炎の世界(2)
なにか、世界観が現実離れしなさそうで
ネタに困っております…。
ああ、また人が来る…この町に。
どうしてこうも私たちの世界に訪れる人が多いのか
そんなに綺麗でもないこの町に今日でもう何人目かな。
あの日の空はもっと曇っていた。
でも今はこんなにも晴れている。
この違いはなんだ、なにが変わったのだ。私には何一つ
わからないが、ひとつだけ。
この世界はきっと何かを始めようとしている。
「なぁ、そこの者。」
…。男の声か、よく透き通る綺麗な声だ
ごくまれにいる世界ではこれをなんといのだっけ…
そうだ、イケボだったか。
少し世界を覗いてみるとなにか派手な衣装をまとった
女らが言っておった…。
花音は重い荷物を持ちながらこの町を歩いている。
「…もう決められているのか」
声のするほうを見るとさっきのイケボの男が
目を丸くしてたっている。
どうしたことか。一人で驚いている。
そしてすぐ山の方へと歩きはじめた。
「おい、そこの者止まらんか」
後ろから声をかけたせいか男はビクっと肩を動かし
驚いた。 案外ビビリらしい。
呼び止めた私はふと思う、なぜ呼び止めた。
別に行かせてもよかったのでは…。
「何か用か?」
今度は透き通るその声で私に問う声が聞こえる
なぜか、一瞬頭に光がよぎる。
私は慌てすぐ自分の格好を思いだし顔が急に
熱くなるのを感じた。
「いや、用といってもなにもないんだが今から山に行くんだ
そこにあるだろう?大きい」
自分の持っているこの果物の袋を指差し
思っていることを察して欲しいと願った。
案の定、男はすぐ理解したのか思っていることを察したようだ。
「ああ、ある。一緒に行ってくれって言いたいのか?」
そう言うと男は指差した袋も軽く持ち上げた。
どこか上から目線なのは気に入らないが
重いので持ってもらうのは大助かりになる。
私もまだ小さい、この世界には長くいるが
まだみんなからすれば小人みたいなものだ。
顔が熱いのは気のせいか…?
さっきから治ってくれない。
そういえば礼をするのを忘れていたことに気づいた。
今ならまだ間に合うだろう。
「…。ありがとう」
また急に熱くなる顔に私自信に苛立ち始めた
男がなにかを言っている。 聞かねばならない。
だが最後のほうしか耳に入らなかった。
「…いるんだ?」
「り…りんご」
まだ山の登りの途中だが、まだまだ先があるから
少し休憩しても構わないだろう。
そして私は男に持っている袋の中身を見せた。
まさか食うなんてことしないだろうから。
「…お前…こんなにいっぱい持ってどこに行くんだ?」
男はさっきと違う驚き方をして
私の目をみてきた、その目は一重ですこし赤かった。
私のこの袋はこれからいく町の私の主人に届ける
差し入れというかおやつみたいなものかもしれない。
主人に頼まれて炎の世界に来てみたものの
こんなに遠いとは思ってもなしなかった。
「私たちの仕事だし」
そう言い残して、私はまだ先のある山道を
果物袋を持ち上げ重い足取りで歩き始めた。
男はすぐ気持ちがあるくほうえ向き
私の横に追いついてきた。 今時の男は体力が
違うな、と久しく思った。
そういえば、と聞き忘れていた男のことを
私は今に聞いてみることにした。
きっとこれからそれが役に立つだろうと。
「君は、名前あるのか」
「あるよ、日向っていう」
あっさりと答えてくれたその名前は
よくある名前で、なんとなく期待は外れたな、と思った。
「お前はあるのか」
「私は、花音だ 覚えてくれても良いが
今日だけだろうし、私のは覚えなくとも良いと」
多分今日で日向は炎の世界について
色々知ることがあるだろうし。
私は炎の世界の人ではないから出入りはあまりできない。
主人が許可をくれたら、いつでも行けるのに。
遠くに光が見える、もうすぐ私の町につく