招集
翌朝、ファフニールに起こされて目を覚ました。
「アイナから定期連絡がきているぞ」
「はいはい。あーねむ…」
大きくあくびをしながらファフニールが連絡を読み上げるのを聞く。
「まず、王女との件は大丈夫だと」
「王女?そういえばこっちで何とかするとか言っていたような…。鎮静化したならいいか」
「それと、マールに戻ってきてほしいそうだ。大至急」
「戻る?なんで」
「何でもマールの地下で爆弾が発見されたらしい」
「…その爆弾を解体しろと」
「そう書かれているな」
「ふざけんなよ!!!爆弾解体とかできるわけねえだろ!こちとらただの工業高校卒業した一般人だわ!」
「それを我に言われてもなー」
「つるっぴならできるんじゃね?」
「澤田…起きたのか」
「そりゃ、あんな大きな声出せばなー。で、どうすんの?」
「……行くしかねえだろ…」
「なんだ。結局行くんじゃん」
「アイナと約束したろ?俺らに協力する条件…」
「ああー。あったなー」
「約束は守らんと…」
俺は身支度を整え始める。
「ファフ、ちょっと送ってくれ」
「了解」
「俺は行かなくていいのか?」
「澤田は残っといて。あれがいつ来るかわからんし。ファフも俺を送ったらすぐ戻ってくれ。もしもの時は頼む」
「わかった」
「そういえば、新しい機体はできたのか?」
「ん?あー、あれか。できてるよ。インストールもしてる。何かあってもすぐに戻ってかられると思う」
「そんなものすごいもの作ったのか…」
「ファフよりも速度出るかもしれんぞ?」
「む…それは聞き捨てならんな。一度勝負してみるか?」
「いいぜ。また今度な」
雑談していたらすぐに支度が出来た。
「んじゃ、行くわ」
「気をつけて」
俺はファフニールと共に宿を出た。
出発は王都近くの林。ついでに黒狼たちにも王都襲撃時の時の指示を伝えておく。
というか、別に命令しているわけでもないのに、よくこいつら俺たちについてきてるよな。忠誠心があるわけでもないだろうに。
「そん時は澤田のサポートに回ってくれ」
俺がそう言うと2匹は頷いた。それを確認してファフニールに言う。
「よし!出発だ!」
「了解だ」
ファフニールが元の姿に戻り、俺が背中に乗る。
「なるべく早くで頼む。でも、俺が耐えられる速度でな」
「わかっている」
ファフニールはゆっくりと離陸し、一定の高度に達すると加速をかけた。
「予定時間は?」
「約10時間」
「長いな」
「当たり前だ。歩いて10日の距離だ。10時間で行けるだけありがたいと思え。それにお主の耐えられる速度となると結構落とさないといけないからな」
「ま、それもそうか。…なあ、アイナにはもう返信したんだろ?」
「ああ。すぐ行くと伝えておいた」
「10時間ってすぐか…?」
「すぐじゃないのか?少なくともこの世界では」
「ものに依る?って感じか」
到着するまでの10時間のほとんどを寝て過ごした。
だって、眠いもん。




