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拗れ美幼女の異世界冒険譚  作者: にんに伯
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忘れたい人生1

太陽がもうすぐ沈み暗くなる時間、公園のブランコに座り微かに見える星を見る。


「はぁ〜。」


もう2時間ちかくブランコに座り、数え切れないくらいのため息を吐く。

私の名前は、望月潤。徒歩圏内の公立高校に通っている。いつもはバイトに行っている時間だけど今日みたいなバイトが入ってない日は公園のブランコに座り時間を潰して帰る。


「お腹すいたなぁ。‥‥ はぁ〜。」


バイトの日は働いているところが喫茶店ということと、私の家庭環境を知っている店長が気を遣ってくれて賄いが出る。そのおかげで夕飯には確実にありつけることからなるべくバイト先には行きたい。だけどあんまり働いてお金を稼ぎたくはない。

どうせ盗られておしまいだし。。。


「はぁ〜。帰りたくない。」


家に帰っても私の居場所は自室のみ。その部屋も最近は嫌な奴が押し入って来る時があるため息を潜めている。


私の家は母方の実家で祖父母はもういない。母親と私、2人暮らしだ。いや。もう2人ではないか。母親の彼氏も最近居座っている。祖父母が生きていた時は辛くなかった、と言ったら嘘になる。私は望まれて生まれたわけではないから。


私の父親はいない。どこの誰かも知らないし顔ももちろん知らない。子供ができたと知らされた瞬間母親と私から逃げたらしい。母親が貯めていたお金を持って。

ハハッ!!父親 クズだな!! 

お金もない。家出も同然で家を出ていた母親は祖父母に怒られるのが嫌で頼ることができない。中絶を考え胎児に悪いとされる方法に手を出したこともあったらしい。

 母親も クズッ!!

中絶できる期間も過ぎ産むしかなくなったが私のためにお金を使いたくなかったから検診は1度も受けることなく、駆け込みでの出産。

私、よく無事に生まれたな!!!

産んでも1人であの母親が育てられるわけなく、祖父母の家に。もちろん怒られたらしいが家に入れてくれた。

でも私は幸せにはなれなかった。祖父母は母親の汚点である私を可愛がることなんてなく、いらない子だの、ごみなど、有りとあらゆる暴言を吐かれた。

そんな私を母親が助けてくれるわけもなく、無視は当たり前。風邪を引いても看病なんかしてくれるわけもなく、大人用の市販の薬を飲ませられて終わり。

私、よく無事に育ったな!!!


自分の生命力が恨めしい。。。。。。


そんな家庭環境で12歳の時に祖母が他界。後を追うように13歳の時に祖父が。

もう暴言に耐えなくていいんだ!!どうせ母親は私のこと無視するだけだし害はない!!と思っていたのにそんなことは無かった。


アイツがうちに来た。母親の彼氏。

最初はアイツも少し家に寄りご飯を食べ、そして帰って行った。だけど半年もしないうちにうちに居座るようになった。その頃からアイツの暴言と暴力に耐える日が続いた。

もちろん母親が助けてくれるわけもなく、自分の家なのに部屋に引きこもり息を潜め少しでもアイツに会わないように過ごす日々。


祖父母が生きているころは食事もできてはいた。食事中も暴言のオンパレードだったけど。長生きできたのは私に対する暴言を考えて脳がしっかり働いてボケ防止にもなっていたのかもしれない。だから中学生までのある程度の期間、食事という生きるために必要なことはできていたし祖父母が亡くなっても自分で食事を作れる年齢になっていたから困らなかった。

アイツが来るまでは。

アイツが居座ってからは母親とあいつが出かけている時にしか部屋を出ることができずご飯を作ることがたまにしか出来なくなった。お金もお小遣いなんてもらえるわけなく、買うこともできなかった。

中学の時は給食のおかげで最低でも平日1日1食は食べれていたが高校に上がってから給食もなくなり、毎日が空腹との戦いだった。


バイトを始めてから店長が私が生きるための手助けをしてくれているため、空腹で死にそうになることはあまりなくなった。

店長は神だ!! 


私の安らげる場所はバイト先の喫茶店だけで後は地獄でしかない。

特に家は。。。。。。


「はぁ〜。帰りたくない。」

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