現代を舞台にする内政チートのジレンマ
過去に転生して歴史を書き換える内政チートもの。
それが、現在に引っかかるほど最近になると、事実上不可能な点が出てくる。
「未来の科学技術は予測できない」
昔の人が、何度もやらかした失敗。
馬糞でニューヨークが埋まると予想した人もいた。……自動車を予測できなかった。
1980年代には地球が大人口を支えられず膨大な餓死者が出るという人もいた。……緑の革命、大量の化学肥料で極端な収量がある品種が貧困国でもハイペースで普及することを予測できなかった。
たとえば今から1990年代に活躍できる年齢に転生するとして。
GAFAMの株を買って大儲けすることはできる。
未来のエネルギーで何が勝つかは予測できない。
2023年・現在の時点でも、将来核融合が可能かどうかわからない。
2150年には、「風力・太陽光は全くの愚行だった」と結論が出ているかもしれない。
最善だったのは二酸化炭素回収をつけた石炭火力だ、となるかもしれない。
二酸化炭素による地球温暖化など嘘だった、となっているかもしれない。
人口削減以外にはないと結論されているかもしれない。
波動エンジンを思わせる、現在知られていない物理学からの超エネルギーがあるかもしれない。
軌道エレベーターが将来の人類に可能かどうか、現時点の筆者も知らない。
軌道エレベーターがあれば宇宙太陽発電でエネルギーは潤沢にできると思う……だが、それも実際できるかどうか、現時点の筆者は知っていない。
そうなると、作品の舞台が2000年代であっても、できることの幅が大きく減る。
エネルギーが重要だとわかっているのに、エネルギーに投資できないのだ。
それらの作品で、大きい穴に見えてしまうこと……おそらくその多くは、「未来の技術の予測」にかかわる。百年後見返したら見当違いになるかもしれないのだから。
さらに、「何もできない」と仮定したら、「人類は滅びるのだから何をしても無駄だ」ともなりかねない。
今の日本の知識人の多くは、「未来の科学技術は何も発展しない」を前提として「だから精神的に目覚め、贅沢と資本主義を捨てればいい」と思っているようだが……




