そこに今度は赤髪のハンサムショートの陽気男が勢いよく入ってきた。
「え?今度は誰です‥イデッ」
青髪の男が言葉を返す。
「あ、海星さん。ここには怪我人がいるんです。声は控えめにしてください」
「あー、ごめんめんご」
「はぁ~、ちなみにこいつが目を覚ましました」
「んー」
その海星と言われた男がこちらの顔を覗く。
「ハハハ!目を覚ましたのが君で良かったよ!ラッキーだね」
そう言うと男は高笑いを上げる。
「ところで君、早速だけどここまでの記憶はあるかい?」
「海星さん。こいつは記憶がありません。しかもこいつ‥」
「待て伊月。それはまだ言わなくていい」
「なぜですか?」
「まず記憶を戻してもらわないと。それからでも遅くないだろ?」
俺は二人の会話が理解できなかった。
「君ー名前は?」
「俺は……雄斗!神宮寺雄斗だ!」
「なるほど。名前は覚えている。だがカラリアにいた時のことは覚えていないか…。まいっか。とりあえず歩けるかな?」
寝起きよりは良くなってきたけどまだ俺の体は万全とは言えなかった。
「まぁ歩く程度ならなんとか‥」
そう言うと二人は立ち上がり俺に言った。
「もう少し休憩したら外出てみようか?」
「外‥ですか‥。分かりました。今体がだるくて、俺も外の空気少し吸いたいので」
‥‥
2時間ほど休憩したのち、俺達三人は動き出した。
「じゃ、行こうか」