83 後日談:チェーネ②
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爆発事件に端を発したチェーネ住人蜂起は尊い犠牲により解決した。
翌朝のチェーネは前夜の騒ぎがまるで嘘のように静かで穏やかな普段と何ら変わらぬ日常を迎えていた。
そんな中、フロレアールは久々に一人の夜を過ごし、彼女は朝から一人で海鮮料理屋で山のような量の料理を前に一人フードファイトに勤しんでいた。
カルチナとキャローナの両名は自由行動後は宿屋の部屋に籠りきりであり、今現在もお愉しみの真っ最中の様である。
この調子だと24時間耐久に至りそうだが屈強や体力のステータス値が99に至り、常人の6倍を超えてカンスト済みの二人であれば放っておいても死にはしないだろうと考え、久々の二人の時間を思う存分堪能させることにする。
そして残りのカテジナはというと一人で淋しく夜を過ごした様で未だに宿屋で一人部屋に籠っている様だった。
住人蜂起が終息した後にカルチナとキャローナ両名が自由行動との褒美を得ていたことから、カテジナは自身にも当然褒美としてフロレアールと二人で夜を過ごせるものと期待していた。
その時カテジナの脳内妄想は、いちゃラブなめくるめく夜はレッツ・パーリー・ナイツがフィーバーでハッスルしていたのだが、フロレアールからはカルチナたちと同様に明後日の朝までの単独自由行動が言い付けられたのである。
その命にカテジナは血の涙を流しつつ「いくら何でも二人との格差が辛過ぎますわ」と心境を吐露するが、フロレアールからの「執行猶予中なの忘れてないわよね?ご希望なら骨の髄まで一晩中愉しませてあげても構わないわよ?」とナイトメアコースのお誘いがかかったことから、自由行動を選択して夜の街へと消えたのであった。
尤もフロレアール自身もその時点ではカテジナへの仕置執行も夜伽に応じることも“出来ない"というのが本音であった。
実姉であるテルミドールの対処、そして神殿や教会に自身の存在を知られた事を鑑み、自重を捨て住人蜂起を鎮めるに託けてチェーネ住人を贄とした。
そしてスキル“傾国の美貌”と“従属の簒奪者”によりテータス値を激増させた事から、力加減を誤りかねないと危惧していた為あった。
こうしてフロレアールは、その日の朝まで三ヶ月の間過へ過ごした地へと一人舞い戻ることを決め、チェーネからその姿を消したのであった。
目的地へと到着したフロレアールは認知加速を最大にした状態で、空が白ばみ始めるまで激増加したステータス値への順応訓練や魔術行使に励んだのであった。
その甲斐もあり、ギリギリ及第点と言える程度には増加したステータスへの順応に成功していた。
また、探知に関しても常にアクティブで範囲内を魔術で調べ続けて確認していた従来のモノをパッシブ、つまりは任意の瞬間、瞬きよりも短い刹那の時に魔術の発動と停止を交互に繰り返すモノへと改めることに成功していた。
コレにより従来のアクティブ方式の探知では、そのパケモノじみた魔力を感じ取られ探知範囲から魔獣や魔物が逃げ失せていたが、極超短波のパッシブ方式では魔力を感じ取ることが叶わない様で、例え探知範囲内に侵入したとも魔獣や魔物らは何の反応も見せず、平然と探知範囲内を彷徨っていたのだった。
コレによりスタンピードの切っ掛けとなる様な魔獣や魔物への恐慌を生じさせる恐れを解消するのに成功したのだった。
因みに、この後にの王都へと向かう道中にて、カテジナ達への新パッシブ方式の探知魔術は習得課題として与えられる事となる。
ステータス値がフロレアールより遥かに低い彼女らは習得するのに苦労する事となるのだった。
一人フードファイトを楽しみ終えたフロレアールは、予定通りに指名依頼であった領主館の造設へと取り掛かると宣言通り午前中の早い段階で領主館の造設を終える。
その際の旧教会の撤去は建屋そのものを収納する事で手っ取り早く済ませており、領主館造設を手早く終えたフロレアールは再びチェーネを離れ、今度は生まれ故郷のローゼ村へと赴くのであった。
そして元々村にあった小屋に毛が生えた程度の簡素な教会の隣に撤去してきたチェーネ旧教会を設置し、建屋そのモノを村へと寄贈したのである。
その際にはチェーネ旧教会へ浄化を施す事で中古建屋とは思えぬ程に綺麗なモノへと変わっていたのだった。
そして半ば強引に小屋のような教会にある“成人の儀”を執り行う部屋を調べ、その部屋中央の床下からステータスプレートに類似した白き謎材質で造られた石板的魔道具らしき物を見付けだす。
そして真新しくなった隣の教会建屋の一部屋へとその石板を移設するのであった。
その折にみた石板的魔道具に記されていた文字列は見たことが無い様式のものであった為、フロレアールは模造品を作成し、ソレを収納したのだった。
それらの作業をしているとチェーネからの移住者であり、新婚の妻帯者にて債務者でもある元不良冒険者のリダー格であったキャンバー君が現れる。
彼はフロレアールの想定よりも早すぎる帰郷に、借金返済への猶予を願う為、律儀に駆けつけたのだった。
だが、元より債権回収に来た訳でもないフロレアールはその旨を伝えるキャンバーは安堵するのであった。
こうして教会移設の主目的を達したフロレアールではあったが、生まれ故郷がスタンピードに蹂躙されたチェーネの二の舞となることを危惧したことから村の住人を集めさせ、村の防衛力強化の必要性を説く。
そしてフロレアールは村の周囲に設置されていた木組みの柵の代わりに自身謹製の高さ5メートル程の白い防壁を村を取り囲む様に造設する。
加えて長槍や短槍、斧、槌、片刃のブロードソードやショートソート、ダガーなど普段の狩りや山での作業でも使用でき、有事の際には武器としても用いる事が可能な得物を各々1グロス、即ち12ダース、144個単位で造り出す。
加えて万にも届く鏃、防具としてツバ付き帽子状の兜、鎖帷子、盾についても各々を大・中・小の3サイズを各1グロス造り出す。
それらには当然のように付与が施されており、武器類には不変性、先鋭化、鋭利化、衝撃増幅が得物の特性に合わせ与えられており、防具類には不変性、衝撃緩和が備わっていた。
フロレアールは造り出した武器や防具類について、普段の生活において狩りなどで使用する事は構わないが、それ以外では訓練、そして有事の際においてのみ使用を許可するとして村へと与える。
そして個人への貸与はローゼ住人に限ること、それ以外の者への貸与は有事を除き禁じる旨が明言された。
そしてチェーネからの移住者たちからスタンピードの経験者から教訓を学び、武器の扱いにも可能な範囲で励むようにと命じ、フロレアールはローゼ村を後にした。
それにより、ローゼ村は山間部に築かれた半砦化した村となるのだが、旧来の村の姿を知らぬ者たちからは、白き防壁は御使い様の生誕地としての一つのシンボルとなるのだった。
そして御使い様の欽命により、それから程なくしてローゼ村に住まう者たちは数多くの獲物を自在に操る隠れた戦闘民族へと昇華する。
その扱う武器や身に纏う防具の性能も相まって白夜叉と称され恐れられる事になるのだった。
そして迎えた翌朝の冒険者ギルドにてフロレアールは、カテジナ、カルチナ、キャローナの三名と顔を合わせる。
カテジナは少し憔悴し窶れて見え、カルチナは妙にツヤテカしており、キャローナは未だに少し上気し惚けている状態であった。
フロレアールは三人に対して、出立は予定通り五日後とする事、今後は暫くの間はチェーネに戻る考えは無い事を伝え、カルチナとキャローナには出立前日の朝まで家族の元で過ごす事を命じる。
そしてカテジナには施設へ赴き、百合百合教徒や薔薇薔薇教徒などの真恋愛主義者たちが今後暴走しない様に指導するよう命じる。
加えて自身は日中はに関しては独行動を取るが夜は宿屋に滞在する旨とカテジナには同室での宿泊の許可を与えるのだった。
こうしてフロレアールは残りのチェーネ滞在期間にて、バースニップが国王に宛てに記した手紙の検分、領主館の細かな修正、残りの時間でステータス値への順応及び魔術の訓練に励むのだった。
カルチナやキャローナは久々の家族との再会、そしてこの後に長期間の旅に赴く事を家族へ伝え限られた時間を各々の家族と共に過ごすのであった。
そしてカテジナは大翼の御使い像が坐す施設にて、フロレアールの命に従い同志たる真恋愛主義者たちを指導する。
そして残された時間にて、オリジナルの白百合の情交像を確認しながら小型複製品の作成に勤しんでいた。
彼女が憔悴し窶れていた主な原因は白百合の情交像にあった。
フロレアールに手酷くあしらわれた後は、一人宿屋で枕を涙で濡らしていたのだが、時間が経つにつれて物淋しさから白百合の情交像を想い浮かべていた。
すると今度は下の方が涙とは別のヌメる体液で濡れており、始めは自身で慰めていたのだが、自身の手指では満足出来ず、カテジナはほとばしる熱いパトスにて原寸大フルカラーのフロレアール(お股にデカ棒付き)のシリコンぽい人形を造り出す事に成功したのである。
彼女は魔術で人形を人肌に暖めると飛翔魔術を駆使して自分が望むがままに人形を操り、時が許す限界まで幾度となく自身を慰めていたのである。
だが、シリコポイドの出来は白百合の情交像と比べると数段見劣りするものであった為、カテジナは残された時間で限界まで造形技術に磨きを掛けるのであった。
こうして幾度となく造っては満足に足りぬ物は壊す事を繰り返しつつ、最終的には合格品625組を完成させ、オリジナルを含めて同志たちへと託したのだった。
後に白百合の情交像の小型複製品は世界中に設けられる百合百合教徒施設にて祀られる事となるのだった。
こうして各々が残されたチェーネでの時を過し、遂に出立の時を迎える。
フロレアールにはバースニップからの国王宛の親書が託されており、王城へと拝謁を申し入れる際に門兵へと託す手筈となった。
目指すはヴァンデール王国が王都、オーグヴァイネ。
そこに待つ国王エヴィエオードス、そしてフロレアールが実姉テルミドールとの邂逅が新たな物語を紡ぐ事となる。
そして一連の事件における数少ない逮捕者となったイムテラ司祭とポティロン神官。
二人は捕縛拘束後に衛兵へと引き渡され取り調べを受けていた。
当初は捕縛直前のイムテラの狂乱ぶりから難航するものと予想されていたのだが、目隠しと猿轡を外した時点で憑き物が落ちたかの様に大人しくなっていたそうである。
取り調べにも信じられない程にまでに協力的で反省の便すら述べているとの事だった。
その話が広まるとフロレアールの説法に感化された被害者であるレンザの兄貴を初めとした多くの真恋愛主義者たちからの嘆願が寄せられ、その結果として恩赦との形で二人への刑罰は見送られることとなる。
後に二人は一連の騒ぎの責を負って自主的に王都神殿へと自ら更迭を申し出て受理される事となり、以降のチェーネ教会は先任司祭だったトラソル司祭に任せられ、イムテラとポティロンの両名は彼の元で失墜させた教会の信用回復に努めるのだった。
こうしてチェーネ教会は体制を新たにし、この世界では珍しい自由恋愛の容認、その者たちとの共生に取り組む新興的教会へと生まれ変わるのであった。
その活動にイムテラとポティロンの両名は人生を掛けて挑むこととなる。
尤もこれらは傾国の美貌により従属状態となった両名がフロレアールの説法に感化された結果ではあるのだが、本人たちですらその事に気付くことも知り得ることもなく、その想いの始まりが自発的か外的要因かは、これから成す偉業には関係の無いことであった。
そしてチェーネ教会は他の神殿や教会、そして神聖教国イオプシオンからも目を付けられ疎まれる“頭のおかしい町のイカれた教会"との存在となるのだが、チェーネ住人や真恋愛主義者たちからの助けもあり、その圧力に屈することはなかった。
そして後々には新興的教会として主に百合薔薇同志な教会関係者らにより世界中へと広まるのであった。
コレにて序章の旅立ち~第一章のチェーネ編が一区切りとなります。
本話終了時点での従属の簒奪者による各ステータス値への追加ボーナス値は5247に達しております。
これは住人蜂起後に傾国の美貌の効果を受けていなかった数少ない者たちも追加でスキルの餌食となった為です。
単純な能力比で龍珠的に表すと下のようになります。
平均的な人間より二割ほどステータスが高い優秀な人物、初期に登場していたライジンや悲恋のサヘランでもアフロな髭ズラのミスター悪魔くらいになります。
そして現時点でのフロレアールは野菜チックな戦闘民族のエリート戦士にして、母親がデベソで頭髪を剃り上げてる髭ズラくらいの強さになります。




