聴取
「それでは聴取を始めます」
「はい」
俺と澤田はそれぞれ別室で聴取を受けていた。ファフニールはさっきの部屋で留守番。
「すべて嘘偽りなく話してください。もし嘘を言った場合はこの秤が赤く光ります。それともし言いたくない事、言えない事などがあれば黙秘してもかまいません」
ほー。それがこの世界での嘘発見器か。元の世界よりも信頼度高そうだな。
それに黙秘権まであるのか。人権は割としっかりしているのか。あの時、拷問するとか人権完全無視な発言をしていたが…あれはあいつのただの暴走という事か?
「それでは始めます。まず、あなたの出身はどこですか?」
初っ端からやばいの来た―――!!
言えないよ。異世界から来たとか言えない。信じるかもだけど、なんか言いたくない。絶対に面倒事になる。俺の勘がそう言っている。え?さっき勘を信じないって言ったって?疑ったと言ったのだよ。信じないとは言っていない。
「あー、えっと…言えないですねー」
「そうですか。それではあなたはなぜあの場に?」
「あー。それは森を彷徨っていまして、そしたら声がしたからですかね」
俺の答えをすらすらと紙に書く聴取の人。やっぱり文字わかんねえや。
「あなたが指名手配されたことに何か心当たりは?」
「…ありますねー。森にいた時に遠くで女4人組が狼っぽいのに襲われていたのでそれを助けようとしたのが原因じゃないかと…」
「なるほど。邪龍ファフニールの封印を解いた経緯を教えてください」
「4人組から逃げて洞窟前に着いたんです。そしたら雨が降りそうだったので雨宿りで洞窟に入って、なんとなくで奥に行ったらあいつに会いまして。封印している装置が珍しかったのでつい…。
つまりは好奇心と成り行きが原因ですね」
「な、なるほど」
なんか若干引いてない?そんなおかしいかね、儂の答えは。
「最後の質問です。あなたは私たちに危害を加える意思がありますか?」
「いや、ないですけど」
最後の質問だけは即答で来たな。というか最後の質問ってどういう意味が?
「ただいまよー」
俺はそう言いながら扉を開けた。
だが、返事はなかった。
「ファフは寝てんのか。ほんとにファフは邪龍か?」
ファフニールが本当の邪龍かどうか、という疑いが増した。
「澤田はまだか…。俺も寝るか」
俺はベッドにダイブした。するとファフニールの体が大きく宙を舞った。
「ファ!?」
それで起きた。
「あ、すまん」
「すまんじゃないだろ!心臓が止まるかと思ったぞ…」
「邪龍なら心臓が止まっても大丈夫そうだがな」
「まあ、大丈夫だな。再生するし」
「マジで!?」
やっぱりこいつ邪龍だわ…。




