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地獄の神威  作者: ビタードール
プロローグ
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プロローグ『地獄の神威』

 2050年。

 東京に突如、なんの前触れもなく、魔神と呼ばれる化け物が七匹現る。

 呼ばれ名の通り恐ろしい魔の神々は、次々と東京内の人々を殺戮し、あらゆる物を踏み付け、東京を地獄にした。


 だがそこに現れた救世主、西園寺 ミシェルが魔神に立ち向かった。


 人々は当時のミシェルの事を悪魔祓い師、またはエクソシストと呼んでいる。

 理由はミシェルが自らそう名乗ったからだ。


「七つの魔神共!この悪魔祓い師西園寺 ミシェルが相手だ!」


 ミシェルは不思議な力を使った……当時の人々はそう言う。

 まるで超能力のような力で魔神達を金縛りに合わせ、東京に『神域』と呼ばれる物体とも霊体とも言えない禍々しい結界を張った。


 神域を張った反動だろうか?ミシェルは力尽きたように倒れた。

 その後、病院に運ばれたミシェルは死亡が確認された。

 一人の男の死は、魔神に支配された日本を取り戻したのだ。

 ちなみに、ミシェルには死してなお、ノーベル平和賞が与えられた。


 だが問題があった。

 確かに魔神は閉じ込めた。

 だが、人々は神域内に入れてしまう。

 あまりにも危険だった。

 すぐに神域内と神域付近の調査と設備が行われた。


 残念な事だ、せめて神域付近だけにしておけば人類の犠牲はなかった。

 神域内に入った者は、神域内に無条件でテレポートされた。

 それもランダムで。


 神域内の調査は不可能、その答えが出たのは半年後だった。

 とうとう神域に入った者が出てこなかった。

 想像するだけで恐ろしい……魔神に殺されたんだと誰もが思った。


 それでも興味本位で神域に入る者は現れた。

 一人、二人、また一人、無論帰還者は居なかった。

 これを防ぐ為、人類は神域をコンクリートの壁で囲む事にした。

 東京全体をコンクリートで囲むのは20年掛かった。

 天上をも囲んだ。


 2070年以降、東京は『地獄の神域』と呼ばれ、隔離された。

 だがしかし、まだ地獄は終わらなかった。


 2085年『地獄の神域』からコンクリートの壁をぶち壊し、一匹――一人の魔神が姿を現した。

 人類は再び魔神と神域に怯える事になった。


 魔神を目にした者は少ない。

 それでも、目にした者は魔神の姿を「化け物」、「人外」などと言った。

 だが神域を出た魔神の事は「人間」、「悪魔」など他の魔神と異なる容姿をイメージさせる単語を言った。


 あろう事かその魔神は神域内を出ただけでなく、神域を自由に出入り出来た。

 それだけじゃない、奇妙な事にそいつは人々を殺戮せず生かしたまま神域内に連れ込むのだ。

 明らかに他の魔神と違った。


 人々はその魔神を、地獄からの使者『ラルス』と呼ぶ。

 名前の由来は一人の警察が「怒りの化身だ……復讐しに来た……怒りの魔神だ」と狂ったように呟いた事から憤怒を意味する呼び名になったとか。


 ラルスが狙う対象は学生と警察が多くを占めている。

 時には学生が乗る電車ごと、時には警察大勢を刺し網漁業のように網で連れ去る。


 2090年、人々は恐れるのを止めラルスと戦う事を決意した。

 世界各国から戦力を集め『地獄の神域』を監視した。

 戦闘ヘリ、戦車、銃火器、特殊部隊、化学、使える戦力は何でも使った。

 それを察したラルスは、逃げるように人々の前に現れなくなった。

 以降、ラルスの出現率は大幅減り、2年後の2092年になると一切現れなくなった。


 しかし、ラルスの代わりに別の魔神が同じように人々を恐怖に落とすことになる。


 2092年、ラルスの代わりに現れた魔神は女性の姿をした魔神だった。

 黒い羽根、美しい黒髪、透き通った美貌――人々はその魔神を『地獄の魔女』と呼んだ。


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