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プロローグ

誰得の続編です。少しでも楽しんでいただけたら幸いです。あときっちり完結できたらうれしいです。

 俺の――矢城功司やぎ こうじの秘密がどうとかっていう事件が起きてから、およそ二週間が経った。

 最初に俺が危惧していた事態なんてものは、どうやら被害妄想的なものであったようで、みんなの態度は何ら変わりがなかった。

 それはありがたいと言えばありがたいのだけれど「今まで秘密にしていた罰」だとかなんだかで、隙あらば俺の部屋を物色しに来ようとするようになってしまった友人たちに素直に感謝できない俺はやっぱり小さい人間なんだろうか、なんてのが最近の悩みになってきた。いやでも、親しき仲にも礼儀は必要だと思うんだ、俺は。プライバシーの侵害、ダメ絶対。

 ああ、プライバシーと言えば、あの日はずっと眠っていた幼馴染の東浬亜あずま りあにも俺の秘密を言ったところ、

「大体は知ってたよ?」

 の一言で済まされてしまった。ていうかそれだけ? じゃあ俺の今までの悩みはなんだったんだ? とか、そんな事を思わなくもないけど……まぁいいか。なんだかんだで結局、以前と変わりがなく過ごせてるのだから。

 以前と変わりなくと言えば、ちょっとした危なげな組織に在籍していた坂上薫さかがみ かおるも、三日くらい学校を休んだ後は普通に通学している。その三日間何をやっていたのかをそれとなく聞いてみると、

「女としての尊厳をかけた、ちょっとした戦いをしていた」

 と言っていた。大方あの変態親バカと壮大な喧嘩でもしたんだろう。……武器が言葉だけでなく、実弾とかを使っていないか少し不安だったけど。

 とまぁ、そんなこんなで、やっぱり俺の日常に変わりはない。

 悪友その一の桐垣秀智きりがき ひでともは怪しげな物体の開発に打ち込んで、悪友その二の氷室龍鵺ひむろ たつやは毎日毎日妄想の日々だし、クラス委員長の天笠楓あまかさ かえではいつも通りよく分からない言動で場を――っていうか俺を振り回しているし。

 もう春の季節も過ぎつつあり、そろそろ気温も上がって雨の多い季節に差し掛かる頃。

 重ね重ね言うが、俺はこの季節も、まだ寒かった頃と同じような日々を送っていたんだ。

 平和って素晴らしいな、日常っていいなって。

 特別な事なんて何一ついらない。

 特異な事なんて全く必要ない。

 特別に生まれてしまったからこそ。

 俺は平凡に生きて、過ごしていく。

 そう、平和って素晴らしかったんだ。

 ただ朝起きてご飯食べて学校行って馬鹿みたいな事やって帰りに寄り道して帰ってきたらテレビでも見てまた眠る。

 そこに特別なものなんていらない。ただ、同じような今日を過ごす。それが一番いいんだ。

 ……なんて。

 そんな些細な願いすら叶わないなんて、やっぱりこの世界は上手くできているんだと痛感した。というかやっぱり俺は特殊な立場なんだと切実に思った。


「そんな訳で、今夜『義妹』ができることになりました」


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