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アップルパイ

作者: 萩

何処へ向かっていたのかは忘れたが、私は、この森で迷っている。さっきから何度も同じところを歩いている気がする。それにしても今日はとても暑い。空を仰ぐと、じりじりとした暑さを誇るような太陽が眩しい。少し休憩しようと思い、道を外れて、休めそうな場所を探していると、一軒の白い家を見つけた。中には誰かいるようだ。やっと人に会えるという嬉しさで、泣き出しそうになった。

 ノックをすると、中から優しそうな女性が出てきた。その人は、困っている私を快く迎え入れて、焼いたばかりだというアップルパイを勧め、紅茶を出してくれた。部屋は甘い匂いで充満しており、とても癒される。その人がアップルパイをお皿に出すまでの間、私は部屋の中を眺めていた。飴色の床は、窓から差し込む太陽の光を受けて、きらきらと輝いており、壁には、海に沈むクジラの絵が掛かっていた。

 その人との会話はとても弾んだ。アップルパイはゆっくりと冷めていったが、美味しさは全く変わらない。二人でそれを三分の一ほど食べ終わったとき、私は突然帰りたくなり、この家を出ることにした。

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