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032 冒険者登録

ご愛読ありがとうございます。


拙い文章ですが、面白いと思って頂けましたら“ブックマーク”や“いいね”、“感想”等にて応援頂けると幸いです。


これらの応援は執筆に際しての大変励みなりますので宜しくお願いします。

「それでは冒険者ギルドへの登録を始めさせて頂きます。始めに冒険者ギルドに関して説明を」

「時間が勿体ないので貴女あなたは事務的な手続きを早く進めてください。そもそも登録後に渡す手帳に書いていることをいちいち説明すること自体か無駄な行為なんです。わたくしとフロレアール様の大切な時間を奪うことは許シマセンヨ?」


受付嬢さんの言葉を遮り、最後には再び瞳を見開き抑揚の無い声で脅すカテジナ。


「ひぁい、ゴメンなさい。」

「謝る暇が有るならサッサと手続きを進めなさい。」


可哀想に受付嬢さんの瞳に涙が溜まってる。


「ステータスプレートを御用意下さい。奥の事務室にある魔道具で登録作業を行いますので私に着いてきてください。」


今にも泣き出しそうな声でそう告げると受付嬢さんは受付窓口脇の扉から出てきたので、その後に続き窓口奥の事務室の中へと移動する。


「こちらが登録用の魔道具となりますので、中央の窪みにステータスプレートを置いて下さい。」


説明に従いステータスプレートのそれより一回り大きい窪みに置くと受付嬢さんが驚いた様子で声を掛けてくる。


「凄いステータス値ですね。魔術関連の値も凄いですが、特に魅力と幸運値がずば抜けてます。

こんな高い数値初めて見ました。」

あ、ヤバイ、ステータスプレートを見た驚きで、受付嬢さんの日頃から培われているコミュ力が自動発動してしまったようだ。


「魅力値から察して、お綺麗なのにも納得なのですが、近くで拝見すると髪ツヤも凄いてですね。それになんと言ってもお肌が白く透き通っていてとてもお綺麗なのですね。何が特別な事とかされてのでs」

「黙れビッチ。何勝手にステータスプレート覗き見てんだ。それに加えて御使い様の御尊顔に顔まで近づけやがってブッ殺すぞ。」


我慢の限界を突破したザンネンさんがブチ切れてチンピラさんが現れる。


「ザンネンさん先程も言いましたけど落ち着きなさい。」


フロレアールは戦闘力53万の冷凍庫様が短気なピンク色のイボ付きフルーツチック名戦闘員を窘める様に宥め注意を促す。


「それに事務的に黙々と手続きを進めるよりも暖かみが感じられるので、私は会話しながらの手続きの方が嬉しいですよ。」


そう言って受付嬢さんに微笑みかけると泣き出しかけてた彼女の顔が真っ赤になる。


「それとザンネンさん、あまり口汚い粗暴な言葉遣いをする人は嫌いです。今後は可能な限り使うのは避けるように。」


一方のザンネンさんへはお仕置として顔を見ること無く素っ気ない態度で注意すると顔を赤らめていた受付嬢さんが目に見えてビクッと震え、同時に背後から「嫌われた嫌われた嫌われた嫌われた....」と怨嗟の如き微かな呟きが繰り返し流れてくる。


「そ、それじゃあ続きお願いできますか?」


額に汗を感じるが受付嬢さんに改めて微笑みかけて手続きの再開を促す。


「あ、エッ、よろしいのですか!?。そ、それでは次いでコチラの手型の窪みに御自身の左右どちらの手でも構いませんので置いて下さい。自動的にマナが消費されますのでご了承ください。付属しているコチラのオーブが蒼く光った後に自然と消えますので、そうしたら手を離して下さい。乗せたままだとマナが際限なく吸われますので注意して下さいね。」


どうやら手型に部分に手が触れる事で自動実行される仕組みのようである。

指示に従い手を乗せると説明通りにオーブが蒼く光りそして光が消える。


「これにてフロレアール様の登録手続きは完了となります。コチラの魔道具を介して各地点の冒険者ギルドとも情報が共有されましたので、今後は冒険者として依頼の受注が可能となります。それでは一旦窓口に戻らさて頂きますね。」


目を逸らした受付嬢さんは若干早口に説明を終え、一言断って後そそくさと逃げる様に窓口へと戻っていく。

私も受付嬢に続いて窓口に戻ろうと振り向いて気付く、そこには光を失った目で壊れた様に“嫌われた”の怨嗟を放ち続けるカテジナが居たので、私は放置して窓口に戻るのであった。


窓口前まで戻ってきて、ふと目に付いたモノの前まで移る。

其れは依頼書の貼り出しされている掲示板である。

私はその掲示内容を流し読み驚愕すると慌てて受付嬢さんの所へと駆け寄る。


「あの、ちょっとお尋ねしたいのですが!?」

「はい?如何なさいましたか?あぁ、先程ザンネン様が仰っていた手帳はコチラになります。注意事項などはしっかりと覚えて下さいね。違約金など罰則も明記されてますから後々のトラブル防止の為にもお願いしますね。」

「あ、どうも。いや、そうじゃなくて。」

「違うのですか?神官様様なら文字が読めないとは思えませんし。あぁ、イビルボアの討伐依頼書は昨日の時点で掲示板からは外されてますよ。」

「違うの、そうじゃなくて、アレが見当たらないの、アレの依頼が!!」

「アレと言われましても、流石に分からないのですが...。」

「盗賊よ、トウゾク。野党とかそう言った類の討伐依頼が見当たらないのよ。」


そう、それは私の旅の主目的の一つ、盗賊や野党に関する依頼どころかその情報などが一切見当たらなかったのである。


「盗賊や野党の討伐依頼なんてありませんよ?。そもそも、その類の仕事は衛兵や騎士団が担うものですから冒険者ギルドには依頼が来る事は有りませんよ。掲示されても出没に関する注意喚起くらいですかね。尤もこの町も街道の集約地ですけど田舎の方なので、出没するのも数年に一度程度だと思います。私も成人して勤め始めてから4年近くなりますけど、未だに注意喚起自体を見かけたことすら無いですから。」

私はショックのあまり気が遠くなる。

子供の頃から憧れていた夢がまた一つ敗れ去ったのである。


「あぁぁぁ......」


見える人にはフロレアールの口から魂が抜け出ている様がハッキリと映っていることだろう。

こうして目から光が失われた二体目の壊れた美少女立像がギルド内に現れたのであった。

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