初依頼
「で、どういう薬草なんだ?」
受付から帰ってきたアイナに依頼内容を再確認する。その間レナ達にずっと見られていた。そんな事を気にしていたら先に進まないのであえて触れない。触れたら、後々面倒そうだし。
「そうね」
そう言いながらアイナは依頼の事が書かれた紙を渡してきた。受け取って読もうとするが…うん、読めん。
「いや、渡されても読めんのだが…」
「わかってるいるわ。それは依頼を完了するときに必要になるから無くさないように」
「あ、そゆこと」
「それで依頼内容だけれど、今回とってきてもらうのはポーションの材料になる薬草「ラフラ草」よ。見分けからは―――」
「それなら我が知っているから問題はない」
「…ファフニールさんが知っているのなら安心ね」
「俺たちの信用はゼロですか」
「あなた達はこの世界には無知でしょ?」
ごもっとも。
心の中でそう言いながらアイナの話を聞き続ける。
「数は100本にしてあるわ」
「100!?おいおい。それは無茶じゃないのか?」
「そうではないわ。分布地は結構多いし、それにファフニールさんの力があれば簡単でしょうしね」
「いや…そうは言われてもなー」
「アイナ様!少しいいでしょうか?」
俺達の会話に横入るようにレナが口を挟む。
「何かしら?」
「失礼ながら、私たちをその依頼に同行させてください」
何言ってんの?ついてくる気?マジで?
「それは私に許可を求めることではないはずよ」
「……」
そりゃそうでしょうね。
レナは俺の方へ向き直ると頭を下げて言った。
「頼む。私たちも同行させてくれ」
「いやだけど?」
はっきり言ってやった。
「わかってはいたがお主には情がないのか?」
「そうよ。同行ぐらいいじゃない」
「アイナはともかくファフにそれを言われるのは釈然としないな」
「澤田は―――」
澤田の意思を聞こうと思ったら、あいつ親指を立ててきやがった。
何がグッジョブだ!何にグッジョブだ!まあ、おそらく「つるっぴに任せる」と言いたいのだろうが。そのジェスチャーはわかりにくすぎるぞ。
「まず、俺達を一度襲った奴らをなぜ信用してついて行かせなければならない?」
「それは!お前たちが…!」
「それに、俺たちにだって秘密はある。それを知られるようなことは望ましくない」
「うぐっ…」
「第一、お前たちを連れて行ったとして何の役に立つ?邪魔になるだけだ」
「依頼を私たちも手伝うと言っているのだ!」
「いや、ただの薬草採取だし。手伝うって意味ないだろ」
おそらく、俺達を監視したいのだろうが、詰めが甘すぎるだろ。さっきのごたごたからこの流れはどう考えても監視しますと言っているようなものだ。
「諦めなさい…」
アイナの言葉にレナは納得のいかないような表情をしたがすぐに
「……わかりました」
と言って去っていった。
「知り合いだったのか?」
「ええ、まあ。一度一緒に仕事をした仲よ」
「ふーん」
なんか…絶対、これ何かのフラグだろ!




