災難!?!
「着いたぞ。」
移動時の定位置から解放され、自分の足で地面に立つ。目の前にあるのは木も何もない土と岩しかない、山。
頂上を見ることもできない大きな山だ。
「ほぇ〜。」
ぽかんと口を開け、高く聳え立つ山を見上げる。
おっきいな〜、頂上が見えないよ。
[この大陸で1番高い山デス。名はありマセン。]
なんで?
[インゲルス大森林最深部に位置するこの山の存在は、知られていマセン。]
こんなに大きな山でも森が大きすぎて外からは見えないのか。
[ハイ。]
「ここに、知り合いが住んでいてな。話があったから寄らせてもらったのだ。」
「知り合い?」
「ああ。古くからの付き合いでな。」
へ〜。お友達かな??
「おちょもだち?」
「‥‥‥‥‥‥。」
聞いてみると、フェンリルさんの鼻に頭にシワがよった。ものすごく嫌そうだ。何でそんな顔するのさ??
「?????」
「違うにょ?」
「‥‥‥。 友ではない‥‥‥。」
「?????」
「とりあえず、行くぞ。ここは少し面倒でな、一気に行くためスピードを上げるぞ。」
フェンリルさんにとってどんな存在か分からぬまま、問答無用でまた咥えられ移動時の定位置へ。
「??? あい。」
私の返事を聞き走り出す。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
「ふぎゃやああああああああああああああ〜」
「すまん。少し我慢してくれ!!!」
いつもよりスピードがあるのは、問題はなかった。三半規管は日本にいる頃から強かったので乗り物用の辛さを知らない。それをこの世界でも引き継いだのか、元からこの体が強いのかわからないが、フェンリルさんに咥えられて走られても心以外にダメージはなかった。
でも、これは、いかん!!
三半規管が強いとか弱いとか関係ない!!
これは、誰でも目が回る!!!
現在私たちは攻撃されている。何に??
大量のドラゴンに!!
魔物の基本、弱肉強食どこに行った??と思うくらい攻撃してくる!!その攻撃を避けるためにフェンリルさんがものすごいスピードで走りながら不規則なステップも踏むため、私の頭は揺れる揺れる!!
フェンリルさんの方が強いが、ここはいつもこうだ!!と言われた!!
しかも現在地にある巣に住むドラゴンは翼竜でドラゴン種の中で1番繁殖力が高く50年ぶりに来たためか想定していた以上に繁殖していたらしい。
「GYA GYA!!」
「GRUUUUUU。」
「ちっ!!相変わらず鬱陶しい!!」
「GYAAAAAAAAAAAA!!」
「ぎゃあああああああああああ!!」
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
翼竜総攻撃を抜け、少し休憩になり下ろしてもらえたが、
「おぇっ。‥‥‥‥‥。 うっ!!」
初めて酔うという状態を味わっている。えらい目にあった!!
少し回復をしたので四つ這い状態から立ち上がる。
「あ〜、その、大丈夫か?」
耳と尻尾を下げ聞いてくるフェンリルさん。そんなふうに聞かないでよ!!可愛すぎてゲ○の次は鼻血が出ちゃう!!
[大丈夫のようデスね。]
アイちゃん冷たい、少しは心配して!?
「もー、だいじょーぶ!!」
○ロ吐いたしてスッキリしたし!! 女の子なのにねっ!!
サムズアップしって笑顔で答える!!
「これからは、巣はなかったはずだ。安心しろ。今日はもう少し進もうと思うがいけるか?」
「あい!!!!」
もう巣が無いならいつもと一緒だ!!それなら大丈夫!!
[‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。]
「GYAOOOOOOOOOOOOO!!」
「んぎゃゃやややあああああああああああああ!!」
「ここにも、できてたか!!!」
もう巣はないって言ってたのに!!フェンリルさんの嘘つきっっっっっっ!!




