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異世界で波乱万丈  作者: かめロンと深山傍喰
ここはどこ、わたしはだれ?
9/100

話し合い

 膠着状態が続いてどれくらいたっただろうか。今はもう、時間の感覚がない。


「…すみません!」


 4人組の女の一人、黒髪を後ろでまとめた女が声を出した。その女は剣をしまって大剣の女の前に出る。


「話をしませんか?」


 その言葉に俺は銃を下ろしかけた。だが、既の所で思いとどまる。澤田も銃は下さない。


「…あなたたちが、敵でないという保証は?」


 俺は人見知りだ。だが、ここで臆病とばれるのはまずい。できるだけ強めに言った。


「私たちはギルドの依頼で来ました」


 ギルド?なんだそれは。そんなものがあるのか?それとも罠か…。


「その保証は…?」

「これです」


 女はそう言って一枚の古そうな紙を見せつけてきた。紙には文字が書かれてある。が、何が書いてあるかはさっぱりわからない。右下に赤いハンコが押されていた。

 そんな紙を見せつけられてもわからない。どうする?


「澤田…どう思う?」

「俺に言われても…」

「だよな。俺もわからんし…。ここで2人一緒に心中か?」

「男と一緒はごめんだ…」

「俺も…」


 だからと言って手もない。いっそこうなったら話を聞くか?


「話を聞いた方が賢明じゃないか?」


 澤田も同じように考えているようだ。


「わかった。武装解除を要求する。俺とお前は武器を消す。ただし、すぐに出せるように準備しとけ」


 澤田はゆっくりと頷いた。

 俺はそれを確認してから4人組に話しかける。


「わかった。話を聞こう。お互い同時に武装を解除する。いいか?」

「わかったわ」


大剣の女が頷くように言った。


「3・2・1・0」


 0で俺達は武器を消す。俺の武器は青い粒子となって消えた。澤田は緑の粒子。その現象に4人組は驚きつつも同時に剣を納める。あちらも剣をすぐに抜けるようにしている。抜刀と早撃ちでは勝てる気がしない。武器を投げるように言えばよかったかな?





 俺達は4人組と向き合う形で地面に座る。距離は1メートルほど。結構近い。

 4人組は自分たちの右に剣を置いている。さっき大剣以外の3人は鞘を左腰に刺していた。大剣の奴はようわからん。ただ、剣を抜く腕と同じ方へ剣を置く場合は相手に敵意がないことを示す。と社会の先生から聞いたことを覚えている。ひとまず敵対の意思はなさそうだ。しかし、警戒は怠らない。


「まずは自己紹介を―――」

「いや、しなくていい」


 俺は自己紹介しようとした大剣の女の言葉を遮る。できるだけ強く言う。


「ここで名前を聞いてもどうにもならない。こっちは元から名前を言う気はない」

「……わかったわ」


 俺は頷き話の続きを求める。


「私たちはギルドの依頼で来ているの。これが証拠」


 そう言って女はさっき見せてきた紙を渡してきた。

 うん。読めん。

 わかっていたが見たことが無い言語だ。


「カタバミ、読める?」


 カタバミというのは澤田のゲーム名だ。カモフラージュのためにそう呼ぶことにする。フルはミヤマカタバミ。花の名前だそうだ。


「いや。英語ならともかくこれは読めんぞ」

「だよなー」


 俺はそう言いながら紙を返した。


「その依頼の内容は?」

「…ここに群生しているある薬草を採取する依頼よ」


 薬草か…。


「どうする?」

「何が?」

「…察しろよ」

「無理だろ」


 俺が言いたいのはこれからの行動だ。この4人組について行くのかどうか。この4人組がギルドという物の依頼で来ているというのならきっと街に戻るはずだ。その時に同行すれば街に入ることができる。

 そのことは相手に知られたくない。こちらの情報はできるだけ相手に渡したくないのだ。しかし、こうなったら仕方がない。直接言おう。


「ああ。そういう事ね。別にいいんじゃないか?ひとまず、敵意はないみたいだし」


 澤田も社会の先生の言葉を覚えていたようだ。


「んじゃ、そういうことで。いいか?」

「ええ。私たちは問題ないわ。でも、あなたたちが私達に危害を加えないとも限らないわ」

「そりゃそうだ。敵意がないのは確かだ。だが、証明の方法がない。信じてもらうしかないな」

「…少し相談させて頂戴」


 女はそう言ってほかの3人と遠くで話し始めた。

 俺達は移動する準備を始める。と言っても俺がロボプラを片づけるだけなんだが…。

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