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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

破棄系

艶やかなる花

作者: アロエ




婚約を結んでいた侯爵家の娘と王太子が婚約を解消した。


王太子が子爵家の娘を見初めたからという事で、侯爵の娘にはまた別の王家に縁のあるものとの婚約を整え円満に解決と表向き処理をされたが侯爵の娘の優秀さ故にその後釜となる子爵家の娘は比較され続け各所に波紋を呼んだ。


しかし王太子はどうしてもと譲らない。困った事に、王太子の他に王家には男児はおらずその他は嫁に出た王女や年端も行かない王女ばかり。王も妃も相応に年を召していた為にこれ以上を望むのはきつくなってきていた。


否、王の性格もあっただろう。潔癖が過ぎる故に多くの女と同衾するのを厭うたのだ。


だがこのような事が起きてしまったのでは仕方ない。王は悩みに悩んだ。そしてそんな時にとある国より娘を王太子妃に貰ってはくれないかとの縁談が舞い込んだ。


絶世の美女と名高い姫であると同時に賢く、多くの人に愛され育まれてきた為に欲をかかず謹み深い。懐に入れたものはとても大切に扱う姫だと念を押されて、更には絵姿までも複数贈られた。



王は男に媚びる顔だと評したが、意外なことに王妃と王太后が子爵の娘よりも確りとした知性に溢れた顔立ちと眼差しをしていると評し王は自分の潔癖な性よりも女たちの勘を取った。


何故ならば侯爵との娘と息子の相性を考えずに国益の為と結んだ縁談が他でもない息子によって破られたのだから、王に否やはない。



そうして女たちの希望の通り迎えることとなった姫を、当然ながら王太子とその妃とならんとする少女は拒絶しようとした。しかし王も今度ばかりは譲らずに王となるならば王太子妃として彼の姫を迎えなければ王太子の位を廃し、王弟へと王位を譲ることも出来るのだと頑なに示した。


そんな父王の言葉に不貞腐れながらも王太子は己が愛を与えるのは子爵の娘だけだと周囲の冷ややかな眼差しにも気付かずに熱く誓いあったのだが……。



「お初に御目にかかります。シュテムナラードの十四姫、リリアス・ナライア・シュテムナラードにございます」



白い肌が好まれるこの国に置いて、更に上を行く陶器のごとき艶やかな肌には金銀の紋様がアクセサリーのように輝く。少したれ目がちな目は青みがかかったエメラルドグリーン。その左の目もとにある黒子のなんと色っぽいことか。


しゃなりと頭を垂れてお辞儀をした際に揺れた稲穂のように豊かな黄金の髪は長く、後ろで侍女が二人、それぞれに床に着かないようにと姫の苦にならないよう立ち回っている。


体型も子ども体型というような子爵の娘とは比べくもない程に胸は零れ落ちんばかり、腰は括れて異国の衣装がよく似合っていた。臀部も桃尻というべききゅっとした形の良いもの。男であれば夢幻であっても彼女に触れたいと願う邪な思いを駆り立てる、そんな美女であった。



険のあった王太子も想像していた数倍美しい姫君に口を噤んでごくりと生唾を飲んでからはっと我にかえりいかんと首を振って彼女を睨み付ける。


この女は権力が目当ての女狐だと。そう敵であることを更に肝に銘じながらきつく当たろうとしたが上手くいかない。



「私には愛しいマリアージェという女性がいるんだ。どこの国の女かは知らないが、王妃の座が目当てで嫁いで来ようというお前など……」


「存じております。私はあなたの愛しい妾様があなたと過ごす為に不自由なく国を回す駒であるのでしょう?お飾りの妃。ええ、望むところですわ。私、頑張ります」


「……口ではどうとも言えるが、しかし良い心がけだ。私とマリアージェの為にせいぜい骨身を尽くすが良い」



きっぱりと言ってやったと満足そうに踵を返す王太子を笑顔で見送り、その場から完全に消えたのを確認してはスッとその顔から表情の一切を引き連立つ侍女と共に王太子妃へと与えられし華やかな一室へと赴けば嵐の前の静けさとばかりの静寂が王城を満たし。


待たせていた最愛の彼女と睦み合う王太子とこの先の因果な結末も知らぬ彼女だけがただ人知れず騒いでいた。






異国の美姫を迎えた国では早々に正妃としての彼女の地位を確立すべくお茶会や婚礼衣装の準備に打ち合わせと忙しなく日々は巡る。


当然国を挙げての婚礼行事の話し合いにも王太子は呼ばれ、うだうだといいつつも流石に姫の後ろに立つ異国の存在と何より彼女だけではなく王としての自身の地位の確立や後ろ盾を言われては欠席するわけにも行かず彼も渋々と席についていた。


どれだけ子爵の娘に嘆かれようとこればかりは仕方ないと彼も彼女に返し代わりに埋め合わせをなどとも口にしていたのだが。



「この国では婚礼衣装は白ですのよね?」


「ああ。そちらの国では確か薄い翡翠色を纏うのだとかと聞いたが」


「はい。翡翠は我が国では高貴なものしか手にすることが許されぬ故、何世代も前から王族の婚姻には欠かせぬものですのよ」



話したくはないが、側近から前持って少しでも会話を保たせられなければ侮られる危険もあると小耳に挟まされた知識でもって彼女に合わせれば微笑み、興味のない自分よりであっても僅かにでも自国のことを知ってはいてくれているのかと外交に悪影響が及ばない事に安堵し息を吐いたらしい雰囲気にフンと鼻を鳴らす。


そして試着が終わってカーテンの向こうから現れた彼女は神々しく光を纏い、まるで女神の降臨したかのような絵になる様で侍女に、護衛に、様々なものらから溜め息と羨望、生唾を飲む音が漏れ聞こえた。


知らず立ち尽くし同じように彼女を見つめたまま固まっていた王太子を気にせず、彼女は手を引かれ王太子の母たる妃へと近づけばとても綺麗だと賛辞を受け礼をする。その後、何着か形の違う婚礼衣装を試したがそのどれもが彼女の美しさを違った形で引き出しこの日だけで彼女の信奉者が何人増えたことか。


同性でさえ魅了し神と崇めたくなるほど、その美のおこぼれにあやかりたくなるほど、彼女は輝いていたのだ。



そうして表立って王太子や子爵の娘が問題を起こすこともなく迎えた婚礼の日。


様々な国から人々が祝いに駆けつけた。彼女の両親は勿論、彼女に婚約を取り付けようと必死になっていた同士たちも挙って訪れたというから驚きだ。


子爵の娘を推す王太子であっても今日だけは彼女を立てねば国王の座はないと、エスコートだけはきちんとしつつ幾度も彼は彼女の麗しいその花嫁姿を盗み見た。


この婚姻が不幸なものであることは変わらない筈であるのにも関わらず、彼女の表情に翳りはなく寧ろ国民に優しく等しく手を振り目線を合わせるように気を配る彼女の姿は幸福の絶頂にいる花嫁そのもののようだ。


何故彼女はこんな表情が出来るのか。自分の言葉に傷付いて暗い表情となって泣き暮らしてもおかしく無い筈なのに。


困惑と微かな後ろめたさを感じながら神の使徒と呼ばれるものに祝福を受け、夫婦の契りを交わし互いの頬に軽く触れ合い、キスをする。


それから使徒見習いの幼き娘たちが持つ今年の実りの内で出来の良いものを祭壇に掲げ、神に夫婦と相成ったことを告げて見守ってもらえるようにと頭を3度下げる。


これは一度目は主神へ、二度目はその奥方へ、そして三度目が子宝や夫婦仲を取り持ってくれる神へとの挨拶のようなもので地域によってはもう少し数が増えたり減ったりなどと変わる儀礼だ。


それを終えてようやく客人たちへと感謝や顔合わせなどをしていくのだが、最初にやってきた大男に早くも王太子は及び腰となり王族らしくはない振る舞いで失笑を買った。


見あげてもまだ遠く高い位置にある顔は傷痕塗れであるが、元は逞しく彫りの深い男前だったのだろうことが伺える顔立ちで猛禽類のような鋭い眼差しに貫くように見据えられても花嫁は動じずに王太子の代わりに軽く挨拶を交わした。



「ムジェガド国王陛下、今宵は私たちの式によくおいでくださいました。あちらの国からだとかなりの距離がありましたでしょうにまたお顔を拝見出来まして驚きましたわ」


「他でもないそなたが嫁ぐというのだ。我の求婚を拒み添う男がどのような器のものか、試しにきた」


「まぁ、またそのようなことを。いくら陛下が戦神が如く強いと言ってもそのように私の周りの方々を威嚇され続けては困ってしまいます。それに何せ私たちは新婚です、私も早々に未亡人になどなりたくはございませんわ」


「身分の低い下賤な妾を取り、国を危ぶませるような性もない男でも惜しいと言うのか?愛のない関係よりも思われ寵を受け続ける方が女としては喜ばしいと思うが?」 


「殿方はいつもそればかりなんですから。私は父母や師、民や様々な国の方々から愛されてきました。ですので私も愛を返したいのです。これ以上の愛を望みません。誰かの役に、そう、より多くの民や貴族たちのためにこの身が役に立つのであれば喜んで尽くそうと考えているのです」


「フ、博愛主義もここまで来るといっそ清々しいな。まあ良い。離縁されたのであれば次の候補地として我が国を考えておくのだぞ。皆お前が来るのを待っている」


「王妃様にハーレムの方々ですわね。また今度珍しい菓子や衣をお父様にお願いしておきます」


「それは僥倖。何せどれもほしいと妃どもが取り合いになるくらいにお前の国のものは好まれる」



ギラギラと光り獲物を狙う眼差しを柔らかな微笑みでひらりひらりと交わしては次の方がお待ちですのでと花嫁は男を促し名残惜しげに手を取り甲に口を寄せて渋々と客人は元の位置へと戻っていく。


次に来たのは女性と連れ立った美男子であったために王太子は先程の衝撃を抑え、彼らはと自分の妻となった彼女に視線を向け促す。



「マディナライト国第一王子殿下、並びにポートノール公爵令嬢様。お忙しい季節ですのにご足労いただき誠にありがたく存じます」


「お招きくださりこちらこそありがたく。本来であれば国王陛下が来る予定でしたが叔父上が行くだのと少々揉めまして、急遽私が代役として参加させていただきました」


「あらまぁ。叔父様と言いますと王弟グヴェード様ですね。私に何か伝えたいことなぞあったのでしょうか?」


「いえ、ご存知かと思われますが叔父上はあなた様への思いが強く。己こそが夫となるに相応しいと常々申しておりまして……。お恥ずかしい限りです」


「グヴェード様にはもっと相応しい女性が自国にもいらっしゃいますと私も何度もお声かけしてきましたが、どうしても思い込みが強い人というのでしょうか。最後まで聞き入れていただくこと叶わず残念です」



苦笑交じりに三人で語らう様子から、それが真実であろうと考えた王太子はまたも驚く。彼女を慕うものは多いとは耳にタコができるほど周りのものに聞かされていたがそれでも先程から名のある国の国王やら将軍として有名な王弟やら、他にもどうとでも女など求められるものたちが彼女と会いたがり、話をしたがり。


子爵令嬢との仲を裂き、彼女を推したいがための大袈裟な世迷い言だと思っていたのだが……。


何十人目かの客人の後に少し休憩をとシャンパンを運んできた侍女に礼を言いつつ、王太子は席を立った。



「どちらへ?」


「……ああ、すまない。用を足してくる」



信用に足る護衛のみ連れて耐えきれず逃げ出すように壇上から降りる。振り返れば喉を潤しまた一人で客人の相手に勤しむ妻となった彼女が見え目を眇め、また前を向き直り歩きだした。






無事に式が終わり、初夜が訪れた。こればかりは立場あるものとして避けては通れぬ行事である。


この国に訪れた時と同じくアクセサリー代わりに異国の紋様を肌に纏った薄衣の王太子妃が不幸など微塵も感じさせない柔らかで聖母のような、それでいて艶やかな色気漂う蠱惑な香りをまとい彼をベッドで待っていた。



「今宵より三日は通っていただきますが、それより後はあなたに任せます。真実愛する方のみと情を交わそうとも、私にも情けをかけてくださろうともどちらでも私は構いません。どのような場合であれ、私は国と民とのために尽くします」



その言葉に心が乱された。あれだけ多くのものに望まれ、崇められ、一欠の愛をとまで求められるこの女性を己の好きなように扱う権利を許されたのだ。


自分だけが。穢れない彼女を落とし、真の姿まで知る。


あれほど周りを巻き込んで騒いだ真実の愛とは一体何だったのか。暗闇の内でギラギラと欲に目を光らせるその男を、両腕を開き迎える彼女と、見届け人たちだけが記憶と記録とに刻んだ。






三日と定められた日を無事終え、だが何かと用事を作り上げて夜に昼に朝にと王太子妃の元に通うようになった王太子に彼の父母や他の貴族たちはこれで元通りとまでは行かないが王太子妃の国のものにも面目が立つと喜んだ。



だが喜ぶものがあれば悲しむものもある。


当然子爵の娘は嘆いた。あれほど自分だけを愛し大切にしてくれると言ったのにも関わらず、他の女、それも身分ではとても打ち勝てないような相手に尻尾を振ったようにしか見えなかった。


孤立しがちな愛妾と言う身分さえ彼女を守ってはくれないのに。子どもも正当な血筋のものに勝てない。身分さえ与えてもらえるかもわからない。だのに、だのにだ。


涙を流し王太子妃の座を得て輝かしく微笑む女を恨み呪った。それがお門違いな逆恨みだとしても、彼女にはそれしか残されていなかったのだ。





「もし私とあなた様の愛しいあの人が子を身篭ることがあれば、私の子としてあの方の子を立てればよろしいでしょう。そうすればあなたとあなたの愛しい方の子が王位を得られます。その代わり、あの方の子として私の子を立てたならば少しで構いません。その子を我が子として可愛がって上げてくださいませ。子に罪はないのです。親から愛を与えられないなどといった哀れな思いをさせるのはあまりに酷い行いです。どうか、どうか。切にお考え下さるよう願います」



ある時褥をともにし、一服としていた王太子に王太子妃はそう提案を持ちかけた。


王太子は目を丸くして彼女を振り返る。憎き相手の子と自分の子を入れ替えるなどといった大胆不敵な発言、それも外部に漏れればまず謀反など考えているのではと処罰されるような内容のことを彼女から提案されるとは思わなかった。




実のところ、この頃には彼も子爵令嬢であった彼女にうんざりしていたのだ。一歩引いたところで何もかも受け入れながらも賢く立ち回り自分を補佐してくれる王太子妃、マナーも何もかも完璧ながら色ごとには少し恥じらうような初々しい様も彼の心を掴んでいた。


それと比べ王太子妃の元にと向かう素振りを僅かにでも見せるとヒステリックに泣き叫び、唾を撒き散らしながら罵声をあげ、地団駄を踏みみっともなく恥も外聞もなく縋りつき衣服を汚したり破ったりする子爵令嬢。


あれだけ愛らしいと思っていた屈託なく笑う所作や笑い声が見劣りし、色褪せて見えるのが不思議だった。



まるで魔法が全て解けたよう。



「馬鹿なことを。そなたが私の子を孕んだのであれば私はその子を喜んで王子として迎え入れるぞ。……あの女は駄目だ。私以外の男を後宮へ招いているような動きがある。妊娠したとして、それが私の子であるかも怪しい」


「まぁ、何てこと……」



相談に乗って欲しいとして過去の男を呼んだのだとしても、王城であるのだから己の家のようにしていいものではない。


王太子妃たる彼女もあまりのことに口元に手を運び絶句していた。


優しく様々なものに愛を等しくと考える彼女の心を思って脂下がる顔で王太子は彼女の頬を撫でるとまた体を横たえ彼女を己の腕の中に招く。 

  


「あれがお前に良からぬことをする前に王城から追い出そう。そしてそなたと私で国を盛り立てようではないか」


「王太子殿下……。しかし運命の愛と、一度でも真実愛した方にそのような仕打ちをなさっては殿下の御心が報われません。先ずは話し合いの場を設け、それから決めましょう」


「リリアス、君はなんて慈悲深く聡明なんだ。そんな君に今まで非道な言葉を投げつけてきた自分が私は恥ずかしい」


「ご謙遜を。私はそのような大それたものではありません」



仲睦まじげに口付けを落しながらに褒め散らかす王太子を困ったように見上げながらも抑えず上手くやり込める彼女の手腕を、誰が知ろうか。



そうして後日、元子爵令嬢たる愛妾と王太子、王太子妃、国王、王妃に様々な身分のものたちで裁判が行われた。


王太子以外の男と姦通した罪を問われ自室を調査された際に出てきた呪物に毒、また子を流す為のハーブティーに似せた薬茶などが発見されたことにより予定したよりも多くの罪を被ることになった彼女は全て捏造だと己の罪を認めず暴れ、牢にと一時収監され責を問われた生家は取り潰しとなり、一族皆が刑に処される事となった。


どこから漏れたのかその恐ろしい所業は民たちの知るところとなり震撼し、貴族らも皆その話題で持ち切りだった。


もう誰も身分の差を越えたラブロマンスを讃えて共感したり外から声援をかけることもない。


悪しき魔女を殺せと言う過激な声さえあがるほど膨れた憎悪に、身分も愛も何もかもを失った弱い女になす術もない。



断頭台こそ免れたが、国を無用に騒がせ混乱に陥れ王族の暗殺を企んだその罪により多くの刑を与えられ死んだ方がマシだというような思いをしながら最後は北の果ての塔にと追われた。


多くの罪人が暮らすその塔でこれから彼女は祈りを捧げ、懺悔を繰り返し死ぬまで下働きのような暮らしをし続ける。最低限は与えられ命も守られるが逆にいえば監視の目を免れ外に出ようとすれば即座に殺される家畜のような立場である。



そんな境遇を知りつつも、片割れであったはずの王太子は素知らぬ顔をして過ごすのだ。


これ以上に報われぬことはない。



「あなた、子ができました」



医者を横に侍らせて、王太子妃から王妃となった彼女が女神のように目を細めて己の下腹を撫でて笑む。


喜びの声をあげてそんな彼女の両手を取り、頬に口付けでかしたと小躍りしそうな様子でいる王を尻目に彼女が国から連れてきた侍女らが目を伏せ口元に怪しげな歪んだ笑みを乗せている。


侍女にしてはやけに猫背で顔を隠すような装いのそれに誰も気付かない。気付けるだけのものはもうここには残っていない。



嫋やかなる王妃は国王に真に愛されて、やがて王子を産み、姫を産み国を豊かにし民も貴族も皆幸せになったのだ。





姫様は属性善ではなく悪の人です。綺麗な花には棘どころか毒がめっちゃ滴ってました。



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