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048 飛翔魔術

ご愛読ありがとうございます。


拙い文章ですが、面白いと思って頂けましたら“ブックマーク”や“いいね”、“感想”等にて応援頂けると幸いです。


これらの応援は執筆に際しての大変励みなりますので宜しくお願いします。

空中に静止しながら一頻り泣き終えたフロレアールはゆっくりと地面へと舞い降りた後に本日三度目となる浄化魔術を己自身に行使する。

色々と酷い目には遭ったが結果としては飛翔魔術を習得する事に至ったのであった。

そしてもう一つ酷い惨状を晒している物が存在していた。

それは質量兵器として発射された不変性の魔術を付与した杭が着弾した山肌である。

黙々と立ち昇る土煙の発生源には根元近くまで崖状の岩肌に深く突き刺さった杭があり、突き刺さった岩肌は窪みヒビ割れ周囲には吹き飛んだ岩が飛び散っていた。

その様子を拡大魔術で確認したフロレアールは攻城兵器として利用する機会が無い限りは封印指定することを決断する。

再度お目見えする際には発射時の爆風対策等の数々の魔改造や改善が施される事であろう。


フロレアールは証拠隠滅の為、杭が突き刺さる山の岩肌へと飛翔魔術の練習がてら宙に浮かび高度を上げたり旋回したりしながら向かう。

認知加速を行使しながら飛行速度を上げると風の抵抗が大きくなる為、円錐状の障壁を展開する。


「慣れるとブースト状態で地上を駆けるより魔術で飛翔した方が障害物も無いから楽でいいわ。特に高低差があっても直線的に移動できるのが素晴らしい。それになんと言ってもお腹が減らないのが最高ね。」


フロレアールは思うがままに宙を駆ける爽快感と征服感を味わいつつ山の中腹にある着弾地点へと到着する。

現場は予想以上の惨状を晒していた。

段々の崖からなる山の岩肌の一部が崩落し、人の背丈を超える巨岩などが付近に散乱している。

フロレアールは安全を確保して離れた位置から杭の収納を試みるが埋もれている為か失敗に終わり苦悩する。

無理に引き抜くと新たな崩落で自身が巻き込まれる恐れが高かった為である。

また、火魔術で燃やせば山肌に焼け焦げた痕や最悪の場合は山火事に発展する恐れもあるから却下される。

そこでフロレアールは浄化魔術の発展系で思い付いていた消去魔術を試すことにする。

自身で加工した杭の為、大きさと形状は把握していた事から杭そのものが消え去るイメージを構築し魔術として行使する。

体からマナが抜け出る感じを覚え杭の姿が掻き消える。

だが、マナの抜け出るその感覚が終わる事無く続く事から魔術の行使を停止する。

すると岩肌に突き刺さる杭が再び姿を現す。

それに驚いたフロレアールは近くに転がる巨岩に触れ先と同じ魔術を行使する。

すると手には巨岩の触感があるにも関わらず巨岩の姿は綺麗に消え失せたのである。

透明化の魔法を予期せず成功させた事は喜ばしいがイメージを少しずつ変更しながら消去魔術を試すが発動することは無かった。

そこでフロレアールは直接消去する事を諦め、以前にドーム小屋と同様に杭を細かく微粒子状変化させる分解魔術を試みる。

すると今回はいとも容易く魔術が行使され杭が消え粉末が煙となり立ち登り始める。

杭の除去を終えたフロレアールは崩落や杭の衝突にて生じたと想われる岩々を飛翔魔術を掛けて浮遊させる。

浮遊させた岩々を崩れ掛けている岩肌へと押し付け地魔術で強引に一体化させ、なだらかな山肌を復元する。

以前の山肌が定かではない為、どの程度の隠蔽となるかは分からないが一先ずは隠蔽工作を終える事にする。

予定外の作業を複数こなした事から日が傾き始める。

フロレアールは今日はこの場所に高床式のドーム小屋を設けて一晩を過ごすことにする。

小屋の色は周囲の岩肌と同じにすれば当目には目立たないと考え作成する。

とすると森の中で過ごしていた既視感のある小屋が一瞬で現れる。

以前は滑らかに形作られていたものが一瞬で現れたことに驚きつつも簒奪値増加の影響と割り切り一人納得するフロレアール。

小屋の中に入り収納からスノコベットを取り出し設置する。

簡易拠点の設営を終えたフロレアールは軽めの夕食作りに取り掛かる事にする。


小屋の手前に焚き火台を設けて収納から枝を取り出し魔術で乾燥を施し薪として使用する。

火魔術で着火して火起こしを終える。

収納から以前に捕獲していた川魚のヤマメを二匹取り出し洗浄魔術を掛ける。

次いで魚が泳ぐ様なくねらせた姿で地魔術製の串を打つ。

尾ビレ等の各ヒレにはたっぷりと塩を着け、身部分には適量の塩を塗す。

覚えたての飛翔魔術の練習がてら串打ちした川魚を頭を下にした状態で焚き火から少し離した遠火の位置に浮遊さ、そのままゆっくりと回転させながらじっくりと焼き上げてゆく。

焼き魚には白米がよく合う為、収納から飯盒を取り出して米を炊く。

こうなると汁物は当然味噌汁となるので今回は山菜のウルイを取り出し洗浄魔術を掛けて一口大に切る。

ウルイは癖がなく、あまり知られていないが山菜では珍しく生食もできるのである。

その為、味噌汁には食べる直前に茎の部分を加え、葉の部分は副菜として味噌マヨネーズを付けて食すことにする。

収納から出汁のストック取り出し小鍋へと移して温める。

煮立つ前に火から外して味噌を加えてよく溶かして最後にウルイの茎を加えて再度火にかけて煮立つ直前で火から降ろして完成である。


「頂きま~す。う~ん、遠火でじっくり焼いたヤマメが香ばしくて美味しい。それに浄化魔法で下処理したから腹を割かずに済むから、切り口から油が逃げてない。ふっくらジューシーで美味しいわ。」


ブースト状態を終えた後に一頻ひとしきり満足するまでフードファイトをした事から空腹を感じていなかったフロレアール。

だが、ヤマメのあまりの美味しさに食が進む。


「そして副菜のウルイの葉の味噌マヨディプのシャキシャキとした食感がいい口直しとなる。そして味噌マヨが癖のないウルイに旨みとコクを加えて堪らないわ。副菜なのにご飯が進むの。」


次いで味噌汁を口にする。


「ぷはぁ~。そして味噌汁はウルイの茎から僅かに滲み出たヌメリが薄らと溶けだして出汁の旨みが舌に纏わり付いて旨味をより強く感じさせる。それにウルイに癖がないからヤマメの決して強くない香りや旨味の邪魔をしないのも良いわ。ナイスチョイスよ私。」


自画自賛しつつあっという間に夕食を平らげてしまうフロレアール。

アッサリ目のメニューに少し口寂しくなり串焼きを追加で召し上がれたのはここだけの乙女の秘密である。


夕食を終えたフロレアールは食べ終えたヤマメなどの串を飛翔魔術で宙に浮かべて自由に動かす訓練をしていた。

そうしながら先程の透明化の魔術は使えそうな事から後日試そうとか認識加速の加速段階をどうやって引き上げるか等を考えていた。

そんな最中に収納からチェーネの町に向かった際に食して収めていた串がある事を思い出す。

それらの串を収納から直接空中に出現させ、そのまま飛翔魔術で浮遊させる。

暫く浮遊させていると、この串を全速力で山肌へ飛ばしたらどうなるかとの興味が湧いてくる。

フロレアールは崖状の岩肌へ向けて崖の下から上まで縦一直線の等間隔に串が並ぶ様イメージする。

次の瞬間、30本近い地魔術製の硬質な串が超高速で飛翔し、山肌に深々と突き刺さる。

「「「ガッッ」」」 との音が幾重にも重なり響いく。

続いて「ピシビシ」と嫌な音が鳴り出した次瞬間「バゴン」との大音響と共に崖が縦に割れる。


「ぴぎゃぁぁーー!!」


反射的に飛翔して割れた崖から退避するフロレアール。

宙に浮きながら己の股を触って濡れてない事を確かめ安堵する。

幸いにも食後時間経過が僅かだった為、粗相をせずに済んだ様である。

頭の隅でトラウマさんが「チッ」と小さく舌打ちして去ってゆく。

フロレアールは亀裂が入り縦に割れ裂けた崖を無言で修復する。

次いで焚き火台を火がついている薪ごと消し去りドーム小屋へ入る。

スノコベットを前に念の為自身に洗浄魔術を掛けてから不貞寝するのであった。

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