運命変革ストリーチェンジャー

第２話「新天地へ」

俺はいつもより楽しい日々と期待して家を出た。

だが、この世は無情だった。

なにも変わらず、相変わらずの世の中だった。

いつもの道にあるのはいつもの建物。

いつもの学校にあったのはいつもの教室たち。

たとえ世界が変わったとしても、俺の見てる世界はなにも変わることが無かった。

そして俺は自分の教室に鞄を置き、こう言った。

「なんだ、結局何も変わってない、やっぱりこの世は優しくないね」

そこへ。

「え？なんか言った？」

「あ、なんだ、助か」

「助言うな助」

教室に入ってきたのは、入学してから話すようになった秋津太助だ。

よく、担任の水戸先生と、クラスメイトの角田幸樹で、ご老公一行とかと言われてる。

「そういや太助、この前のレポート終わった？」

「終わるかぁぁぁ！あの量ひどすぎるだろ！地獄だ！」

「お、おう、頑張れ」

そして、時間が経つとともにクラスメイトが続々と教室に入って来る。

最後に水戸先生が来て朝の挨拶をしたところで、校内放送のチャイムが鳴った

「１年３組、竜崎青空、至急校長室に来なさい、繰り返します、１年３組竜崎青空、至急校長室に来なさい」

と言い、放送は止まった。

「おい、青空、なにかしたのか？おまえだからそんな危ないことしないと思ってたけど」

「先生・・・俺は何もしてないですよ・・・」

「そうか・・・まぁとりあえず、逝ってこい」

「な、なんか意味が違うような・・・」

俺は校長室へ向かった。

入学してそんなに経っていないのにもう校長室に来る羽目になるとは、全く運が無いな・・・。

そう思いつつノックをして、戸を開けると。

「おぉ、来たか、こっちに来なさい」

「どうも初めまして、竜崎君」

校長と、知らない黒服の３０代ほどの男性が椅子に座っていた。

「あの・・・俺何かやってしまったのでしょうか…？」

恐る恐る、校長へ聞く、だが返答は。

「いや、とてもすごいチャンスだぞ」

「・・・はい？」

「君は大出世できるチャンスだぞ！」

余りにも唐突で、あり得ない話だった、まるで買ってもよほど当たることが無い宝くじのような話だった。

「・・・とりあえず、話を聞かせてください、あとあなたはいったい誰なんですか？」

「私かい？私は防衛省の、吉川照義二左というんだ」

「ぼ！？防衛省！？な、なんでそんな国の役人さんが・・・」

「君をスカウトしたい、理由は、君に資格があったからだよ、あるロボットに乗るね・・・」

「ろ、ロボットですか・・・？そんなマンガみたいなことほんとにあったなんて・・・でもどこでそんなの分かったんですか？」

「実を言うとね・・・健康診断の時、口の粘膜とったりしたよね？」

「はい、なんか今年になって変な時期に健康診断がありましたし、その時新しくそういう検査ありましたね」

「あれで全国の子供たちの細胞から、機体に適合した子供を探してたんだ」

「子供だけなんですか！？大人にはいないんですか・・・」

「残念ながら、子供しか乗れないね」

「そう・・なんですか・・・」

「君が高校生として生活できる保障はする、だが、機体のある富士市まで暮らしてもらうことになる」

「つまり・・・転校しろと？拒否権は？・・・無いでしょうね、国が動くくらいだし、俺に決定権も無いでしょうし」

「すまないね・・・これも仕事なんだ・・・詳しい話は向こうにつき次第、説明する」

「わかりましたよ・・・」

「君の家族にはすでに話をつけた、なんとか納得してもらったよ」

「手が回りますねぇ・・・」

「荷物は必要な物を箱にいれといてくれ、では、今日はもう帰るんだ」

「なんか勝手だなぁ・・・」

いきなり来いと言われ、どこかわからない場所に行けと言われ、これを聞いてまともにいられる奴なんて

いないよ…。

青空は肩を落としため息をつきながら教室へ戻った。

水戸先生に帰るようにと言われたことを伝え、早々と自転車をこいで帰った。

家に帰ってみると、玄関で吉川のような、黒服の男が二人スマホを触っていた。

だが、しっかり庭を見ているので逃げ場はなさそうだ。

「・・・ちぇっ、逃げ場は無しか、まぁ、そんなもんだろ、国の役人やってんるんだし、そこまで抜けてるわけないか」

彼らの前を通り、家を入ると。

「お、帰ってきたか」

「おかえり」

いつものように母と珍しくこの時間に起きてた父が迎えてくれた。

「ただいま」

そして、自室に荷物を置き、持って行きたい物を箱に詰め込む。

漫画が思ったよりあったから、置いてくのも嫌なので、限界まで詰めたが、なんとか二箱で済んだ。

一通り持って行きたいものを詰めて、母たちがいるリビングへ行った。

「・・・母さん、父さん」

「・・・青空・・・あなたはほんとはどう思ってるの？」

真剣な眼差しで青空を見つめる母。

「・・・俺は、行くよ、代りがいないし、これもなにかの縁さ、行ってみるのもいいかなって思ってるよ」

「・・・お前らしい考えだな・・・」

父が苦笑した。

「わかった、でも危ないことはするなよ？向こうでも気を付けろよ」

「お金をちゃんと管理するのよ？」

「わかってる、やるよ」

笑って、そう答えた。

上からどたどたと誰かが駆け下りてくるような音がして、階段から。

「青空！帰ってたの！？」

「ゆ、優奈姉ちゃん・・・もう少し落ちつきなよ・・・」

だいぶ取り乱した髪で優奈が降りてきた。

「落ち着けるものかー！弟がいきなり家から出るなんて焦るにきまってるでしょ！」

「・・・大学はどうしたの？」

「昼から！」

「ならいいけど・・・」

「・・・あんた一人で大丈夫なの？」

「大丈夫さ」

「・・・よーし、なら、行ってこい！」

と、青空の背中を叩いて激励した

「痛い・・・わかったから」

そして、荷物を持って外に出ると、祖父母が立っていた。

「体には気を付けーよ」

「しっかり、頑張ってきなさい」

「行ってくるよ、じいちゃん、ばあちゃん、田植えの頃には帰って来るよ！」

そして、道路には吉川が黒いセダンの前で立っていた

「別れは済んだかい？」

「ええ」

「わかった」

そして、見張りとセダンに乗り込むと。

「青空ー！頑張ってこいよー！」

家族みんなが手を振っていた

「・・・いい家族だな」

運転席の吉川が言う。

「ははは・・・ほんと、ありがたいですよ」

そして、彼は新天地へと向かった。

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どうも、初めまして読書家の猫です

初めて一次創作を書いてみました…

まだまだ頑張って書いていきます！

次回をご期待ください！