スキル2
スキルを発動させることには成功したが操作の仕方がわからない。
スクリーンにはいくつか項目があった。武装、アーマー、補助装備の3つ。
「澤田は何があった?」
「装備と小物」
2人で違う。それはそうか。スキルが違うんだから。
「で、問題の操作なんだけど…」
手で触ろうとするとスクリーンを突き抜けてしまう。一体どうしたものか。
その時
「お!できた!」
「マジで?」
「おう。なんか装備とかをタッチする感じで想像すると良いぞ」
「了解」
早速、やってみる。武装を選択するように想像すると、画面が切り替わった。
「スマートガンにサーベルだけだな。他の欄には…何もなしか」
内容はすべてexsの武装の一部だった。もしかしてこれは俺がexsが好きだからなのでは?
「澤田は?」
「俺は9ミリ拳銃と双眼鏡と包帯とナイフだな」
「お互い貧相な装備だな」
「だなー。とりあえず全部出してみようぜ」
「そうだな」
俺達はとりあえず一通り出してみた。
「なんか、すごいな」
「激しく同意」
澤田の言葉にうなずきながら肯定した。
サーベルを手に取る。
「どうやってる使うんだろ?」
「それはスイッチとかあるんじゃね?」
「うーん。見た感じはないかな」
サーベルを触りまくるが何も起こらない。
「やっぱりイメージしないとだめっぽいな」
ビームが伸びるように想像する。するとビームがサーベルの根元から伸びるように出てきた。
「おお」
「熱くないん?」
「全然」
不思議とこのビームからは熱を感じない。
試しに近くの木へ歩いて行き、ゆっくりと近づける。ビームが木と触れた瞬間に木の触れた個所が蒸発した。まさに一瞬。
「切れ味ヤベー」
少し冷や汗が流れる。
スマートガンは俺の身長ほどの大きさがある。ビームサーベルは手のひらサイズだった。サイズは俺に合わせられて出てくるらしい。
スマートガンは本来、エネルギー供給ユニットが必要になるのだが、それが無い。エネルギーパイプの上に直付けされているエネルギーユニットが弾倉になるようだ。それに、光学センサーなどのセンサー類すべてついていないため本来のように精密な射撃ができるようでもない。色々欠点だらけだ。
「澤田の方は使えそうか?」
「まあな。つるっぴと違って実際の銃みたいだし」
澤田は双眼鏡をのぞいて崖の下にある森の向こう側を見ていた。
「なんかあったか?」
「今のところはー…あ、」
「どうした?」
「光が見える…」
「光?」
澤田の双眼鏡を借りて見てみる。
確かに森の奥の方に明かりが1つだけ灯っていた。
「なんだろ?」
「さー。ここで誰かが野宿してるとか?」
「だと良いけどなー」
双眼鏡をのぞきながら答える。
「これってズームできないの?」
「あー、それが最大」
「まじかー」
双眼鏡から目を離して澤田に返す。そしてスマートガンを手に取ってスコープを覗く。スマートガンは力がない俺でも軽々と持ち上げられるほどの重量。一体何で出来ているのやら。
「うーん…」
スコープの倍率を徐々に上げていく。
「あっ……」
「どうした?」
「なんか…襲われてる…」
「…マジで?」
「マジで…」