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016 不変性と認識加速

ご愛読ありがとうございます。


拙い文章ですが、面白いと思って頂けましたら“ブックマーク”や“いいね”、“感想”等にて応援頂けると幸いです。


これらの応援は執筆に際しての大変励みなりますので宜しくお願いします。

不変性の付与魔術が成功したことから魔術触媒として再現を試みる。

参考とするのはマジックバックの構成文章、それを記す素材、初めは地魔術の土板、次いで試すのがスノコ作りで切り出し余っていた木版である。

地魔術で作成した土板では燃焼などの試験が行えない。

だが、魔術触媒としての文章構成を作成するに際しては地魔術で文字を彫り記す。

修正の際には埋め消した後に改めて彫り直す事が可能である事から触媒としての動作検証に用いるのに優れていた。

十数度目の修正を終えた土板に触れ改めて触媒を介して不変性を発動させ、マナが抜け出る感じを覚えた事から文章が完成したと判断する。

次いで木版にその内容を複写するのだが手書きで記すのは面倒なので魔術で行なう。

当初は風魔術て削り彫る事を試したのだが意図しない範囲の繊維までもが引っ張れ意図した文字を彫れず失敗した為、そこで火魔術で焼き記す事とした。

作成した木版にて触媒としての動作検証に移り、各魔術で破壊を試みるが木版に変化は生じず、最後は軽くだが白メイスで打ち付けて問題がないことを確認する。

続いて文章を記した木版を別な何も加工を施していない普通の木版で挟み込み四辺を地魔術で枠状に固めて一体化させる。

一体化した状態で燃焼等の検証にて外側の普通の木版にも不変性が付与されること確認。

次いで四辺を固めていた地魔術の枠を消し去った後に再度検証を実施する。

すると外側の普通の木版は最初の火魔術で呆気なく燃えてしまう。

このことから、複数材を組み合わせた際には、枠などで複数材を繋ぎ留めて一体化させる事が必要と判明したのであった。


ここからはローブとマントを脱いでの作業となるため、ドーム小屋に一旦戻るとローブとマント脱ぐ。

ローブとマントに仮縫いを数箇所施し、表生地と裏生地の縫い糸を一部を取り外し、双方を分離させる。

私は文章を記す方法として裏生地に刺繍を出施すことに決める。

これは身に付けていない状況で濡れたり汚損した際に対する備えであった。

文章自体は表生地と裏生地で挟み込む事で他者の目には直接触れない様に注意を払うと共に、刺繍に使う糸は可能な限り裏生地に近く目立たない物を用いる。

そして裁縫スキルにものを言わせて凄まじい速度で裏生地に文章を刺繍で再現、その文末の一文は纏う者とするのも忘れない。

そうして刺繍を終えた裏生地と表生地を再び縫い合わせて耐ブースト状態用の不変性防具を手に入れることに成功する。

加えてブーツの修繕と改修に取り掛かる。

ブーツには地魔術でつま先から足の甲、両側面部分と全体を覆う様な部品を作成する。

ブーツと接する内側に不変性の文章を刻み込み、地魔術にてブーツの革生地を挟み込み一体化させたのであった。


耐ブースト状態用不変性防具が完成に至った事から、次のステップへと移行する。

ブースト状態への順応と同状態での戦闘技術習得となる訳である。

昨日は減速魔術で盛大に自損事故を喫する事となった。

だが、何らかしら魔術による補助を用いらなければ己の速度に認識が追いつかないのである。

速度自体に手を加えるのは諦めて追いつかない認識を補助することに力を注いだ方が懸命と判断して考える。

探知魔術は視野や視認に干渉することが可能であることは間違いない。

そのことから早く動くも物を見る力、所謂動体視力が上がらないかと考える。

考えながら目を閉じると探知結果その映像が相も変わらず見えている事に気付く。

そう目を閉じていても探知結果の映像は見えているのである。

探知は探った結果を知り得る方法のイメージを構築して作成した魔術であり、正面視野に重ねて表示はするが探知結果自体は瞳を介して直接見ている訳では無い。

そうなのである。

魔術ならば肉体的制限に囚われずに望む結果や事象が得られるのであった。

今の課題は、ブースト状態の速度に自己の認識が追いつかないのであれば認識を追い付かせるば事足りる。

尤も具体的にどれ程早くすれば良いかは繰り返し試す以外の手段はなさそうであるのだが。


そうして覚悟を決めて山麓に向かって移動を開始するが、昨日のブースト状態でのあのチビりそうになる感覚や転倒の恐怖がトラウマとして心を蝕み始める。

そうなるとトラウマそのものの行為を避けるべく如何にトラウマの再体験から逃れるかといった方向に思考は傾く。

認識が追いつかないブースト状態の速度は簒奪値が加わったステータス値での全速力の移動である。

そこから常人の何倍の速度が出るのか分かる筈であるとステータスプレートを確認する。

凡そ14倍であったので、認識速度も合わせて14倍にすれば余裕じゃないかと思付く。

ところで14倍早い認識って何ですかね?。

自分でヒントに気付き即座に挫折する、まさに天国から地獄である。


「ふっざけんなぁ、ぼけぇ!!。」

バキャァァ


完全な八つ当たりで近くの木を思いっきり蹴り付けて叩き折る。

大量の葉が舞い落ちる様を見て、この落ちてる葉が止まって見えるくらいに認識速度が早くなればいいのではないかと思い付く。

イメージが固まれば魔術として行使することは容易い。

魔術を行使すると大量に舞い落ちてくる葉が止まっているが如くゆっくりと動いて見える。

私はその認識加速を解くことなくブースト状態で動きだす。

舞い落ちる無数の葉を掴むことを試みる。

腕だけ動かすのではなく己自身が移動しながら広い範囲で舞っている葉を容易に掴むことに成功したのであった。


「名も無き木クン。八つ当たりしてゴメンよ。でも君の尊い犠牲で私は壁を破ることが出来たよ。」


こうしてフロレアールは認知加速の魔術を手に入れたのであった。

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