10対2
茂みから飛び出した俺たちに敵は驚いて、初動が遅れていた。
「澤田!!」
「おう!」
俺達は一人ずつ確実に仕留めていく。
初めはスコープを覗かずにやっていたがほぼ全く当たらない。
「やべえ。当たんねえんだけどww」
「ちゃんと覗いた方がいいぞ」
「わかってる」
スコープを覗くと視野が狭くなるのであまり覗きたくはないんだ。
「よし。後半分」
半数を倒したところで相手は俺達を囲み始めていた。一人を除いて。
おそらく敵の中で一番強いんだろう。なんだかそんな感じがする。
「やばいな」
「ああ」
俺達は銃撃をやめて警戒する。
敵との距離は5メートル。ノンスコ(ノンスコープ)でもあたりそうだが今までの銃撃で当たらないことは理解した。ここからはモグラ叩きだ。
「てめえら!舐めた真似してくれたな!!」
俺達が銃撃をやめたことで余裕を持ったのかこちらに話しかけてきた。
「ただで済むと思うなよ!」
「そんなこと思ってないよ…」
俺は小声でそう言った。
澤田も小さく頷く。
「死ねえ!!」
敵が一斉に襲い掛かってきた。
「澤田、当てるなよ」
「わかってる」
俺と澤田は同時に乱射する。
俺達の銃撃で敵は踊るように倒れていった。
人質になっていた女には当てていないはず…。
女の方を見ると口を開けてぽかんとしていた。
「セーフ…。心臓に悪いなー」
「だな。勘弁してほしい…」
「お前が言い出したんだろうが」
「つるっぴも乗ったじゃん」
「いいね!」
そう言って残っていた男が拍手をしながら近づいてきた。
「まじかー」
こいつも巻き込むように打ったはずなんだけどなー。どうやって防いだんだか…。
「お前たちは面白い!どうだ?俺の仲間にならないか?」
突然の提案。前の俺なら思考停止していたであろう状況。だが、今の俺には混乱耐性LV5がある。
が、こいつの考えは良く読めない。
「…馬鹿なのか?」
「どうだろう?馬鹿と天才は紙一重っていうし」
「あー。めんどくさい奴ってことだな」
「どうするんだ?」
「どうするって…。決まっているだろうに…」
「そうだなw」
俺達は銃を構えなおし
「この状況で何を考えているかは知らないが、なかなか面白い提案だと思う。だが―――」
「断る!!」
こいつ!台詞のラストを持っていきやがった。この戦闘に紛れて誤射(意図的)をしてやろうか!
「そうか…なら死ね!!」
男はそう言って俺たちに突っ込んできた。
当然俺たちは撃つ。だが、銃弾はすべて男の目の前で弾かれて届かない。
「嘘だろ!!」
男は俺の目の前まで来ると突進の勢いを殺さずに腰に携えていた剣を抜いて切ってきた。
俺はそれを紙一重…いや、ぎりぎりライフルで弾く。そしてすかさず距離を取るために後ろへと下がる。
抜刀攻撃…。厄介を通り越して無理ゲーになってきた。
俺達は全く反応できなかった。さっきの攻撃は運よくライフルで弾けただけだ。いや、相手が狙った可能性もあるのか…。
いや、それよりもライフルが効かないって…。澤田の9ミリ機関けん銃ならともかく。俺のはビームだぞ!
物理耐性とか魔法耐性みたいなものがあるだろうなとは思っていたがビーム耐性とかまであるのか?
無理ゲーにもほどがあるぞ…。
「さて、どう戦ったらいいものか…。もう詰んでいるとかは勘弁してほしいが…」




