計画書完成
3歳になった、相変わらずあの一年間に考えたアイディアをそのままコピペすることを行っているが、どうやらそれも終わりそうだ。今までは、家族に見つからないように、家族が出払って総出で農作業を行っている間ぶっ続けで人間コピーをしていたわけだが、母がどうやら子供を生むらしく農作業の戦線から離脱するため、常に家にいることとなる。これでは、見つからず紙に書くことはできない。こうして、私のコピー活動も終止符が打たれた。
しかし、問題はない。この二年の間に18世紀から21世紀までの基本技術と開発のための役に立つ方法を大量に書き込んだ紙はすでに用意できた。この紙は、ある程度の知識の水準をもった人間が読まないと内容がわからないように、敢えて専門用語を多めにしておいた。これならばアイディアの盗作は起きるまい。この紙には、これから私が起こす計画、いやこれからこの世界で起きることがすべて書いてあると言ってもいいだろう。
「この紙に書いたことは何が何でも実現させてやるし、そのための技術、知識は持っている。」
そういう自負によって書いたものだからだ。
そもそも、なぜこんな紙を作ったと言えば一人では世界の開発なんて当然できるわけがない。そこで助っ人が必要だが、現時点で父、母は忙しく、ワルガキの二人の兄たちは、こんな文章を読むはずがないし親たちをよんで、親が子供の落書きのように思ってせっかくの計画書を紛失させてしまうかもしれない。
そこで、もう一人の人間がいる。現世の自分より若く従わせやすい、家族だから長い間一緒にいられる人間。そう、新しく生まれる命。この計画書はこの子のために書いたものだ。この子供に、マンツーマンで指導し第二の私を作り上げれば異世界開発はかなり効率がよくなるだろう。当分はこの新しい子供に知識を与えることを最優先に行動しよう。部下の指導はそれなりにしてきた。自分の教師スキルを最大限発揮して、全身全霊をもって対峙するとしよう。
なぜ、2年前から子供が生まれることを予想できたか...それは床の軋む音が聞こえたからだ...