契約
「一つ聞きたいのだがいいかしら?」
この広暗の森から一番近いという街の城塞都市「マール」に向かうために馬車に乗っていた。
そこでアイナが何か聞きたいことがあるらしい。
「どうぞ」
「あなたたちは邪龍ファフニールと契約しているの?」
「契約?」
「何それ美味しいの?」
またしてもこの空間に冷たい風が流れる。
やっぱり、知っている人じゃないと笑えないよねー。ははは…はぁ。
「結構恥ずかしいなこれ…」
「ならやらなければいいだろ」
「…ファフ様の言う通りなんですけどねー。どうしてもこういうのやりたくなっちゃって…」
「さすがに相手は選べよ」
「澤田も選んでないだろ」
「俺はちゃんと選んでるぞ。時と場合をな」
「相手は!?」
「知らんな」
「おい」
「いいかしら?」
俺達の漫才じみた話をスルーしてアイナは話しを進める。
さすがはお嬢様だな。
さっき聞いたが鎧を着ているのはアイナの護衛の騎士で他の2人の女子はアイナの友人だという。人望厚いのなー。
「契約というのはそのままの意味よ。例えば誰かがある魔物を仲間にしたいとする。その時に魔物と主従契約を行うことでその魔物を仲間にできるの」
「あー、そういう奴か。なら知ってるわ」
「そうだな。ドラ○エで言うところのテイムだろうな」
しかし、そんなことをした記憶などさらさらない。
「ほいほい、ファフさんや」
「今度はおばあちゃん口調か。多種多様だな」
「その辺はもうほっとけ。これは俺がやりたいだけだから。というわけで俺たちはファフと契約してんの?」
「してないぞ。第一、そんなことをした記憶があるのか?」
「ないな」
「そういう事だ」
「していないのに邪龍があなた達に従っているの?信じられないわ…」
と言われてもねー。現実はそうなっているわけですし、お寿司。
「ただ封印を解いてもらったからというわけではないぞ。こ奴らは面白いことを知っている。それにこ奴ら自体にも興味があってな」
「それを言うのは美少女になってからにしてくれ」
「ん?なろうか?」
「「マジで!?」」
「というのは冗談で。疲れるからしたくない」
「死ね!」
俺達のやり取りを見て呆気にとられている相手方6人。
「本当に信じられん。何故お前たちのような礼儀も知らない奴が邪龍と親しくできるのだ!」
「そう言われてもなー。なあ澤田」
「そうだな。俺たちはただ性癖全開で話しているだけなのにな」
「それはOUT案件です」
そう話していると一つの疑問が出てきた。
「ファフは俺達がファフと契約したいと言ったらやるのか?」
「そうだなー。全く考えたことなかったが多分受けるんじゃないか?」
「WHY?」
「ん?なんだ?」
「なんでってことだよ」
説明ありがとう澤田。というかファフニールに英語は通じないのか。覚えておこう。自重はせんがな!
「そういう事か。お主等は我の恩人だ。それにお主等からはまだまだ聞きたいこともある。だから死んでもらったら困るのだ」
「契約したらなんか加護みたいなものが付くとか?」
「そうだな。それに近い。もし、お主等が危険な場合はすぐに我はそれを知ることができる。それだけじゃなく我の力の一端を使うこともできるようになるだろう。無論我もな」
「それだけではありませんぞ。契約を交わした魔物は主に逆らえなくなります」
「主の命令は絶対ってことだな」
「そういう事です」
「……そろそろ着くわね」
話しているうちに街に着いたようだ。




