1.SCOってなに?
俺は華栄高校の1年生の流風槍志。いつも通りに幼馴染の美花と下校していると、美花がニコニコしながら話しかけてきた。
「そう君、SCOっていうVRMMOがもうすぐ始まるんだけど一緒にやらない?」
「SCO?なにそれ?」
「そう君ニュース見てないの?」
「基本的に夜はテレビ見ないし、それにこの頃誰かさんが朝早くから家に来ているから見れてないんだよ」
「うっ…ごめん…もう行かないほうがいい?」
「いや、来てくれたほうが嬉しい。だから泣きそうな顔をしないで」
「うん、わかった。じゃあこれからも家に行くよ」
そう言いながら微笑む美花。かわいい。
「わかった。それで美花。SCOってどんなゲーム?」
「剣と魔法の世界。要するにファンタジーだよ」
「剣と魔法ねぇ…スライムとかドラゴンとかいるの?」
「うん。それにそう君この前戦いたいって言ってたよね。この世界なら思う存分戦えるよ。だからそう君も一緒にやろう!」
「でも俺本体持ってないんだ」
「だいじょうぶ!私2台持っているから1つそう君にあげるよ」
「いいのか?もらっても?」
「もちろん!だからそう君、一緒にSCOをしよう!」
美花がそう言ってくれたから、俺はSCOをやることに決めた。
「うん、やろう!一緒に!」
「それで…どうすればいいの?」
「とりあえず家に帰ったら自分のアバターを作っておいて」
「わかった。それで…いつからSCOは始まるんだ?」
「明後日だよ。しかも明後日から夏休みなの。だからいっぱいできるよ」
「じゃあ早く宿題終わらせてゲームをやろうか」
「そうだね。そう君、今日から放課後、私の家かそう君の家で夏休みの宿題一緒にやりたいんだけどいい?」
「いいよ。じゃあこのまま俺の家来るか?そうすれば設定もできるからな」
「うーん…家に帰ってからにするね。着替えたいから」
「うん。わかった。じゃあ部屋で待ってる」
………
……
…
ところで俺の家は道場をやっている。うちの流風流の歴史をさかのぼれば江戸時代にまでなるらしく、家も昔の屋敷のようになっている。歴史系のドラマを見ている人はそれを想像してもらえればいい。
「ただいま」
「おお、帰ったか槍志」
着物を着たじいちゃんが出迎えてくれる。
「うん。これから美花と俺の部屋で宿題するから、美花が来たら俺の部屋まで来てもらってくれ」
「ふむ、わかったぞ。そういえば槍志、お主まだ美花ちゃんと付き合っていないのか?早く告白してしまいなさい」
「ちょっと待って。なんで俺が美花のことを、す、好きだと知ってるの!?」
「おや、知られてないと思っていなかったのか?私だけでなくこの家の者は皆知っているし、成咲の者も知っておる。知らぬのは美花ちゃんだけではないのか?お主はわかりやすいからの」
「まじかよ…俺…そんなにわかりやすいのか…」
「まあ良い。美花ちゃんが来るのじゃろう?部屋に行って待っていなさい」
「うん…わかったよ…」
身内に美花が好きということがばれている、ということを知り意気消沈していると美花が大きな箱を持って部屋にきた。
「ふう…」
「美花、大丈夫?言ってくれれば手伝ったのに」
「うん、大丈夫。とりあえず、私が持ってきた箱を開けて中身を取り出しておいて」
「わかった…っと思ったより軽いな…」
「それがヘッドギアで、ゲームをするときはそれを頭につけるんだよ」
「ふーん…そういえば美花、宿題あとどれくらいで終わりそう?」
「えーっと…あと数学だけだから1時間くらいじゃない?」
「俺もあと数学だけだから、終わったらキャラメイクしよう」
「わかった。じゃあ競争しよう!早く終わった方が遅かった方に一つ命令できるってことで」
「了解。」
「今からね!よーい…スタート!」
それから50分が過ぎたころ…
「よしっ!終わった!」
「あー負けちゃったかぁ…あと1分あれば終わったんだけどな…」
美花は悔しそうに言う。
「…それでそう君何してほしい?」
「うーん…後で決めてもいい?」
「うん、いいけど…まあいいや。宿題終わったからそう君のキャラ作っちゃおう。それが終わったらそう君に膝枕してあげる」
「えっ…なんで膝枕なの?」
「私がしてあげたいからだよ。早くキャラメイク終わらせよう!」
「了解」
さて…キャラメイクを始めますか…