アイナ妹
いったん落ち着いたところで俺達は椅子に座りなおした。
俺が真ん中で澤田が左、ファフニールは右。向かいにクリシアを真ん中としてアイナの妹とカバンテという護衛の人が左右に。レオナルドは仕事があるとかで帰っていった。
いや、逃げていったが正解か。
ファフニールとカバンテは椅子に座ってからもずっとピリピリしている。こんな状態じゃ逃げたくもなるわな。
「それで何か用があると聞いたのですが?」
「いや、あんたじゃねえよ…」
なぜかクリシアが言ったので突っ込んだらカバンテからすごい殺意の目で睨まれた。
…ここはスルーしておこう。そうしよう。
「用があるのはそっちのアイナの妹」
「私ですか?」
「そ、アイナから手紙を預かっていてな。それを渡しに来た。ただそれだけ」
「そうですか。それでお姉さまとはどういうご関係なんですか?」
あれ?気のせいかな…殺意が地味にこもってるんだけど。笑顔も怖く見えてきた。俺疲れてるのかな…?
「どういう関係なー。あんなことやこんなこと…」
「おい、澤田。それ以上言おうというならお前の首が飛ぶぞ…。俺じゃなくて妹の手によって…」
「……。すまん、忘れてくれ…」
「俺達とアイナは同じクランのメンバーってだけだ。訳あって今は俺達のクランで事務してもらってる」
「……あんなことはあり得ません!!」
「は……?何?急に」
「お姉さまがクランに入るなど……そんなことはあり得ません。何か弱みを握ったのでしょう…?」
「いや、そんな睨まれても困るんだけど…。というか何そのR18同人誌に出てきそうなシチュは…」
「確かにありそうだよなー。つるっぴはそう言うの好みか?」
「割と」
「へー」
というか、マジでアイナの妹の妄想力がすごい。
さっきから一人でない事ばっかりを妄想してぶつぶつと独り言を言っている。
「……怖いな…」
ファフニールとカバンテもにらみ合いをやめて彼女にドン引きしている様子。
アイナの兄弟はブラコンとシスコンってことだな。
俺は心の中でアイナに合掌した。
とひとまず落ち着かせる。
「で、喋ってもいい?」
「は、はい…。すみません…」
「俺達とアイナは君が思っているような関係じゃない。というか俺達にそんな気概も度胸もないしな」
「ヘタレだもんなー」
「そうそう。第一俺達がアイナに協力を頼んだのはあいつが俺達の事情を一番よく知っていて、なおかつそこそこ信用できるからだ。別に弱みを握ったとかそんなことは一切ない。なんならアイナに確かめてくれ。以上。てことで帰るわ」
そう言って俺が立とうとした時、カバンテに止められた。
「待て」
「何?」
「お前たちは鋼鉄の悪魔の噂を知っているか?」
「鋼鉄の悪魔…ね…。澤田何か知ってる?」
「いや、全く」
「ファフは?」
「我も知らないな」
「だそうだ」
「……そう。ならいいわ。引き留めて悪かったわね」
やっと解放され俺達は部屋を出た。
ビビったー。鋼鉄の悪魔が俺だとばれてたらどうしようかと思った。というかなんで俺の事調べてんだ・何かした?
ま、いっか。




