始まり
一人称だけで主人公喋らないです。
俺、吉野 幸太は何をやってもダメダメやつだった。
勉強も、運動も、何もかも。
さらに俺は性格も最悪で、心の中では周りを見下し、自分はやれば出来ると考えていた。
しかしそんな俺でも恋をした。そう幼馴染の"山口 杏奈"に。
きっとそれは恋と呼ぶには醜すぎる感情だった。
俺はただ彼女の体が欲しくて欲しくてたまらなかった...だから取られたんだろう"アイツ"に...。
アイツ...あの"神田 優斗"に。アイツはとにかく完璧だった。
勉強も、運動も、何もかも完璧で、性格でさえも周りに優しく、何事にも挑戦し、完璧にやり遂げた。
俺はそんなアイツが大嫌いだった。
お前にはできないだろ?お前は何をやってもダメダメなんだから!
....そう言われてるようで嫌だった。そんなこと言う筈がないのに。
見返そうと思った、俺だってやれると証明したかった、でも出来なかった。
いや、しなかった。俺はどこまでいってもやろうとしなかった。俺は本当はやれるんだ、でもあえてしないだけなんだと、そう自分に言い聞かせた。
そんなことを思いながらいつも通り学校に行くと、教室が騒がしかった。
聞き耳をたててみるとなんとあの神田 優斗が死んだらしい。山口 杏奈と一緒に。
トラックの居眠り運転で山口 杏奈にトラックが突っ込んできたらしい。それを神田 優斗が庇おうとしたが、遅れてしまい二人とも死ぬという悲惨な事故だったらしい。
.............................................. 。
.....なんでだ?.......なんでなんだ?.......お前は違うんだろ....お前は完璧だったんじゃないのか?.....なんで救えなかったんだよ..... 。
......それ以来俺は家に引きこもった。
案外俺の中での"山口 杏奈"は俺が思っている以上に大切だった。
そう、たとえどんなに醜い感情でもそれは、"初恋"だったのだから。
そして絶望するのも早かった。俺は嫌だった。現実が、山口 杏奈のいないこの世界が嫌だった。
だから自殺した。後悔はなかった。そして、神と出会った。
正確には"自称"神だが。そいつが言うには俺はこれから魔王を倒すための能力....無尽蔵の魔力と影魔法?の才能を貰い異世界で転生するらしい。
チャンスだと思った、俺は変われるんだと、新しい人生を始められるんだと、思った。思ってしまった。
そんな訳ないのに....。
詳しいことも聞かないまま俺は転生をしてしまった。
文がおかしいと感じたらご指摘下さるとありがたいです。