依頼出発
「こんなものでいいか?」
「いいんじゃないか」
「それで行くか」
「そうだな」
それから俺達は城の中庭へと移動した。中には広く、学校のグラウンドと同じくらいありそうだ。
庭の真ん中でファフニールが立った。そしてファフニールの体が見る見る大きくなる。
「スキルを解いたのか」
「まあな。あの大きさではお主等を乗せられないからな」
「本当に……邪龍……」
ファフニールの元の姿を見てアイナが言葉をこぼした。
「信じてなかったのかよ…」
「いえ。ただ、こうやって目の当たりにすれば…」
ああー。なるほど。確かにまあ、言われても信じれねえわな。百聞は一見に如かずと言う奴だ。
「乗っていいぞ」
ファフニールに促されて俺達は背中に乗る。
「…硬!」
「鱗ってこんな硬いのか…」
「我は邪龍だ。他の龍よりも鱗は固いぞ」
「そう言えばそうだったな」
「すっかり忘れてたわ」
「さっき、アイナが言っていただろうに。全くお主等は…。まあいい。それでは行くぞ」
「ゆっくりな!」
「わかっている」
そしてファフニールは羽根をゆっくりと羽根を動かしていき、離陸した。
「それじゃあ、初依頼開始だ!」
俺がそう言うとファフニールはゆっくり加速していく。
そしてある程度で加速は終わった。
「今何キロぐらい?」
「何キロと言われてもなー。我はその単位の目安を知らんからな」
「時速とかこの世界で使わんの?」
「ああ。我が知る限り、何かものを測るのは金ぐらいな物だ」
「ふーん。因みにその金の単位は?」
「200年前はゴルドだったが、今ではわからんな」
「そりゃそうか」
このスピードは体感で30キロぐらいか?自転車をガチでこいだ時なみだが。
「30キロぐらいか」
「いや、40だろ」
「いや、待て。40って車だろうが。そんなスピードかこれ?」
「車と並走したことがある俺が言うんだw」
「そう言えばそうだったな…w」
高校生の時、澤田はよく遅刻寸前で来ていた。登校時刻は8時半。あいつが家を出たのは8時10分。そしてあいつの家から学校まで、俺が普通に行くと40分かかるのだ。この意味が分かるだろうか?
澤田は自転車で20分短縮しているのだ。澤田がよく言っていた。「いやー。今日も車と並走してきたわー」と。
「それは本当なのか?車や自転車というものがどういう物か見たことが無いが何も力のない人間がこの速度を出せるとは…」
「普通の人が自転車に乗ると確か20キロじゃなかったっけ?」
「そうだな」
「まったく…お主等の世界というのはどういう世界だったのか」
「機会があれば見に来ればいい」
「それができるのならな」
「それもそうだww」
「それで、目的地まではどれくらいかかるんだ?」
「そうだな…この速さなら日が昇り切ったぐらいだな」
「結構かかるのな」
「まあな。あの町から一番近くて我が知っているのはそこぐらいだ。それに我ならそこまで時間はかからん」
「まあ、のんびり行きますか」
「だなー」




