魔法
今回は主人公喋ります
「・・・え?」
気づいたら森にいた。なんで森なんだ?と思ったが、あの神がそんなことを言ってた気がする。
「やっとだ・・・俺の人生はここから始まるんだ・・・!」
俺はただただ嬉しかった。俺の物語がやっと始まるんだと、そう思うと胸がワクワクした。
俺は試しに体を動かしてみることにした。ジャンプしたり、走ってみたりしたが、特にそんな変わりは感じられなかった。
「あ、そういえば・・÷」
そう、あの自称神は俺に無尽蔵の魔力と影魔法?の才能をあげると言っていたはずだ。 俺は試しに頭の中で影魔法?をイメージしてみた。するとダークなんたらやら影なんとかみたいな単語がいっぱい頭の中に溢れてきた。
「うわぁ!な、なんだこれ・・・」
俺はあまりにも情報量が多すぎたのでイメージするのをやめ、大声を出してしまった。
「うーん・・・。でもこれはどうやって使えばいいんだ?」
これは、どうやって使えばいいのだろうか・・・?頭の中に浮かんできたといってもそれをどうすれば使えるのかが分からなかった。
「よし!物は試しだよな・・・」
俺はそう思いひとまずすぐ頭の中に浮かんできた"シャドーハンド"を使ってみることにした。
「影の手よ、我が意に従え!」
・・・・何も起こらなかった。なんかそれっぽく唱えてみたが違ったみたいだった。
「うーん・・・。じゃあ普通に唱えるのか?
・・・よし!"シャドーハンド"!!」
と、俺がそう唱えると、俺の肩の上ら辺から黒いモヤっとした手が出てきて真っ直ぐ飛んで行った。
「うおっ!す、すげぇ・・・」
俺は驚きのあまり声出した。でもやっと実感した。俺は異世界に来たんだと、やっと俺の物語が始まるんだと、思った。
ガサッ!!
「ッ!?」
急に背後から草の音がした。
「グギャ!?グギャギャ!」
そうそれは、ゴブリンだった。全身が汚れた浅緑色の100cmぐらいの醜悪な見た目の誰もが想像するゴブリンそのものだった。
「う、うわぁぁぁ!?え?!え?!な、なんだこいつ!?」
俺は動揺してしまい尻餅をついてしまった。ゴブリンと聞いてそんなに?と思うかもしれない。大きさは幼稚園児の年長ぐらいだが、明らかに人と違う。それだけで怖いのだ。
「グギャ?グギャ!グギャ!」
・・・・そう、それは、俺を明らかに馬鹿にしているような声だった。
・・・俺は、こんな奴に馬鹿にされているのか...?こんな、醜悪で汚い"こんな奴"に...?
「俺を...俺を、馬鹿にするなぁぁぁ!」
そうだ、俺は変わったんだ。変わったはずなんだ。何をやってもダメダメな"吉野 幸太"じゃない。俺は変わったんだ。あの時の"吉野 幸太"じゃないんだ!
「死ねぇぇぇぇ!クソゴブリンが!"シャドーハンド"!!」
俺はすぐさま立ち上がり、そう唱えると闇の手がまるで意思のあるかのようにゴブリンの首に飛んでいき、首をへし折った。
「グギャ!・・・グ・・ギャ・・・・」
ゴブリンは最後にそう呟き動かなくなった。
「ハァ・・ハァ・・・や、やった・・のか・・・?」
俺は殺したという実感があまりなかった。確かに俺が唱えた闇魔法で殺したんだろうが、あまりに非現実的で、脳が対処しきれていなかった。
「ハァ、ハァ、ハァ・・・はは、はははは、あはははははは!やった、やったぞ!俺だってやればできるんだ!ははははははは!」
俺は嬉しかった。俺だってやればできるんだと、証明できたからだ。それが神から与えられた力のおかげだったとしても。
「お、おい・・?アンタ大丈夫か・・・?」
「うぇ?!あ、は、はい大丈夫です・・・」
俺は喜びのあまり近づいてくる人にすら気づかなかった。
「そ、そうか。それはいいんだが、坊主冒険者になりたてか?」
「いや、まあ、えーと、そ、そうです。一応・・」
俺は冒険者なんてものは知らないし、なってもいないけど、流れでそう答えた。
「それならいいんだけどよぉ。いくら初めてゴブリンを倒して嬉しいからってよ、大声で笑ったりなんかするとゴブリンどもが寄ってくるから気をつけろよ、坊主」
「あ、は、はいそうですね...気をつけます..」
そういう彼は、スキンヘッドで顔に大きな傷があり、いかにもベテラン冒険者という感じの人だった。
「というか坊主珍しい装備だな?魔法使いかなんかか?」
この時の俺は上下ジャージで異世界基準で考えたら結構珍しい格好をしていた。
「えぇ、まぁ一応影魔法?が使えます・・・」
「おぉ!坊主影魔法が使えんのか!珍しいなぁ!」
どうやら影魔法を使えるのは珍しいようだ。それだけで特別感があり嬉しかった。
「え、えぇ。それじゃあ俺はこれで帰ります・・」
「おう!そうか!帰りは気をつけろよ坊主!」
そう言って俺は行こうとしたが、重要なことに気づいてしまった。
街ってどこにあるんだ・・・?
正直自己満足でやってるので続かないかもしれません。あと文おかしいかもしれません。