異世界に行くための準備5
「ヒック。 ヒッ。」
「ごめんねぇ。いい子だねぇ」
抱っこに背中ぽんぽんという屈辱的な格好だがそもそも泣かせたこいつが悪いと言うことでクレアティオの服に涙と鼻水を容赦なくつけておく。
「ヒッ。 かちゅッ ヒック。 ぜちゅ、 どうにかヒッ。 して!!ヒック。」
しゃくり上げながらも希望は伝える。だが簡単にはいかない。
「うんうん。嫌だねぇ。でも仕方ないんだよぉ。」
「ヒック。 どちてぇ。」
「ぐっ!! かわいっ!! コホン。君の身体は人間の4歳の子供の体つきなんだよ。だから身体に引っ張られてしまって噛むのは仕方がないんだ。」
何ですと〜!!じゃぁもう本当に成長するまで喋らないもん!!
「発声練習しないと滑舌の悪さは成長しても治らないよ!!」
ぐぬぬ。。。。 心の声でも読めるのかこいつ。先手打ちやがって。!!
「顔に出てるよ!!」
「!!」
本当にこの身体スペック高いのかよ!!まんま幼児じゃねーか!!
「まぁ精神年齢はちゃんと大人だから発声練習頑張れば噛むことも少なくなるはずだよ!!‥‥‥ たぶん。」
たぶんかよ!!いや。大丈夫だ!!この身体だって成長するんだ!!てことは滑舌もしっかりしてくるはずなんだ!!
練習あるのみ!!気合いと根性だ!! なせばなる!!ヤケクソだこの野郎!!
「はぁ〜。わかりまちた!! がんばってレンチューちましゅ。」
「うん!!そのいきだよ!!頑張れ!!応援してる!!」
頑張れ私!!負けるな私!!滑舌悪いのなんて幼児だから当たり前だ!!開き直ってやる。
「ところで、いつまで敬語なの? まぁ暴言吐く時はタメ口だったけど!!」
「ほぇ??」
なんでって、あんた神様でしょうが!!ふざけてるけど。残念臭感じるけど。一応、神様には敬意を払いますよ!!
そこまで非常識じゃないよ。あの母親たちと違って常識ぐらいありますよっ!!
「いやぁね〜 君の身体って僕が作ったものでしょ?」
「はい。」
「だから、僕は君の父親ってわけですよ!!」
「うぇ〜」
「そんな毛虫を見るような目やめて!!事実なんだから仕方がないでしょ!!だからパパ♡って呼んで!!」
「!!!?」
確かに父親かもしれない。そうなんだけど日本にいた時は母親ですらママやお母さんと呼ぶことなんてなかったのに、父親なんて、、、ましてやパパなんて!!どんな拷問よ!!恥ずか死ぬ!!
「パパって呼んでぇ!!読んでよぉ〜!! はいっ!!repeat after me!! パパ♡」
無駄に発音のいい英語だな!!
「‥‥ ぱ 。」
「んっ?聞こえないなぁ!! もう1回!! SAY!!!!」
ニヤニヤしながら言わせようとするクレアティオ!!むかつく!!でもいろいろやってくれたのは分かってるから。。。。
女は根性だ!!!
「ぅぅぅうう〜。 !!!!! パパっ !!!!!!」
「ッ!!!! うん!!パパだよっ!!」
抱き上げられてギュゥッとされる。でも嫌じゃない。恥ずかしいけど。でも心がポカポカする。母親にすら抱きしめられたことがないから知らなかった。こんなに抱きしめてもらうって嬉しいことなんだね。
「これからも僕のことはパパ♡って呼んでねぇ!!」
パパか。ふふっ!! こんなに嬉しそうにしてくれるなら、この気持ちを教えてくれたこの人のお願いは聞いてあげよう!!