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Case1 浅香 唯

えー、これは色々、アニメや漫画や、文庫本などで似たような内容を見たという人がいるかもしれませんが、一応訂正をしておきますと、そういった関連のものとは関係ない、あくまで私の頭の中での物語です。所々、わかりずらい部分があるかも知れませんが頑張るのでどうか見捨てずにお願いします。

五月一日。

この春から某私立高校一年生になった浅香唯(あさかゆい)はゴールデンウィークを利用して二日前から家族クルージングにきていた。

本来ならこの日、普通の授業があるはずだが、開校記念日や父の仕事などが関係し、普通よりも早くゴールデンウィークに突入した、というわけだ。

しかし、今彼女は甲板の端に置いてあるイスに腰掛け、膝を抱え蹲っている。

「唯。こんなところで蹲ってー。折角の家族クルージングなんだから楽しまなきゃ損よー?」

方腰に手を当て、呆れたような口調で唯に言ったのは唯の母親である美紀子(みきこ)だ。

「だってぇー…」

動物が唸るような、人間の声とは思えないような音を発して、何かを言おうとするが、それ以上は喋る事ができないのか苦しそうに何度か唸っているだけになった。

「全く、船酔いなんてクルージングにきた意味がなくなっちゃうわよー?渉は平気なのにぃー。」

言って美紀子はちらりと甲板のほうに視線をやった。

美紀子の視線の先には、甲板の手摺りに掴まってはしゃぎ回っている渉の姿があった。―(わたる)。唯の二つ違いの弟。年令の割に体躯が小さく童顔なのでよく小学生に間違えられることがある―

「あんなのと、一緒にしないでよぉ…何で、こんなに揺れてる、のにお母さんも渉も平気なの?信じらんない…」

やはり、喋るのもつらいらしく所々変に突っ掛かってしまった。

「気持ち悪いならこんな所にいないで部屋で休んでればー?」

「だって、こっちの方が楽なんだもん…。」

楽、と言った唯の様子は全然そういう風には見えなかった。

美紀子は呆れたように溜息を吐き、軽やかに手を振って唯の前から去って行った。

「姉ちゃん調子悪ぃーの?」

いつの間にか近くにきていた渉が美紀子と同じように呆れたような口調で言ってきた。ただ、美紀子と違ったのは、その口調には少しだけ心配しているようなニュアンスが含まれているようだった。

「うるさぁい…大体、何でみんなそんな普通にしてられるのさ」

弱々しく吐かれた言葉に渉は眉根を寄せる。

「つーか、おかしいのは姉ちゃんの方だよ。だって、水も海も平気だし、車ン中とかだって普通に本も読んでるし、ゲームだって平気な顔してやってんじゃん。遊園地とかだって普通に絶叫系に連れ回されて俺、いっつも痛い目みてんのにそこでそうしてんのはどう考えたっておかしいって。三半器官は強いはずだろ?」

渉の口調はもう、呆れ以外のなにものでもなくなっていた。ふう、溜息のようなものを吐いたと思ったら、唯の隣に腰を下ろした。

「そんなに調子悪りぃなら、部屋に行けばいいじゃん。」

「ここに居る方が涼しーんだよぅ…部屋は暑くて揺れるんだもん…」

「姉ちゃんがそれでいいっていうなら構わないけどー」

渉は肩を竦め、明後日の方を向いてしまった。

蹲っている唯にと言うわけでもなく、特に誰にと言うわけでもなく渉は呟いた。

「今日は海鳥がいないなぁー…」

見上げたまま、眩しそうに太陽に手をかざした。

昨日も一昨日もずっと海鳥が飛んでいたというのに今は一羽たりとも飛んでいない。

…何だか、今日は変だな

面倒な学校を休んでいるというのに、何だか気分が乗らない。

もう、実質二日休んでいるのだが、何だか今日は違う。体のなかの何かが騒いでいる。これから、何かよくないことが起こる、と。…そんな気がする。

軽い苦笑が漏れた。

―やばいな。俺の嫌な予感は外れたことがない。

なんだっけ?確かこういうのをマイナスの直感とか言ったっけ。

どちらにしろ、いいもんじゃないな…。



この瞬間、この船に乗っている誰もがこれから起こる事件のことなんて、想像もしていなかっただろう。美紀子も。渉も。もちろん唯も。甲板で海を指差している小さな女の子も、女の子の隣で危なっかしそうな視線を送っている兄らしき人物も。楽しそうな笑い声をあげている家族も。

想像していなかった。

想像できるわけがなかった。

初めての投稿ではっきりいって、緊張しています。この物語が皆さんに受け入れてもらえるよう、これからも頑張っていこうと思います。 えーと、一応これは、この話に限らず全てを通してこの『唯』という女の子が主な主人公として話を進めていくつもりです。 …後書きの書き方もよくわからない私ですが、なんとかやっていくんでよろしくお願いします。

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