考え事
玄関に入って一つ思いついたことがある。
「なあ、アイナ」
「何かしら?」
「木材と彫刻刀って売ってたりする?」
「普通に売ってるけど…。なに?木彫りでもする気?」
「まあ、そんなとこ」
「そう。なら買っておくわ」
「あざす!」
部屋に戻ってゴロゴロしているとさっきのことを澤田が聞いてきた。
「あれ、何に使うんだ?」
「え…言わなきゃダメ?」
「私…気になります!!!」
「あ…うん。分かったからその目やめて。と言って完全に趣味の領域だけどな」
「趣味…か。なに?木彫りでロボットでも作るの?」
「察しいいな。Exactlyだ」
「ほんと器用だよな」
「そうでもない。こういうのは初めてやるから試行錯誤しながらになるだろうから時間がかかる」
「俺、そういう作業とか無理だからなー」
「手伝えなんて言ってねえよ」
まあ、趣味ってだけでもないんだけど。
俺のスキルの「機械化」。これは自分が作ったロボットの模型を自信で再現すると言ったような物、だと思う。多分…。
しかし、今できるのはEXSのみ。それだと対応できない時が出るだろう。だから、バリエーションを増やすために新しい機体を作る必要がある。
だけれどここにはプラモデルなんてものはないだろうし、それどころかプラスチックもないかもしれない。だから手ごろな木彫りという事にした。できるか知らんけど。
改造とかまでできるなら絶対にはまるだろうし趣味9割、実用性1割ぐらいになりそうだ。
「さてさてさーて。何するか」
「確かに暇だよな。ゲームとかないし。スマホも充電切れてるし」
「スマホがここでも使えてたら暇は潰せただろうけどな」
「ないものを言ってもしょうがないだろ。まあ、小説みたいにスマホが使えたらおかしいしな」
「だよな。突然、性質が変わるとかないわな」
「というかファフは?」
「運動してくるってさっき飛んでいった」
「えええ……。大丈夫なん?」
「知らん。でも、大丈夫じゃね?最近、目立たないように動けてるし」
「うーん。ま、何とかなるか!」
適当に話をしていても話題はいつか尽きるわけで。
「暇だ―――!」
そう言いながらベッドにダイブする。
「だな。何かないか探してくるわ」
そして、澤田も出ていき一人きり。
「ボッチなう」
何だろう、この孤独感。部屋が広い分、今までにないほどの孤独感が俺を襲う。
「暇だなー…」
そう言いながら天井を見る。
この世界に来て何日経ったっけ?10日だっけ?まあ、いいや。
まさかこんなことになるとはなー。自分がなるなんて予想もしなかった。妄想をしたことはある。
元の世界で俺の扱いってどうなってんのかな?失踪か死亡か…それか存在自体消えてたりして。
まあ、ここで考えても仕方がないか。今はこの世界にいるわけだし。帰れるかどうかもわからないのにそんな心配をしても無駄。
……帰る…か。帰る方法を探すのもいいかもな。いつ、帰りたくなるかわからないし。澤田に一度聞いてみるか。
「あ…ヤベ。眠い……。寝るか」
遅くなり申し訳ない。




