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006 厨二病

よろしくお願いします。

 一週間があっという間に流れてった。

 休み時間や水曜・木曜の放課後は、たけちゃんと琵琶島君と一緒に、異世界系ラノベの考察や琵琶島君が投稿予定の小説に意見を交わしたんだ。火曜と金曜はたけちゃんが剣道の道場に通う日だから、放課後は和歌菜と一緒に帰宅。

 これといって何もしてないけど、満ち足りた学校生活だ。


 俺と和歌菜の進展はというと、手を繋いで登校するようになったことと、寝る前の"おやすみL◯NE"くらい。清く健全な関係です。

 部活は検討中。親が学習塾に通えと言ってるから、かなり悩んでる。和歌菜はバドミントン部に入ると思うけど、本人は俺と一緒に帰りたいと健気なことを言ってくれる。

 俺のために無理はさせられないけど、その気持ちがスッゲー嬉しい。


 俺たちヤロー共は、学校生活で連むようになっていた。琵琶島君が小説を投稿予定ということで、俺やたけちゃんもチャレンジしてみようと決意も新たにした。

 琵琶島君にいろいろと教えてもらって。まず書きたいもののテーマを決めようと言うことになって・・・。ちなみに琵琶島君のテーマは"異世界×転移×サバイバル"だ。


 これまで気軽に読んできたウェブ小説だけど、いざ自分が書いてみようと思うと目移りしそうなほど種類があって決めかねるわ。


 テーマを決めるのは置いておいて、俺たちの話のネタは、異世界系ラノベで主人公たちが転生/転移に至るまでのプロローグで盛り上がった。


「異世界転移の場合って、大体あっちの世界からの召喚だよな。即ち異世界誘拐」

「あーね、国か個人かは別として自分の意思に反して喚ばれてスキル鑑定で落ちこぼれ認定される、とか?」

 実は鑑定では明らかにならない力を秘めている、まである。

「自分が目的で召喚されるならまだしも、巻き込まれ召喚はぞんざいに扱われて僅かな路銀を渡されて城から放り出されちゃうパターンもあるよね」


「あれって、召喚された者は高確率で高スキルやギフトを授かるって前提がないと成立しねーよな」

「あー、そう思う。小説によってはなぜ付与されるのかを説明しているのもあるけど、前例があってそういうモンだって流してるだけのもあるし」

 それでも疑問符つかず読み進められるフシギ。

「スキル・恩恵・ギフト・付与。言い方はいろいろあるけど、特別な力(チート)を召喚された人が授かるのは、異世界系小説の予定調和なのかもね」


「チートがないと物語が進まねーからな。ノーナシじゃ召喚する意味がないぜ」

「俺、これまで何故なんて考えたことはなかったわ。たぶん掘り下げても浅いだろうし、異世界召喚系はそう言うもんだって普通に読み進めてたし」

 召喚とスキルは二つで一つ。青◯アミーゴ!

「伏線にでもならない限り、チート付与はあくまでも手段で目的じゃないからね。掘り下げる必要ないかもね」


「あと、転移ってなると何がある?」

「人じゃなくって空間もろとも転移する系じゃね?」

何故か水や電気が使えたり、ネットも使えたりと建物にもチートが付与されてるんだよな。

「うん、部屋とか家とか国とかが異世界に転移しちゃう小説だよね」


そうそう。掲示板回とかは見ていて楽しい。


「それじゃ次に、転生の場合はどうよ?転移が誘拐なら転生は?」

「転生は大体主人公死んでるから、神様からの謝罪?お礼?あとは神様の暇つぶし?だいたいトラック転生か過労転生か寿命転生よな」

 死ぬ直前に人助けをして、お主は死ぬ予定ではなかったので別の生を授けようとか。生前徳を積んで希望の世界を選ばせるとか。いい加減な神様が取り柄のない主人公を適当にピックアップして異世界に波紋を起こさせるとか。

「ナン十万もラノベやウェブ小説があるから、死に方殆ど出尽くしちゃってるよね」

「転生モノをヤルなら、一番はじめに主人公の前世の死因から考えねーとか」

 被らない死に方って難しい。


「知識チートに走るなら、死に方よりも生前の職業もこだわる必要があんじゃね?魔法を使っての内政チートならゴリ押しでいいかも知れんケド」

 前世学生だったヤツが専門家のような知識を語るのは、多少の違和感を感じるよね?大学院生のような研究職や、その道に携わったことがある社会人でないと。あ、だから"おっさんが転生する話"だと辻褄が合うのか??

「いっそのこと、死因は思い出せないが前世知識が若干あって成長とともに徐々に忘れていた知識を思い出すって方が、ストーリーの方向性が変わっても修正しやすいかも」


「よし。前世を考える必要があるってこともわかった。次は神様から貰えるチート考察だな」

「いろんな希望(ワガママ)を聞いてくれる優しい神様設定もあれば、死んだ時の能力値や徳のポイントから取得できるチートを選ぶってパターンとか。これも数えきれないほどあんよ」

 駄女神も一緒に巻き込まれるパターンが、実は密かにスキ。

「生まれ方もある程度選べたりね。ある程度の生まれ先を指定できたり、死んだ時より若い肉体で転移したり、種族変更も可能だったり。ストーリーとキャラ作り次第で無限の選択肢が可能になるよ?」


「そう言えば、さっきふじやんが”神様の暇つぶし”っていってたけど、人外転生とかはその最たるものだと思うんだよ。」

「ゴブリンとかオーク転生のこと?R18(ノクターン)行きじゃね?」

くっころくっころ。

「モンスターだけじゃなくって、武器防具とか虫とか動植物とか。珍しいところだと乗り物もだね。絶対自分からは選ばないよね?でもそんな転生先でも、一応転生特典や経験値を積むことで種族進化するんだよ」

ああ、進化ツリーってヤツね。必要条件や特殊能力とか、考えるだけで小説一本あげれそう。

「気づいたら植物だったり無機物だったら、もう神様に弄ばれてるとしか考えられねーよな。作家さんの腕次第で面白い話にもなるんだろうけどさ」


たけちゃんは話を続ける。

「俺実は逆行転生が好きなんだけど、あれって前世の記憶があること自体がチートで、神様から何も貰えないことの方が多いよな」

「逆行転生は所謂歴史改変小説で、現代知識をもった主人公が過去に生まれたら、歴史がどう変わったかを読み進めるモノだからだろ?戦国時代が魔法が使える平行世界になってたってんならアリかもな」


 魔人化した織田信長が"七◯守護神(ハロー・イーン)"とか言って暗黒魔法ぶっ放すの見てみたい。



 やべぇ、厨二病がチョー疼くんですけどwww

お読み下さいましてありがとうございました。

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