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すじがねいりのへたれ

冬休みの練習は部員に「なんかストレスでもぶつけてんのかってくらい気合い入ってんなぁ」と言われながらもなんとかなった。


さすがに冬休みの練習にはヒロインは姿を見せなかったし、考えすぎたな。


メールはあったけど、試合の時は応援に行くから教えてねとかテニス頑張れとか。このまま告白をスルーしてくれるよう願いつつ、簡単にお礼メールだけしておいた。



正直、気を抜いていたと思う。


正月に家族で過ごしつつ、だらだらしていたときにヒロインからメールが来た。


『明日の朝、一緒に初詣に行かない?テニス大会の優勝祈願しようよ』


可愛くデコられたその文面に、添えられていた振袖姿の写真。以前なら心を踊らせてすぐにイエスと返していただろう。


でも、これが罠だともう俺は知っている!どんなに振袖姿が綺麗で好みでも!


こいつは平気で何股もする浮気女だ!


「おぉ、綺麗な子だなぁ。彼女?」


どうやって断ろうか悩んでいたら、後ろから兄貴が覗き込んでいた。


「違うから困ってんだ!」


反論すると、ひょいとスマホを取り上げられ、勝手に返信されてしまう。


「もちろん行くって送っといたぞ。この機会にモノにしてこいよ」


得意気に言う兄貴に呆然となる。


「え。何を勝手に…」

「その子だろ、お前が怪我したときに毎日見舞いに来てたの。見た目も完全にお前好みだし、あそこまでされてお前が落ちないわけないよな。んで、まだ告白できずにぐずぐずしてんだろ、お前昔からヘタレだから」


前世で妹に言われたような言葉に、死んでもヘタレな性格が変わらなかったのは間違いなく家庭が変わらなかったせいだなと意味もなく考えながら、返されたスマフォのメール送信記録を読む。


『朝の9時に鳥居で待ち合わせな。振袖姿すごく綺麗だな。会えるのを楽しみにしてるよ』


距離を置くどころか縮めてるよこれ!!

もう付き合ってるって言われても否定できなくなってないか!?


確かにうまい断り文句も思い付かなかったけど、こうなったら行くしかなくなった。


明日、雨とか降らないかなぁ…

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