捕縛
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ありがとうございます。
クソ!なんてざまだ。
私はアイナ・レオルド。城塞都市「マール」を中心とする領地の領主であるレオルド家の娘。
そんな私は今、盗賊どもに捕まってしまった。
広暗の森に封印されていた邪龍が解き放たれたとの知らせを受けて調査に来たのだ。しかし、調査の途中で仲間たちとはぐれてしまった。
その時に盗賊たちに捕まってしまったのだ。
油断していた。
私は縄で手足を縛られているため身動きが取れない。
「にしてもラッキーだったな」
盗賊達が話し始めた。
「ああ。まさか領主様の娘が捕まえられるとはな」
「でも、どうするよ?」
「決まってるだろ。身代金をたんまりともらうんだよ!」
「その前にやっとくか?」
「いいねー」
「ゲスが……」
私は盗賊たちの会話に小さな声でつぶやいた。その言葉は盗賊の一人、私に一番近くにいた奴に聞かれてしまった。
「なあ、お嬢ちゃんよ。状況わかっていってるのか?」
「ん?どうした?」
「嬢ちゃんが舐めた口きいたから少し懲らしめようと思ってな」
男は指を鳴らしながら私に近づいてくる。
「あなた達、忠告しといて上げる」
「ああ?」
「この近くに封印されていた邪龍の話は知っているでしょう?」
「そんなのおとぎ話だろうが」
「本当にそうかしら?最近、妙なことが起こったりしていないかしら?」
「妙な事?そんなのあるわけねえよ」
「そう…」
男たちは気付いていない。邪龍が復活してしまったことに。ましてや邪龍が封印されているという話をおとぎ話だと思っている。
早くしないとここは危険なのに!
私はどうにかして抜け出せないか考える。
仲間が来たら状況は絶対に変わる。
私と行動していた5人は全員、領内でも名が通るほどの実力者だ。だから、仲間たちが来たらこんな盗賊は5分もかからずにけちらせる。
でも、仲間たちに連絡する手段はないし…。一体どうしたら…。
とりあえず今は時間稼ぎを。
「でも、いや。だからこそ忠告しといて上げる。あなた達、今すぐこの森から出た方がいいわよ」
「は?何言ってやがる」
「邪龍の封印が解かれたの。すぐにこの広暗の森は危険区域に指定されるわ。もし、邪龍が現れたら――」
「はははは!」
私の言葉を遮ってある男が大声で笑い始めた。
その男は他の盗賊とは比べ物にならないほどの実力を持っていた。
「どうしたんですか?キバさん…」
「何、こいつおもしれえ事いうと思ってな」
そう言ってキバと呼ばれた男は私に近づいてきた。そして、私の髪を引っ張り上げて言った。
「邪龍が現れたら…なんだって?」
「邪龍が現れたらあなたたちは終わりよ。だから早くここから逃げなさい」
「面白い!邪龍!いいね!戦ってみてえ。面白そうだ!」
そう言ってキバは高らかに笑った。
馬鹿な奴だ。邪龍に勝てると本気で思っているのか?それともそれほどの実力がこの男に…。
…キバって確か…指名手配されているBランクの…。
確かにBランクは強い。私や仲間たちに匹敵するほどの強さだわ。でも、邪龍はSランクの勇者レベルじゃなきゃ倒せない。こいつには無理ね。
そう思っていると草むらから2人の若い男が勢いよく出てきた。




