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緊張の最中
四宮さんと共に、和室に向かう。
この屋敷は和洋折衷の造りになっていて、
俺の部屋は洋室であるが、来客用の部屋は和室であるらしいのだ。
そこに、俺の自己紹介をするため八ツ菱の関係者が集まる。
八ツ菱トップと言われる、『岩崎 鉄心』
切れ者で、鉄心の腹心である『山本 忠光』
八ツ菱の技術顧問たち…
そして、
小さな頃からなにかと因縁のある"アイツ" だ。
これからの皇国の行く末を左右すると言っても過言ではない御方々である。そして、無能には厳しいと聞く。
緊張するなと言われても緊張してしまうだろう。
「緒方くん、着きました。準備は宜しいですか?
もしあれなら、私が頭を撫でて上げましょうか?」そう言って四宮さんはニッコリ笑った。
彼女は冗談を言って俺を和ませてくれたのだろう。今はそれがありがたい。
「そんな子どもじゃないんですから…
大丈夫です、お陰様で緊張がほぐれました」
「わかりました、では開けますね。」
「四宮でございます。緒方様をお連れ致しました。」
と、四宮さんは襖の奥に問いかける。
そして、俺はゆっくりと、中へ入っていくのだった。