065 後日談:チェーネ
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騎士団がチェーネを訪れてから一月とちょっとが経過し、チェーネの町は復旧を終え、すっかり様変わりしていた。
フロレアールによる城郭都市化が区画整理を含めて完了しており、城郭や住宅、新たな冒険者ギルドや支部開設が予定されている商業ギルドの建屋などの整備が完了。
また、埋没式の下水も整備されており、他の街にあるドブ溝と比べ衛生面でも優れた町が完成していた。
城郭内は白で統一され、建築物はおろか主要な道などまでも白のタイル舗装が施されており、白で統一されている。
そして町の中には神殿とも呼べる目立つ建物が北と南に二つ設けられている。
南側には神様を祀る新たな教会が配されており、旧教会の造形を踏襲したデザインとなっている。
今後、他の街から高位神官が訪れて移設の儀を執り行う必要があるとの事で、現在は未使用となっている。
私が話を聞いた感じでは、ステータスプレートを賜ったり情報更新する際に使用する祈りの間が関係している様であった。
一方北側には教会よりもやや大きい御使い様たる私フロレアールを祀る百合百合教の総本山が配されていた。
こちらも現在は建屋だけで私をモチーフにした像などは、住人たちが用意すると意気込んでいた。
因みに像のモチーフとしては、スタンピード殲滅時のショートソード展開時に見た姿を用いるとの事であった。
この二つは住人たちからの強い要望により建てざるを得なかったのもで、私が率先して作ったものでは無い事だけは理解して頂きたい。
他にも居住区や商業区も真新しい建屋が以前よりも数多く用意されたのだが、悲しいかな使用されている物は一割の半分にも満たなかった為、夜な夜なゴーストタウンを想わせる光景が出来上がっていた。
そんなチェーネの町だったが最近は日々移住者が訪れて順調に人口が増加し始めていた。
其れは近隣の町や村などへの移住者を募った事に端を発し、チェーネを通った旅人や旅商人などが訪れた先々チェーネの変貌ぶりを広め伝えたいた為だった。
実際にチェーネでは、移住者に対する施策として、移住者の家族構成に合わせた空き住居の無償提供がされており、町に辿り着けた者には容易に住居を手にする事が叶っていた。
加えて商店舗の一定期間の無償貸与が希望者には約束されていた事が項も奏し、新たに店舗を構えて商売を始める者もおり次第に商業区も賑わいを見せつつあった。
こうして日を追う毎に移住者の数は増加しており、特に若い冒険者や駆け出しの旅商人などが新たな拠点として移住してきているらしく、単身者向けの集合住宅の埋まり方が早いとの事で途中ど追加した程であった。
また、スタンピード後は魔獣やモンスターが消失して閑古鳥が鳴いていた冒険者ギルドも無事に賑わいを取り戻しつつあった。
パルミーナからの聞いた話だが、魔獣やモンスターが徐々にだが周辺地域からの流入により以前の状態に戻りつつあるとのことで、新人冒険者には良い環境が整っているとの事であった。
カルチナとキャローナの退職に関しての愚痴は言われたものの、町の人口も増えつつある事から後任者の採用や引継ぎなども順調に進んでいるとの事であり、後数日で退職日を迎えることとなる。
その一方で以前のチェーネの様な長閑な環境が好みだった者も少なからず居た為、その者たちは逆にチェーネを離れ、フロレアールの故郷であるローゼ村へと向かっていた。
その者たちの護衛を兼ねてリサイクル組の五人も改めて村へと向かったのだが、その際にリーダー格の男の傍らには、彼女にしては少し若い女の子がいたのには驚かされた。
話を聞くとスタンピードの際に助けた事が縁で付き合い始めて既に結婚を決めたとの事で、彼女もローゼ村へと一緒に移住するとの事であった。
因みにこの話は騎士団員たちにも広まっており、“次こそは自分が彼女を手に入れる”と意気込みを新たにし、彼らはチェーネを後にしていた。
その中でアランだけがトラウマさんに精神を完全に支配された様で、俯いたまま終始ブツブツと何かを呟き続けていた。
其の姿を目にした私は、背に変な汗を流していたのであった。
こうしてスタンピードに端を発したチェーネの魔改造や騎士団来訪などの一連の騒動は終わりを迎える事となる。
そして様変わりしたチェーネの町は、その風貌や魔術を用いて築かれたことから、白き魔製城郭都市チェーネと呼ばれるようになる。
だが、僅かな期間でその呼び名は意味する事が変わる事となる。
其れは、百合百合教総本山にして、様々な性産業の拠点として名を轟かせた事に加え、真なる性趣向として多様な性に対して寛容な町であった事から、真性城郭都市チェーネとして名を馳せることなるのだった。
ただし、そんなチェーネにおいても紳士淑女の鉄の掟が定められた性趣向があり、“オーケーロリータ、ノータッチ”と“イエスショタコン、ノータッチ”が掲げられ、これに反した者は厳しく処罰されたそうである。
閑話休題
時は少しさかのぼる。
チェーネの復旧も目処が見え始めた頃、フロレアールとカテジナは休みを取り教会へとステータスプレートの情報更新に訪れていた。
私は魔術スキルがレベル10とカンストを迎えており、他にはが騎士団員たちを魅了させた事で簒奪値が1008にまで増加していた。
遂に四桁の大台を突破したので「簒奪値さんも成長したもんだ」と心の中で達観した後に、“認知加速を強化しないとなぁ”とも考えていた。
そうしているとカテジナが青い顔をして祈りの間から帰ってくる。
「フロレアール様、わ、私のステータス値がおかしな事になってまして。これは悪魔か何かに取り憑かれたという事なのでしょうか...」
本来ならばステータス値が大幅に増える事が起こりえない。
その変動を目にしカテジナは不安に駆られている様である。
原因を知っていると言うか犯人は私なのでカテジナを落ち着かせる為にも声を掛ける。
「大丈夫よ、落ち着きなさい。ここだと他の人の耳に入ると良くないなら一先ず宿屋に戻りましょう」
そう言って私はカテジナの手を引いて宿屋へと戻るのであった。
部屋に戻った私は、先にカテジナをソファーに座らせ、その対面に座る。
「ステータス値が増えていたって言ってたけど本当なの?」
「はい。ステータス値が増えていました...。屈強、体力、敏捷、器用、知力、魔力が全て五割ほど。こんな事有り得ませんわ...。きっと悪魔やら何かに取り憑かれたのに決まってますわ...」
「安心して取り憑かれてるなんて事は無いわ。だから落ち着きなさい。」
「何でお分かりになるのですか?ひょっとして鑑定スキルをお持ちなのですか?」
そう言われて私は鑑定を試して見たことが無いなと思い、カテジナを魔術で鑑定してみる事にする。
ステータスプレートを当人の脇に宙に浮くように表示させるイメージで魔術を行使すると他者が閲覧可能な情報に限られているがステータスが表示される。
「カテジナ、貴方のステータス値は力:12、屈強:22、体力:23、敏捷:22、器用:21、知力:27、魔力:29、魅力:25、幸運:18で合ってるかしら?」
「えっ!?今ステータスプレートを出します。もう一度お願いします。」
カテジナがステータスプレートを見て確認している中、私は先と同じ数値を読み上げる。
「合っていますわ。フロレアール様は鑑定スキルをお持ちなのですね。お陰で私安心致しましたわ。」
「ごめんなさい。ステータスプレートで他者が見れるステータス値しか私には読み取れないわ。」
「えっ!?それでは取り憑かれてるか否かは分からないのですか!?」
「違うの、落ち着いて聞いて。前に貴女を(あなた)含めてカルチナやキャローナには強くなってもらうと言ったのは覚えているかしら?」
「はい、忘れる筈がありませんわ。私たちを仲間として誘って頂いた時に仰ってました。」
「それであってるわ。それでね、私のスキルと魔術を使って貴女のステータス値を増加させたの。この後も今の値に順応したら段階的にステータス値を増加させるから覚悟しておいてね。」
「...酷いですわ...」
一言そう言うとカテジナはさめざめと泣き出してしまう。
私は予想外の反応に慌てて謝る。
すると“ヒックヒック”と声を震わせながらカテジナが答える。
「ごめんなさい。断りも事前説目も無くて驚かせたかもしれないけど落ち着いて。」
「違いますわ。私はフロレアール様に身も心も捧げております。ですのでステータス値を増加させるのも好きにして頂いて構いません。」
「なんでそんなに悲しそうに涙してるのよ」
「これ程まで耐久が高くなると処女を失う事が難しくなります。今後更に増やすと仰いました。どうか責任を取って私の処女を奪って下さいませ。」
「なん...だと!?」
カテジナの発言に私は二重の衝撃を受ける。
カテジナが処女を奪って欲しいとの要望にも驚きだったが、処女自体を失う事が難しくなるとの発言に思考が停止しかける。
フロレアールは光を失った目で問いかける。
「カテジナさん、一つお尋ねしたいのだけど。純潔を散らすのが難しくなるってところ、詳しく教えて欲しいわ」
「はい。耐久値が増加すれば負傷や傷を負うことが減ることはご存知かと思います。其れに伴って処女膜を破くことも困難になるのは冒険者の間では有名な話なのです。男性と初めてを迎えるのであれば、男性側の耐久が最低でも女性側より1以上高くないと男性器自体が折れてしまうと聞き及んでいます。既に私の耐久ですと道具を使わざるを得ないと思います。今後更にステータスを増やすのであれば、その前の御寵愛の折に純潔を捧げさせて下さいませ」
「そうね、前向きに検討しておくわ」
「其れは本当のですか♡!?今更、冗談と言われたら私自分を抑える自身がありませんわ♡」
「そうなの。ソレはたいへんね。色々と考えておくわ。それと悪いけど気分が優れないから少し横になるわね。暫くそっとしておいて頂戴」
カテジナが一転してガッツポーズと伴に「よっしゃー」との雄叫びを上げる横を通り抜け、フロレアールはトボトボとベットまで歩いた後に横になってしまう。
そう、フロレアールはバイ・セクシャル化はしたものの、将来は英雄譚の様な素敵な運命の相手と出会い、そして恋に落ち結ばれる事を夢見ていた。
既に耐久値が四桁の大台のフロレアールは正に鉄乃処女であり、生身の男性相手であれば間違い無く陰茎折症に陥り、再起不能となる事であろう。
こうして夢敗れたフロレアールは自身とカテジナの純潔をどう扱うか思い悩むのであった。




