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第四世代原子炉

 原子力発電所の研究は進んでいる。

 日本ではマイナスイメージしかないが。まるで、永久機関のように。

「もんじゅ」、六ケ所村をはじめとする失敗のイメージがきわめて強く、反原発の人たちが強くその失敗を宣伝し、どんな小さな実験にも絶対反対する。

 しかし、多くの研究があり、成功すれば人類の使えるエネルギーに相当な余裕は出る。


 ウランには同位体がある。原爆や、今の原発で燃料になるのはウラン全体のごくごくわずか。ウランのほとんどは、装甲や戦車砲の弾頭に使われ、それも病気の元だと言われ批判される、それほどたくさんある劣化ウラン。高速増殖炉といわれる炉は、劣化ウランを燃やすことができる。

 また放射性元素はウランだけでない。ほとんどは使えないが、実証炉が動いたのもある。レアアース採掘の時常にトリウムという元素が出て、危険ごみとして蓄積されている……それも原子炉を作れる。


 それらを燃やせるのなら、原子力発電の燃料だけでも今の何千倍にもなる。

 80億人類文明全体が、何百年か息をつけるほどには。


 原発事故のリスクはある。しかし、欠点を潰すことはできるはずだ。

 どんな技術も事故のリスクがあり、人類は取り返しのつかない失敗から学んで事故を減らしてきた。

 原発は人類を滅ぼす、土地を永久に汚染する、遺伝子を壊す、取り返しがつかないの質が違う……とも言われるが。

 だが永久的な汚染で言うなら、水銀とどう違う?遺伝子を壊す、普通の生物が作る化学物質も多くあるが?

 核兵器を、原子力を、ある意味神聖視しているんだ。


 もんじゅの事故を見ろ、フランスもアメリカも高速増殖炉をやめた、高速増殖炉は現実には絶対にできない……という反対論もある。

 だが、それは大きいサイズで、古い設計で作ったからだ。

 ワット式蒸気機関も、ディーゼルエンジンも、何度も研究中に爆発事故を起こし多くの死人を出した。それでも人は手を止めなかった。

 失敗したら、その失敗を研究材料に研究し、新しい設計でやり直す。それだけだろう?

 また、日本でもフランスでも、小さい高速増殖炉は割とうまく動いている。なら小さいのをたくさん作っても必要な出力は得られるだろう?

 原発は巨大でなければならないと法律で決まっているのか?刑法何条で?

 空冷2ストロークエンジンを巨大にして、巨大タンカーを動かそうとするバカはいない。巨大タンカーのサイズに適しているのはディーゼルエンジンだ。空冷2ストロークは小さく作ってオートバイに使えば、ディーゼルエンジンより優れた点は多い。

 同じように、高速増殖炉も小さく作る方が向いているんじゃないか?


 また、進行波炉など新しい原理による、劣化ウランを燃やす炉もいくつも提唱されている。

 高速増殖炉もナトリウム以外の金属を使ったり、ヘリウムなど分解されないガスを超高温にして使ったりする新方式が提唱されている。

 それらは小型であり、密閉され、メンテナンスを必要としない。原理的に爆発をせず、故障してもただ冷えるだけになるように設計されているという。

 埋めて忘れる……比較的小さな大量生産工業製品を、変電所の近くに埋めてスイッチを入れ、電気系統につなぎ、あとは忘れる。何十年か電力を出し続け、終わったらそのまま埋めておけばいい。

 それが宣伝通りか、採算がとれるか、検討し、実験してみることはできないか?

 今は資金がじゃぶじゃぶなんだろう?アベノミクスは膨大な資金を市場にばらまいんたんだろう?投資すればいいじゃないか、当たればデカいんだ。



 また、トリウムという放射性元素もある。レアアースを採掘するとき副産物として得られるので、かなりたっぷり使い道もなくたまっている。

 それも、うまくやれば原子炉になる。溶けた塩を使うのが今知られている方法だ。

 塩、食卓の食塩も、熱に強いるつぼで思い切り加熱すれば溶けて液体になる。そこらの金属より高い温度で。溶けた塩にはいろいろな性質があり、現代の工業でも使われている。熱を大量にため込む手段にもなる。

 食塩以外にもさまざまな「塩」があり、その一つを使うのがトリウム溶融塩炉だ。

 資源量も多く、原理的にチェルノブイリや福島のような事故が起きにくい。

 事故状態になったら、溶けた塩が受け皿に垂れ落ちるようにしておけば、爆発して放射性物質が飛び散る心配はない。

 この炉が封じられた理由は、アメリカの原子力開発を支配した人のわがままだとも言われている。

 また、核兵器に使う材料が採れないからだと。

 好都合ではないか?今も日本の原発は、核兵器を作るのではないかとたくさんの監視が入っている。

 作りたくても作れない炉なら心配はない。遠慮なく輸出もできる。


 日本で手に入る本では、トリウムもだめだという声が大きい。ガンマ線などいくつもの欠点が語られている。

 だがそれは、脱原発の、政治的ですらある運動家が書いたものだ。

 本当にどれだけわかって書いているのか、トリウム炉そのものの専門家だからこそダメだと確信したのか、疑わざるを得ない。



 そしてもちろん、核融合がある。核融合さえ実用化されれば、エネルギーは使い放題。二酸化炭素も力技で固定できるし、砂漠に海水を淡水化した水をまけば食料もいくらでも得られる。



 やってみる。なぜ人類はそれができなくなった?

 すぐ資金が足りないという。だが、今の世界経済はなんだ?資金が過剰で、行き場がないから変なバブルを作って崩壊させるのを繰り返している。

 日本のバブル崩壊がだいたい1990年、それから30年以上、挑戦すべきことは何もなかったのか?

 何十種類も第四世代原子炉の原理が提唱されているというのに?

 どうなっているんだ?この人類というのは。

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